【女性向け講座】富士フイルムXセミナーズ“LOVEPHOTO”

むらいさち先生に教わる!花・たび・フォトレッスン編

神奈川県・吾妻山の頂上でむらいさち先生と一緒にパチリ♪

富士フイルムイメージングシステムズが運営するXセミナーズ【LOVEPHOTO】は、同社のデジタル一眼カメラのユーザーや購入を検討している人向けの女性限定の写真講座です。

今回は、むらいさち先生の花・たび・フォトレッスンをレポートします。

講師のむらいさち先生。沖縄でのダイビングインストラクターを経て写真の世界へ。水中撮影だけでなく、花を中心とした陸の作品も多く発表。講師だけでなく、雑誌・書籍への作品掲載や執筆など幅広く活躍しています。

撮り方に正解はない!自分だけの菜の花を撮ってみよう

むらいさち先生の「LOVEPHOTO 花・たび・フォトレッスン」は2015年1月から始まった新しい講座で、月に1回お花の撮影にでかけるというもの。第1回目は神奈川県・吾妻山で菜の花を撮影しました。

今回の講座は機材貸出しがあり、希望者には参加申し込み時にカメラボディ1台(X-T1、X-E2、X-M1)と、貸出カメラのキットレンズ、そして希望レンズ1本の計2本のレンズを借りることができます。

この日の参加者は13名。カメラの内訳はX-T1を持参した方が4名、X-T1の貸出し希望者が6名、X-E2の貸出し希望者が2名、X-M1の貸出し希望者が1名でした。X-T1に興味のある女性が多いことがわかります。またお花撮影ということもあり、貸出レンズはXF60mmF2.4 R Macroを希望する方が多かったです。

吾妻山に登る前に、二宮町町民センターでカメラの基本的な使い方を教えていただきました。

撮影前の準備

1. 視度調整をする
X-T1とX-E2はファインダーを覗きながら撮影するスタイルのカメラです。撮影者の視力に合わせてファインダー視度の度数を調整します。人間の視度は朝晩でも変わるほど変わりやすいもの。撮影前は視度調整を合わせましょう。

ファインダー横に付いている視度調整ダイヤルを回しながら、ファインダー内の表示(例えば数字など)がクリアに見えるように調整します。

2. 手ブレ補正をON
手持ちで撮影するときは手ブレ補正機能がONにします。晴れた昼間でも、絞り込んだり、望遠レンズを使ったりするとブレやすくなるので撮影前にONになっているかチェックしましょう。

富士フイルムのカメラはレンズ内手ブレ補正機能を採用しているため、レンズに手ブレ補正スイッチが付いています。

3. 自分のイメージに合わせて色を選ぶ
フィルムを選ぶ感覚で色再現性や階調表現を使い分けられる「フィルムシミュレーション」。

ダイナミックレンジを拡張して、白トビや黒つブレを防ぐ「ダイナミックレンジ」。

カラーフィルターのように色を乗せることができる「ホワイトバランス」。

この3つの機能を使って自分のイメージする色を作りましょう。

フィルムシミレーションの設定画面。X-T1は十字キーの1つに機能が割り当てられています。晴れた日の黄色は色が飽和しやすいので色が鮮やかな「ベルビア(ビビッド)」より、「プロビア(スタンダード)」ややわらかい発色の「アステア(ソフト)」「プロネガ」がオススメです。
ダイナミックレンジの設定画面。ダイナミックレンジを100%、200%、400%と拡張できます。プラス補正をするほどダイナミックレンジの効果を感じることができ、拡張するほどふんわりとした印象になります。
ホワイトバランスとホワイトバランスシフトの設定画面。画面を見ながら色乗せ効果を確認できます。ファインダーはEVFなので、ファインダーを見た状態でも設定を反映した画像が確認できます。

4. アドバンストフィルターや多重露光で遊び心をプラス
「アドバンストフィルター」や「多重露光」を使うと、変わった写真が撮れるようになります。いつもと同じような写真ばかりになってしまう方は、カメラの機能を使ってみるのも面白いですよ。

X-T1はドライブモードを設定する左側の下ダイヤルで、「アドバンストフィルター」「多重露光」が設定できます。

次にむらい先生から、吾妻山で菜の花を撮影するポイントを教えていただきました。

「展望台からは菜の花越しに富士山が見えます。周りには枝だけの桜の木があり、茶色いものが画面内に入ってしまうとかわいく撮れないので、自分が動いてベストポジションを探しながら撮ってください。菜の花と富士山を撮るときは、富士山にピントを合わせ菜の花を前ボケにするとかわいい富士山になると思います」

