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記録メディア転送速度テスト【 CF編 】

サンディスク「Extreme Ducati Edition CF」  
  • 記録メディアの転送速度を編集部で簡易に計測して掲載するコーナーです。
  • 掲載した結果はテストした個体によるもので、市場におけるすべての製品の性能を保証するものではありません。
  • 記事中の価格や仕様は執筆時のものです。価格は市況により変動する可能性があります。


 高速CF「Extreme」シリーズの最高峰、「Extreme Ducati Edition CF」が国内で正式発表になった。現在、ハイエンド向けとして店頭で入手できる「Extreme IV」の公称転送速度が40MB/secなのに対し、Ducati Editionはさらに高速な45MB/secを謳う。

 Sandiskがスポンサーを務めるDucati Core Moto GP Teamとのコラボレーションで生まれた製品で、これまでのサンディスク製品とはかなり雰囲気の異なるラベルが特徴。-25~85度の広範な使用温度や密封構造など、Extremeシリーズらしく信頼性も前面に押し出している。開発に当たっては、オリンパス、キヤノン、ニコン、ハッセルブラッドなどとの協力関係があったという。

 店頭予想価格は、8GB版が4万3,000円前後、4GB版が2万5,000円前後の見込み。Extreme IVとの価格差は、3,000~5,000円前後になると見られる。ようやく国内でExtreme IVが潤沢に出回り始めたばかりというタイミングだけに、性能差が気になるところだ。発売は10月下旬。サンプルを入手したので、前回のExtreme IVに続き、編集部での計測結果をお伝えする。

 なお今回は計測機材のひとつに、サンディスク純正の「Extreme FireWireリーダー」を用いている。Extreme IVの性能を引き出せるとの触れ込みで、Extreme IVとともに発表された製品。こちらもExtreme IVと同様、徐々に入手しやすくなっている。実勢価格は8,000円前後と、一般的なカードリーダーより大幅に高価だ。パッケージには2種類の接続ケーブルが含まれており、IEEE1394aでの接続に加え、IEEE1394bでの接続も行なえる。今回は両方で計測してみた。


Extreme FireWireリーダー IEEE1394b端子を備える

デジタル一眼レフカメラによる書き込みテスト

  • カメラ内のバッファをすべて開放した状態で、圧縮RAWデータ(ファイルサイズ約10MB)を30秒間連写し、記録できた枚数を調べた。
  • Exifに記録された撮影時間をもとに撮影開始から30秒間の記録枚数をチェックしている。
  • Exifには0秒以下の記録がないため、1秒間の誤差を考えて5回計測し、その平均枚数を小数点第1位まで掲載している。
  • フォーカスはマニュアル。レンズキャップを閉めたまま撮影。
  • 露出はマニュアルモードでF5.6、1/2,000秒に固定。

ニコンD200での計測結果(枚数)
製品名 発売元 容量 平均枚数
Extreme IV サンディスク 4GB 59.2
Extreme Ducati Edition CF サンディスク 8GB 56.4
Extreme III サンディスク 2GB 52.6

オリンパスE-410での計測結果(枚数)
製品名 発売元 容量 平均枚数
Extreme Ducati Edition CF サンディスク 8GB 65.2
Extreme IV サンディスク 4GB 62.2
Extreme III サンディスク 2GB 56.4


PCカードアダプターでのテスト

  • 使用機種は飛鳥の「CF32F」。
  • テスト環境は、Windows XP Professional、Pentium M 1.50GHz、メモリ1GBのノートPC。
  • HDBENCH Ver.3.30のDISK測定を使用。5回測定し、HDBENCHが割り出したRead、Write、Copyにおける1秒間の各転送量(KByte/sec)を平均して記載。

CF32Fでの転送速度(KByte/s)
製品名 発売元 容量 Read Write FileCopy
Extreme Ducati Edition CF サンディスク 8GB 42,485.0 20,273.2 6,421.6
Extreme IV サンディスク 4GB 40,592.4 20,300.2 5,656.0
Extreme III サンディスク 2GB 21,369.6 17,509.0 1,174.0


USB 2.0カードリーダーでのテスト

  • 使用機種はエレコムの「MR-A20H」。
  • テスト環境は、Windows XP Professional、Pentium M 1.50GHz、メモリ1GBのノートPC。
  • HDBENCH Ver.3.30のDISK測定を使用。5回測定し、HDBENCHが割り出したRead、Write、Copyにおける1秒間の各転送量(KByte/sec)を平均して記載。

MR-A20Hでの転送速度(KByte/s)
製品名 発売元 容量 Read Write FileCopy
Extreme Ducati Edition CF サンディスク 4GB 18,260.6 16,913.2 4,009.0
Extreme IV サンディスク 4GB 18,231.2 17,045.4 4,502.0
Extreme III サンディスク 2GB 18,090.4 14,671.4 1,148.6


Extreme FireWireリーダーでのテスト

  • サンディスク純正のIEEE1394リーダー「Extreme FireWireリーダー」を使用。
  • テスト環境は、Mac OS X 10.4.10、Mac Pro 2.66GHz、メモリ2GB。
  • Xbench 1.3のDisk Testで計測。5回計測し、ReadおよびWriteの各転送量(MB/sec)の平均を記載。ともに256K bolocksでの計測値となっている。

Extreme FireWireリーダー
(IEEE1394b接続、MB/秒)
製品名 発売元 容量 Read Write
Extreme Ducati Edition CF サンディスク 8GB 42.15 42.08
Extreme IV サンディスク 4GB 39.36 32.73
Extreme III サンディスク 2GB 10.67 10.62

Extreme FireWireリーダー
(IEEE1394a接続、MB/秒)
製品名 発売元 容量 Read Write
Extreme IV サンディスク 4GB 33.95 30.36
Extreme Ducati Edition CF サンディスク 8GB 33.71 33.27
Extreme III サンディスク 2GB 10.67 10.65


まとめ

 PCカードリーダー「CF32F」で確認すると、ReadはExtreme IVを上回るものの、意外にも書き込み速度がExtreme IVより遅い。そのためかD200への記録では、Extreme IVにわずかながら劣っている。ただしE-410ではExtreme IVを上回る成績を出したので、カメラとの相性が現れたのだろう。また、Extreme FireWireリーダーを使った計測においても、IEEE1394a接続ではExtreme IVよりReadの値が振るわないなど、Extreme IVを圧倒するようなパフォーマンスは感じられない。

 しかし、理論値100MB/secのIEEE1394b接続で計ると、そのポテンシャルの一端が垣間見えた。ReadはPCカードアダプターと同レベルだが、WriteがReadと同じく42MB/secレベルに達している。さすが純正のリーダーだけあり、潜在的なパフォーマンスは相応に高そうだ。残念なのは、現時点でIEEE1394bの普及が進んでおらず、一部の機器でしか使用できないことだろう。

 いずれにしても、現状ではExtreme IVでも充分に高性能な部類といえるので、Ducati Edition CFまで手を広げるかは微妙なところ。価格差をどう見るかだが、少しでも高速な環境構築に魅力を覚えるなら、視野に入れるべき製品だろう。

【お詫びと訂正】記事初出時、IEEE1394bの転送速度の理論値を誤って記載しておりました。正しくは100MB/secです。お詫びして訂正させていただきます。



URL
  サンディスク
  http://www.sandisk.co.jp/
  製品情報
  http://www.sandisk.co.jp/retail_ducati.html

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( 本誌:折本 幸治 )
2007/09/27 13:08
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