【女性限定】オリンパス・PetitPhotoRouge

金森玲奈先生に教わる!かわいい猫カフェ撮影編

希望者に貸出された OLYMPUS PEN Lite E-PL7。奥はジャンくん(撮影:金森玲奈先生)

「PetitPhotoRouge(プチフォトルージュ)」とは、オリンパスイメージングが主催する女性専用の写真講座。女性講師をお迎えして、洋館や雑貨、お散歩スナップ、ポートレートなどカメラ女子に人気の被写体の撮り方を学びます。

今回は、猫カフェ撮影講座の様子をレポートします!

金森玲奈先生。オリンパスのプチフォトルージュなどの講師を勤めるだけでなく、雑誌・書籍への作品掲載や執筆など幅広く活躍しています。

猫にやさしい設定で撮影しよう

猫カフェ撮影講座は、東京・蒲田にある猫カフェ「とらくん」で行われました。

猫カフェ「とらくん」は保護猫カフェというスタイルのカフェ。保護猫のスタッフを家族として迎え入れてくれる人との出会いの場をつくり、保護した新しい子を迎え入れています。

猫が興味を示すオモチャがたくさん用意されています。
まずはオモチャで猫と遊ぶ金森先生。
スタッフの方から猫のじゃらし方を教えていただきました。下からのアングルで狙いたいときは、マットの下にオモチャを入れて動かすと興味を引くそうです。
フライングキャットや猫パンチ写真を撮りたいときは、猫の頭上にオモチャをブンブン降ると反応するそうです。

プチフォトルージュの猫カフェ撮影講座は、毎回人気で今回は11名の方が参加されました。最初に金森先生から室内の雑貨撮影のポイントを教えていただきました。

金森先生の猫カフェ撮影アドバイス

1)AFイルミネーターはOFFにする

暗い場所では、オートフォーカスを合わせやすくする補助光が照射されます。猫の目に当たると目を傷つけてしまうので「AFイルミネーター」はOFFにしましょう。「AFイルミネーター」はメニュー画面の歯車マークの「A AF/MF」から設定します。

歯車マークは初期設定では「非表示」になっています。メニュー画面のセットアップから表示を設定します。
歯車マークのタブの「A AF/MF」から「AFイルミネーター」をOFFにします。

2)電子音OFFでシャッターチャンスを逃がさない

初期設定では、シャッターボタンを半押しすると「ピピッ」と音が鳴ります。この音に反応して猫が逃げてしまったり、起きてしまったりすることも。微かな音ですが、猫の聴覚は人間の4倍も耳がいいので反応してします。

歯車マークのタブの「D 表示/音/接続」から「電子音」をOFFにします。

3)ISO感度を高めに設定
室内は目で見るより暗い状態なので、シャッター速度は遅くなりやすぶれくなります。今回はISO感度を1600に固定して撮影しましょう。

OKボタンを押すとライブコントロールの画面になります。この日はISO1600固定で撮影しました。部屋の奥など暗い場所ではもう少し上げることも。光の状態を見ながら変更していきます。

3)追尾AFで猫にピントを合わせ続ける

フォーカスモードは「追尾AF(C-AF+TR)」がオススメです。追尾AFは、一度ピントを合わせると、半押し状態で被写体の動きに合わせてフォーカスポイントが画面上を移動し続けるので、動く被写体にはオススメのモードです。寝ていたり、丸まっている猫なら「S-AF」で大丈夫です。

フォーカスモードはライブコントロールから設定できます。半押し状態でピントを合わせ続けるC-AF(コンティニアス)と半押し状態でフォーカスポイントが移動し続けるTR(トラッキング)を組み合わせた「追尾AF」に設定します。

4)連写モードで連続撮影を楽しむ
連写モードにすると撮影枚数画増えるので成功写真が増えるだけでなく、連続写真を楽しむこともできます。

ライブコントロールで連写モードに設定します。E-PL7の連写性能は、「連写H」は最高8.0コマ/秒(手ブレ補正 OFF ピントと露出は連写1コマ目で固定)、「連写L」は最高3.7コマ/秒。

5)動きを撮るときはシャッター優先(S)モード

設定したシャッター速度に合わせて、自動で絞りが設定されます。シャッター優先は、動いている猫なら1/250〜1/500秒、止まっている猫なら1/60秒が目安になります。

オモチャをキャッチ! この写真のシャッター速度は1/500秒です。

6)猫のやわらかい毛並みを表現したいときは絞り優先(A)モード

設定した絞り値に合わせて、自動でシャッター速度が設定されます。ボケを上手に使うことで、ふわふわの毛並みやかわいい表情が表現できます。

後ろ足の肉球を前ボケにして撮影しました。絞り開放だとぼけすぎだったので、この写真は肉球の形がわかる程度まで絞りました。

7)白猫はプラス補正、黒猫はマイナス補正

オートで撮ると、白猫がねずみ色に、黒猫が茶色に写ります。これはカメラが白い(明るい)ものは暗く、黒い(暗い)ものは明るく撮ろうとする癖があるからです。撮影するとき、液晶画面で確認しながら露出補正で明るさを決めましょう。

