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カメラグランプリ2016贈呈式で開発秘話が披露

α7R IIやM.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4 IS PROが受賞

カメラ記者クラブは6月1日、「カメラグランプリ2016」の贈呈式を都内で開催した。

既報の通り、カメラグランプリ大賞はソニーα7R II、レンズ賞はオリンパスM.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4 IS PRO、あなたが選ぶベストカメラ賞はニコンD5が受賞した。

また、カメラ記者クラブ賞はキヤノンEOS 5Ds/5Ds R、ソニーサイバーショットRX10 II/RX100 IV、富士フイルムX-Pro2がそれぞれ受賞した。

会場では、大賞とレンズ賞を受賞したメーカーが「開発秘話」を披露し、会場を沸かせた。

裏面照射型で斜め入射光に対応―α7R II

大賞となったα7R IIの開発秘話を話したのはソニーの中島健氏。

α7R II

「高画素な上に、レンズと撮像素子の距離が近く、斜入射特性が問題だった。世界で初めての35mmフルサイズによる裏面照射型CMOSセンサーを搭載したことでこの問題をクリアした。センサーの開発部門でも大変な苦労があった。個人的に魅力なのはオールドレンズを装着したときにも斜入射特性が良いことだ。防湿庫に眠っていたオールドレンズが、マウントアダプターで楽しめる」

カメラグランプリ実行委員から贈呈される中島健氏(右)

受賞盾を受け取ったソニーの田中健二氏は、「α7R IIは解像にチャレンジしたカメラ。撮像素子の量産には苦労したが、高画素とISO 10万という高感度を実現した」と述べた。

田中健二氏(右)

機動性を犠牲にせずに実現した600mm相当―M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4 IS PRO

レンズ賞となったM.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4 IS PROの開発秘話を話したのはオリンパスの加藤茂氏。

M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4 IS PRO

「600mm相当のレンズは設計者も使ったことが無く、まず他社の600mmレンズを使ってみることから始めた。すると、画質は良いが大きくて重いというのが共通の感想だった。オリンパスの場合、機動性を犠牲にしてはならないと考え、“手持ちで使える600mm”をコンセプトに開発した。途中で手ブレ補正機構を入れることが決まってからは、レンズ側とボディ側の設計者で侃々諤々のやり取りがあった。2年連続での受賞を目指したい」

加藤茂氏(右)

受賞盾を受け取ったオリンパスの斉藤裕一氏は、「これまで小形軽量の価値を提供してきたが、このレンズはその価値を最も体現するレンズ。画質と手ブレ補正機構が評価してもらえた」と話した。

斉藤裕一氏(右)

写真を撮ることを妥協無く―ニコンD5

あなたが選ぶベストカメラ賞で受賞盾を受け取ったニコンの山本哲也氏は、「“写真に撮って切り取る”というということを妥協無く行えることをコンセプトに、センサー類を一新して作った。あなたが選ぶベストカメラ賞を頂けるのは大変ありがたいこと」と語った。

D5
山本哲也氏(右)

尖ったカメラで高画素のニーズに応える―キヤノンEOS 5Ds/5Ds R

EOS 5Ds/5Ds Rでカメラ記者クラブ賞を受賞したキヤノンは、「このカメラは社内では王道では無く、尖ったカメラとして作った。これまでのEOSでは高画素の写真が撮れないという声があり、応えたもの。EOSなので、高画素でも手持ちで使えるものを目指した」(キヤノンの松島寛氏)と話した。

EOS 5Ds(左)/5Ds R(右)
松島寛氏(右)

驚きを持って迎えられた積層センサー―ソニー サイバーショットRX10 II/RX100 IV

サイバーショットRX10 II/RX100 IVでカメラ記者クラブ賞を受賞したソニーは、「熊本で工場の復旧に当たっているメンバーも含めて全てのメンバーと受賞の喜びを分かち合いたい。積層センサーはユーザーからも驚きを持って迎えられた。カメラの世界を変えるようなものを今後も作っていきたい」(ソニーの濱口努氏)と述べた。

サイバーショットRX10 II(右)/ RX100 IV(左)
濱口努氏(右)

カメラで撮れる写真で感動を―FUJIFILM X-Pro2

FUJIFILM X-Pro2でカメラ記者クラブ賞を受賞した富士フイルムは、「2012年にミラーレスカメラに参入して以来、これまでの要望を反映し、満を持して発売したのがX-Pro2。カメラは近代技術の粋を集めたものだが、伝えたいのは撮った写真からくる感動。さらに、カメラを持つ喜びも伝えたい」(富士フイルムの高橋通氏)と話した。

高橋通氏(右)