トクヤマ、「フレスコ」を再現するインクジェットペーパー
トクヤマは、漆喰をシート状に加工したインクジェットペーパー「フレスコジクレー」(Fresco Giclee)を8日に発売した。
表面の凹凸が視認でき、奥行き感のある表現が得られるという「Type R」と、表面がなめらかで、比較的スムースな画像が得られる「Type S」の2種類をラインナップする。いずれもサイズは914mm幅×10mのロール紙のみ。価格は要相談としている。銀一スタジオショップ、PCM竹尾、Tooの店舗で取り扱う。
未硬化の漆喰をベース紙の上に載せ、シート化したインクジェットペーパー。「最新技術によるフレスコの再普及」をコンセプトとして生まれた。プロ写真家やハイアマチュアが対象。美術館収蔵物の複製や、文化財の保存復元といった用途も見込む。
フレスコは、描画面に漆喰を塗り、その上から水で溶いた顔料で描画する絵画技法。漆喰が空気中の炭酸ガスや二酸化炭素と反応することで硬化し、顔料が封じ込められる仕組み。高い耐久性を特徴とする。
フレスコジクレーは、顔料インクジェットプリンターを用いることで、フレスコ画の描画と同じ原理でプリントできるとしている。対応プリンターはエプソン「PX-9550」。インクジェットプリンターによるフレスコの再現は世界初という。
なお同社では、未硬化の漆喰はプリントしなくても空気中の二酸化炭素と反応するため、未使用時は梱包状態へ戻すことを推奨している。また、プリンターのオートカッターは使用できない。
A2およびA3ノビのカット紙の発売も検討中。発売時期は秋頃を目標としている。
2011/4/8 17:00