ライブビュー撮影なら、写真の明るさを確認しながら撮影できるので便利です。

8)ローアングル撮影は可動式液晶モニターが便利

猫の表情がよく見えるように、猫の目線の高さで撮りましょう。最近のオリンパスのカメラは可動式モニターを採用しているので、地面に近い猫の表情を撮るときのローアングル撮影が便利です。

金森先生のカメラはバリアングル液晶が採用された最新カメラOM-D E-M5 Mark II。

カメラの設定が終わると、楽しい撮影タイムの始まりです。

入店からずっとお気に入りの場所から動かなかったジャンくん。ずっと静かに座っていたので、たくさんの参加者から撮られていました。
猫を釣りながら撮影する金森先生。
参加者は自分の撮りたいイメージがわからないときは先生に聞いて、アドバイスをもらいました。

猫の動きを予測してかわいい仕草を撮る

金森先生は、ライフワークとして猫の作品を撮り続けています。金森先生に猫を撮るきっかけについてお聞きしました。

猫を撮るとき、すごく幸せそうな金森先生。

「私は写真学科に通っていたのですが、写真を始めたのは大学に入ってからです。学校では課題を出されるのですが何を撮りたいのかわからず、本当にクラスの落ちこぼれでした。大学1年の1月、偶然歌舞伎町で1匹の猫に出会いました。もとから猫が好きだったので、街に生きる猫を撮るようになりました。大学3年生の頃、東京駅前の公園で地域猫のボランティアをしている人と知り合いました。写真を撮るかたわらボランティアのお手伝いをさせてもらうようになり、卒業制作はそこに捨てられた子猫の成長記録を撮りました」

「猫を撮ることで“撮りたいもの”が見つかりました。猫を撮らなかったら、私は写真をここまで続けていなかったと思います。私がいまでも写真の世界にいられるのは猫のおかげですね」

そんな金森先生に猫のかわいい仕草を撮るコツを教えていただきました。

猫のかわいい仕草を撮るコツ

1)舌ペロ写真は手にピント

猫の毛づくろいの仕草はかわいいですよね。毛づくろいをしている猫の舌にピントを合わせて、シャッターのタイミングを合わせるのは大変です。そんなときはなめている手にピントを合わせ、シャッターボタン半押し状態でシャッターチャンスを狙いましょう。毛づくろいは同じ動きの繰り返しなので、動きも予測しやすいと思います。

こちらは「S-AF」で手にピントを固定して、連写を使って撮影しました。なめている手にピントを合わせれば、自ずと舌にもピントが合い舌ペロ写真が撮りやすくなります。

2)かわいい一部分を切り取る

視線の向いた顔もかわいいですが、体の一部分を切り取るのもかわいいですよ。肉球や舌、耳、しっぽ。ググッと寄って大胆に切り取りましょう。

肉球にピントを合わせてパチリ♪肉球は猫によって色が違います。この子はきれいなピンク色でした。
最後に「今日いちばんの写真」を全員の前で発表し、金森先生に講評していただきました。
参加者の作品をスタッフの方が回して見せてくれます。短時間にもかかわらず、かわいい写真がたくさん撮れたようでした。
講評中、参加者の膝に乗にきた猫ちゃんも。ゴロゴロ、なでてニャー。

参加者の方からも

「猫にたくさん癒されました。動く動物を撮るのが苦手でしたが、今日はたくさんかわいい写真が撮れて大満足です」

「オモチャに反応してくれて楽しかったです。撮るのを忘れて、猫ちゃんたちと遊んでしまいした」

という声が。

みなさん猫に癒され、かわいい写真がたくさん撮れたご様子でした。

最後に参加者と金森先生の作品を発表します。

参加者の方の作品です。撮影:tomoさん「猫は大好きですが、飼えないので猫カフェでのセミナーはとても楽しみでした。ふわふわした毛並みや爛々とした瞳、キュートな仕草など、撮りたい要素が盛りだくさんですがなかなか思うようにはいきません。。。ですが猫を撮る時のカメラの設定方法やピントの合わせ方など、とても勉強になりました。また、猫の写真を撮りに出かけたいです」
金森玲奈先生の作品です。「毛づくろいの名残りでしょうか?ヒョロリと伸びたひと筋の毛に目がとまりました」

保護猫カフェは、遊びに行くだけでカフェの運営資金になります。猫と遊びたい&撮りたいという方は、ぜひお友達を誘って遊びに行ってみてはいかがでしょうか。

かわいい姿に癒されること間違いなしですよ!

(2015/3/12)
加藤マキ子(ツナ☆カメラ)
1981年生まれ。写真編集者。カメラ書籍を手掛ける編集プロダクションで女性向けのカメラ雑誌や書籍を多数手掛ける。その後、実用書系編集プロダクションを経て、2013年に独立。『光と色の写真の教科書 〜ふんわりフォトもこっくりフォトも思いのまま〜』『まりこ先生が教える やさしい写真の教室』などの企画・編集を担当。ときに、撮影や執筆も手掛けることも。仕事が好きで、マグロのように止まらず常に全力疾走中!