新宿ニコンサロン、古川裕也写真展「ランドスケープ・イリュージョン」


 新宿ニコンサロンは、古川裕也写真展「ランドスケープ・イリュージョン」を1月25日から開催する。


檻のなかの壁に描かれた熱帯雨林や砂漠の絵。モルタルやポリエステル樹脂で作られ、古く見えるように加工された擬木や擬岩が並べられた飼育場。そんな景色のなかを、動物たちが悠然と歩きまわっている。
動物園において、飼育動物の生息環境を人工的に再現する展示方法は「ランドスケープ・イマージョン」(Landscape immersion 景観に浸し込む展示)と呼ばれ、1970年代にアメリカで発案された。動物のみならず、来園者も生息環境に入り込むかのように設計されており、現在では多くの動物園で取り入れられている。
たしかに生活環境を模した景観を動きまわる動物たちは、旧来の動物を檻や堀で囲んだだけの展示と比べて、より自然な姿を来園者に強く印象づける。しかし、動物行動学に基づいて設計されるこのような環境は動物のためだけでなく、来園者のためでもあるのではないだろうか。動物が生息しているような環境で暮らしているように「見せる」という目的。そこには、壁に描かれた熱帯雨林や砂漠の絵、サル山やシロクマの氷山と同じように、来園者たちの美的欲求を満たす舞台としての側面があるはずだ。
戯曲の題名は「野生」で、用意されたいくつもの舞台の上で動物たちは役者として配置されている。そして、観客である来園者たちは、そこにアフリカの草原やアジアの密林を歩きまわる動物たちの姿を夢想する。カラー約30点。
(写真展情報より引用)

  • 名称:古川裕也写真展「ランドスケープ・イリュージョン」
  • 会場:新宿ニコンサロン
  • 住所:東京都新宿区西新宿1-6-1新宿エルタワー28階
  • 会期:2011年1月25日〜2011年1月31日
  • 時間:10時30分〜18時30分(最終日15時まで)
  • 休館:会期中無休

 1月29日にギャラリートークを行なう。時間は13時〜14時。

(本誌:折本幸治)

2011/1/10 00:00