自分の写真がアクリルパネルに!「飾れる作品」をプロラボに頼んでみました
ラボとはフィルムやデジタルのデータを現像してプリントまで仕上げてくれる現像所のことを言います。その中でもプロラボとはプロの写真家が懇意にしているラボのことを言いますが、アマチュアの方が利用してはいけないわけではなく、どなたでも気軽に利用することができます。
今回は、アフロアトリエにお伺いして、プリンティングディレクターの松平光弘さんのアドバイスを受けながら写真展に展示する作品を実際に作ってみました。
Step 1. データを見ながらラボで打ち合わせ
まずは作品データを持ってラボへ行きます。ここでプリンティングディレクターの松平さんと直接打ち合わせをして、プリントする用紙の種類や額縁、サイズなどを決定します。
北欧のオフィスでは立って仕事をするスタイルは一般的で、PC作業をしたり後ろの大きなプリンターで印刷をしたり隣の机で作業をしたりと動き回ることの多い松平さんには合っているスタイルのようで、健康面でも肩こりや腰痛が緩和されたそうです。
ラボでは自分で色味や明るさなどを調整した画像データを持ち込んでプリントしてもらうことももちろんできますが、今回は写真をアクリルに貼り付ける特殊な形態で展示するため、画像の調整はプロにお任せすることにしました。
ラボへ持っていくデータは、RAWと自分で仕上がりをイメージして調整したTIFFとJPEGを用意しました。それと、色調整した画像をはがきサイズにプリントして、自分がイメージする色味を説明しやすいようにしました。また、今回はスクエアサイズにトリミングもするのでトリミングした画像もプリントして持参しました。
Step 2. プリント用紙&額縁選び
さて、ここで色調整に入る前にプリント用紙と額縁、仕上がりサイズを選びたいと思います。ラボにはさまざまな種類のプリント用紙があり、実際に紙を触って選ぶことができます。額縁も十数種類ありますので、自分の好みのものを選ぶことができます。また、ここに現物がないものでも取り寄せることは可能ですので相談を受けてくれるそうです。
今回、私が選んだのはアクリル加工の形態です。5mmのアクリルに写真を貼り付ける額装方法で、アクリルと写真が一体化して被写体が浮き出るような表現が可能になります。以前こちらで違う作品を制作したときにこのアクリル加工を見て、ぜひ作ってみたいと思っていたのです。
アクリル板の厚みは3mmと5mmがありましたが、水槽らしさを出すためと見た目の良さで迷わず5mmに決定。形はかわいらしいスクエアタイプに、大きさは部屋に飾りやすい30×30cmサイズにしました。
裏面のゲタの色と素材も選ぶことができます。飾ったときに横から見える部分なので、作品のイメージに合わせて黒を選択しました。この素材によって価格も変動します。
Step 3. プリンティングディレクターの手による画像調整
完成作品のイメージができたので、次は画像調整です。プリントアウトするだけではなく、5mmのアクリルが写真に乗ることも考えて調整します。小さな四角い水槽の中からこちらを見られているような、水面が近いのではなく水の深い底のような暗さを出して、でも主役のクマノミはネオン色に輝くような……そんなわがままにも臆せずペンタブレットに向かう松平さん。頼りになります!頼りにしています!!
ここでは私の希望の色味を見るための仮の画像補正になります。通常は後日再訪し、校正紙(プリントした作品)を見ながら打ち合わせを行いますが、今回は取材の都合上、当日に校正まで行いました。後は完成を待つばかり。
Step 4. 完成!!
数日後、完成品の確認を行います。5mmのアクリルが写真のムードを高めてくれて予想通り……いいえ、予想以上の仕上がりでした。
今回私が制作したアクリル加工の作品は、画像調整などすべてを含めて1万円程度で制作できました。アクリルの厚みや裏面のゲタの素材などによって価格は上下に変動します。
プロラボというと敷居が高いように感じると思いますが、アマチュアの方も気軽に利用してもらいたいと松平さんは仰っていました。大きなサイズでなければ意外と低価格で額装することができ、飾るスペースも取りません。また、昔から言われているように写真の上達には自分の撮った写真をプリントして飾り、それを見ることがとても大切です。
自分が撮った写真がプリンティングディレクターの手によって作品として高められる感動は、ぜひ、写真を楽しむ多くの方に体験してもらいたいと思います。
今回制作した作品は、2月11日~22日にみなとみらい駅から徒歩1分のサブウェイギャラリーMで行われる「日本の写真文化を海外へプロジェクト」が主催する『JPCO Gallery Spring 2015 / 日本の写真文化を海外へ』の合同写真展で展示されます。CP+にご来場の際はぜひお立ち寄りください。