市川ソフトラボラトリー、「SILKYPIXオートホワイトバランス」が“21世紀発明奨励賞”を受賞


 市川ソフトラボラトリーは27日、RAW現像ソフト「SILKYPIX」シリーズに搭載している光源特定アルゴリズム「SILKYPIXオートホワイトバランス」が、社団法人発明協会の21世紀発明奨励賞を受賞したと発表した。

SILKYPIX Developer Studio ProSILKYPIXオートホワイトバランスの適用例

 SILKYPIXオートホワイトバランスは、デジタルカメラで撮影したRAWデータから光源色(色温度)を特定し、ホワイトバランスの補正に利用する独自アルゴリズム。「光源色検知によるホワイトバランス調整装置の発明」として特許を取得している。特許番号は4447520。

 光源の光を反射する「鏡面反射光」(特定方向散乱光)と、物体の色を反射する「乱反射光」のうち、乱反射光の成分を取り除くことで鏡面反射光のみを取り出し、光源情報からホワイトバランスを導く原理。

 一般的なオートホワイトバランスは、写真データの中から「白と思われる部分」を検出し、その部分が白くなるように補正を行なう。

 同アルゴリズムを用いることで、「色や無彩色が無い被写体でも色温度を特定できる」、「被写体の色に依存することなく色温度を特定できる」、「アルゴリズムが単純なため、安定した色温度評価結果を得られる」としている。

 また同社では、一般的なオートホワイトバランスの問題として「白や無彩色が存在しない場合に色温度を特定できない」、「微妙に色のついた白っぽい被写体(薄いピンクや緑など)と色かぶりを判別しにくい」、「色温度検出時に被写体の色に影響を受けやすく、誤作動を起こす確率が高い」点を挙げており、一般的なオートホワイトバランスでは適切なホワイトバランスを得にくいケースがあるとしている。

 発明協会では、原理がシンプルで高速な処理が可能なことと、デジタルカメラや携帯電話などのハードウェアへの組込みが容易であることから、今後のデジタル写真業界に広く貢献できるものと言及している。

 SILKYPIX Developer Studioは、ノイズ整列機能、フリンジ除去機能、HDR合成機能などを備えたRAW現像ソフト。「SILKYPIXオートホワイトバランス」は、2011年2月に公開した最新版「SILKYPIX Developer Studio Pro 5」で初めて搭載した機能。対応OSはWindows XP/Vista/7、Mac OS X 10.4以降。




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2011/5/27 18:43