「太陽が斜めに傾いているので(講座の撮影時刻は14時~15時半)、順光と逆光の写り方の差が大きくなっています。順光で撮ると青空の気持ちよさがキレイに出てリアリティーのあるなシャープな印象の写真になります。逆光で撮るとシルエットになったり、プラス補正をすると光に包まれたりするのでイメージ重視の写真になります」

「クッキリ撮りたいか、ふんわり撮りたいか。自分のイメージに合わせて、光の向きや露出補正値、フィルムシミレーションやダイナミックレンジを決めて撮っていきましょう。写真の撮り方に正解はありません。自分がよいと思う写真が正解なんです。なので僕は“こう撮れ”という教え方はしません。自分のイメージに撮れないというときに、声をかけてくれればアドバイスするので、楽しみながら撮ってくださいね」

「菜の花を撮りにきているので、道中にウサギがいたりスイセンやロウバイも咲いていますが、講評で提出する作品は“菜の花”をテーマにしたいと思います」

カメラの撮り方と花撮影のポイントを学んだら、菜の花撮影の始まりです!

今回訪れた吾妻山は標高136.2メートルの小さな山。入口から展望台までは約20分。スイセンなどを撮りながら、300段の階段と山道を登って展望台の菜の花畑を目指しました。
ピンクの花がかわいい「マユミ」の木。青空とピンクの花の組み合わせがかわいかったです。
展望台の菜の花畑からパノラマ撮影。左手から相模湾、箱根、丹沢、富士山が見えました。休日ということもあり、家族連れやカメラを持った人達でにぎわっていました。
菜の花撮影を楽しむ参加者のみなさん。近づいたり離れたり、設定を変えたりレンズを変えたり、いろいろなアプローチで菜の花を撮っていました。
菜の花を撮影するむらい先生。「僕は1枚1枚を撮るのは早い方だと思います。だけど、しつこい(笑)撮りたい被写体を見つけたら、かなり粘って撮ります。だから、短い時間に同じようなカットがたくさんできてしまいます。そこからベストの1枚を選んでいます」
Xセミナーズでは、富士フイルムのパレットプラザもしくは55ステーションでプリントした2Lサイズの銀塩プリントで講評を行います。カメラからスマホに撮影画像を転送し、パレットプラザ注文アプリ「パレット55プリント」でプリントを注文しました。
プリントするためにスマートフォンに転送するときは、画像が圧縮されないように圧縮を「OFF」にします。プリントを注文したらXセミナーのスタッフの方が最寄りのお店にプリントを撮りに行ってくれました。
みんなのX-T1、X-E2、X-M1を並べて記念撮影。たくさんのX-T1は圧巻ですね。
全長102mのローラーすべり台で下山。「思ったよりスピードが出て、今日いちばん楽しかった!」なんていう感想も飛び出しました。
講評では1人ずつプリントを見せながら、撮影で意識したことや講座の感想を発表しました。同じ場所で撮ったのにもかかわらず似た写真がなく、オリジナリティある菜の花写真を見ることができました。
参加者全員にむらい先生の作品がプレゼント。もちろんサイン入りです。
最後はむらい先生と一緒に記念撮影タイム。みなさん「楽しかったです」「また参加したいです」と、むらい先生に感想を伝えていました。

参加した方の作品と感想をご紹介します。

chica andoさん。とても晴れて、空の青さとお花の黄色を撮りたくなりました。カメラ女子の写真も見れたし、色んな表現があるんだなと感動しました。
minoeさん。さちさんの講座初めての参加でしたが、天気もよくてとても楽しかったです。同じ場所で撮っているのに人によって全然違くて勉強になりました。みんなで撮るって楽しいですね!
mioさん。初めての参加でしたが、楽しく1日を過ごすことができました。お題を菜の花に絞ることで集中して撮影することができました。
miyaさん。もう、楽しくて半日じゃ足りないくらい。1日中撮っていたかったです。X-T1をレンタルして撮影しましたが、使っていくうちにどんどん撮るのが楽しいと思わせてくれるものでした。レンタルなのはわかっているけど離したくなくなるくらい。素敵な講座で、1年通して行うということなのでまた参加したいです。
Saoriさん。初めて扱うX-T1。緊張と不安の入り混じった気持ちからのスタートで最初は1人で無言で撮影。ふと気づくと後ろから、さちさんが『どう?撮れてる?』と気さくに声をかけてくれたり、講座参加者さんがニコッと笑いかけてくれたり緊張と不安は一気に楽しい気持ちに変わりました。いつもは本から学び1人で近所のお散歩写真だったので、写真好きな人が集まりワイワイ撮る楽しさも学びました。
Satoe Konaさん。初めてXセミナーズに参加し、気になっていたX-T1を触りました。菜の花の隙間から漏れる光と、花びらの重なり具合をふんわりと表現したくて、FUJIFILMのスタッフの方にいろいろとアドバイスをいただきながら、楽しく撮影ができました。
tomocco.iさん。花も少ない1月に、どんな花フォトを教えていただけるんだろう? と楽しみに参加したのですが、キレイな海と富士山が望める絶景での菜の花フォトを教えていただき、とても楽しかったです。カメラのレンズも、希望のものを貸し出してくださり、実際撮りながらカメラやレンズの性能・操作性を学べて大変勉強になりました。
ふわりさん。せっかく憧れの本物の写真家さんとご一緒に撮影させていただく好機だったのに初めてお会いすることもあって、気安く質問できずじまいでした。もったいないことをしたなぁ~って思っています。「背中を見て学べ」タイプのさち先生。また、そのお背中を拝見できる機会が得られたら幸せだなと思っています。
ゆっこさん。みなさん気さくな方ばかりでとても楽しく撮影できました。同じ菜の花写真でも人によってこんなに違うのかと、講評はとてもためになりました。どの写真も色がとってもキレイでXシリーズのカメラが欲しくなりました。キラキラ光る海や青い空、菜の花にひと足早く春を満喫できてよかったです。
今井利香さん。ファインダーを覗きながら設定を反映した画像が確認できることに感動しました! 他の参加者のレベルも高く、同じ被写体でもこんなに違ったものに仕上がるということがとっても勉強になりました。ありがとうございました!
清水史子さん。この時期、あまり花がない中の撮影でしたが、1つの被写体に向き合う大切さと、撮影を楽しむということを学べました。とても楽しい講座でした。また参加してみたいと思います。
箭内香保里さん。みんなでゼ~ハ~ゼ~ハ~息を切らしながら山の頂上に登りきったときに、青空に目の前に広がったキレイな富士山にすごく感動しシャッターを切った感覚。時間が経った今でも、生々しく覚えています。講評では、同じ場所、同じカメラやレンズでも表現方法は実にさまざま!とても勉強になりました。

最後のむらいさち先生にお話を伺いました。

「今回は菜の花縛りで撮影してもらいました。被写体がいっぱいあると、2~3枚撮ったら次の被写体を探しがちです。みなさんが1つの被写体にじっくり向き合い、考えながらいろいろ撮ってみたことで、たくさんのバリエーションの菜の花を講評で見ることができました。被写体に向き合うと撮影の引き出しも増えてきます。これからもじっくり向き合いながら撮ってみてください」

「講評のように人に作品を発表することで写真は上手くなると思います。人に見られると美人になると同じですね(笑)撮るだけで終わらせず、プリントしたりSNSにUPしたりして自分の作品を見てもらうと写真はもっと楽しくなりますよ」

撮影:むらいさち
撮影:むらいさち
撮影:むらいさち

むらい先生の花・たび・フォトレッスンは毎月1回。次回は2月26日に神奈川県・松田町で河津桜を撮影します。その後もチューリップ、藤、アジサイ、ヒマワリ、レンゲショウマ、ダリア、コスモスetc…と続いていくそうです。お花撮影が気になる方は参加してみてはいかがでしょうか。

(2015/1/30)
加藤マキ子(ツナ☆カメラ)
1981年生まれ。写真編集者。カメラ書籍を手掛ける編集プロダクションで女性向けのカメラ雑誌や書籍を多数手掛ける。その後、実用書系編集プロダクションを経て、2013年に独立。『光と色の写真の教科書 〜ふんわりフォトもこっくりフォトも思いのまま〜』『まりこ先生が教える やさしい写真の教室』などの企画・編集を担当。ときに、撮影や執筆も手掛けることも。仕事が好きで、マグロのように止まらず常に全力疾走中!