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東京オートサロンでキャンギャルを撮る



 1月12日から14日までの3日間、千葉県幕張メッセで東京オートサロン2007が開催された。このショウは、3日間で約25万人の人が訪れる世界最大のカスタムカーショウである。

 このショウに訪れる人の大半は、カスタムカーやカスタムパーツなどを見るためである。車好きの人達があちこちのブースで熱心にパーツをみたり、説明を聞いたりしていた。
 
カスタムカーやパーツを見るのも良いが、もうひとつの楽しみは、レースクイーンをはじめとするキャンギャルの撮影である。今回は、実際に会場に足を運び、会場にいる女の子を綺麗に撮るコツをお伝えする。

※サムネールのリンク先は撮影した画像です。
※すべてニコン D80を使用し、3,872×2,592ピクセル / 絞り優先AE / オートホワイトバランス / 露出補正なしで撮影しています。
※特記しない限り、レンズはシグマ 18-50mmF2.8 EX DCです。
※サムネール下のデータは絞り / シャッター速度 / 感度 / 実焦点距離です。


F5.6 / 1/60秒 / ISO100 / 24mm
F5.6 / 1/60秒 / ISO100 / 34mm
F5.6 / 1/60秒 / ISO100 / 50mm

機材の準備

 会場で女の子を撮るのに必要なものは、もちろんカメラである。会場では、デジカメ付き携帯電話やコンパクトデジカメで撮影している人たちも多いが、これを読んでいる人はぜひ、デジタル一眼レフカメラを持っていって欲しい。

 レンズは標準ズームレンズが1本あれば十分である。できれば外付けのストロボがあれば、ベストである。今回は、外付けストロボを多用して撮影した。


絞り優先AEで撮影

 ストロボ撮影はプログラムAEが楽であるが、今回は絞り優先AEで撮影した。ストロボの発光量は絞りによって決まるので、ガイドナンバー内であればカメラが適正に調光してくれる。

 絞り優先を使用した理由は、バックの雰囲気を活かしたり、後ろの邪魔なものを消したりするために絞りでコントロールしたかったためである。プログラムAEで撮影するのは確かに楽で綺麗であるが、全てカメラ任せで撮影するよりは、ボケ量をコントロールしたほうが、きっと自分の望んでいたものが撮れると思う。

 ただ注意したいのは、カメラによっては、絞り優先AEで撮影した場合、1/200秒などの高速シャッターになったり、ある絞りからスローシャッターになったりするのがデフォルトになっている場合があること。カスタムファンクションなどで設定を変更してから撮影していただきたい。ちなみにオートサロンのようなイベント会場では、シャッター速度を1/60秒に設定して撮影すると、会場の雰囲気を活かした撮影ができると思う。

 ストロボを発光させた撮影でもあり、なるべく肌を飛ばしたくなかったので、 全てRAWとJPEGの同時記録で、少しアンダー目に撮影して、後からRAW現像で持ち上げることにした。そのため、今回の掲載画像は、アンダーな画像が多いと思う。また、会場はさまざまな光があるので、RAWの方が後々の修正が楽なことが多いと思う。

 筆者はRAW+JPEGでの撮影後、はじめにJPEG画像をビュワーなどで確認して選択し、その後RAW現像で微調整をして仕上げる。ただし、RAW+JPEGで撮影するとファイルサイズが大きくなり、1,000万画素クラスのデジタルカメラでは、1GBで80枚ほどしか撮れなくなるので、注意が必要である。


会場全体を把握しよう

F4 / 1/60秒 / ISO100 / 40mm
 幕張メッセの会場は、広いのでただ周っているだけでは、とてもじゃないが撮りこぼししてしまう。

 インターネットなどで事前に下調べをするか、会場で会場マップを手に入れたりして、効率よく会場を周ることをお勧めする。写真を撮るだけではなく、ブースを見て楽しまなければもったいない。


女の子のスケジュールを把握しよう

 お目当ての子がいる場合、その子のスケジュールを把握しよう。女の子は、交代制でブースに立ったり、イベントに参加したりするので、スケジュールを把握して動けば会場を効率良く周れる。

 ただ、会場を回って撮影するのもそれはそれで楽しいが、お気に入りの子の写真が無いということを防ぐため、ぜひスケジュールを把握していきたい。複数のイベントに参加する女の子もいるので、1日中追っかけることも可能だ。何回も顔を出してくれれば、女の子もきっと喜んでくれる。


マナーを守ろう

 ブース内のイベントでは、撮影不可のイベントもあるので、注意しよう。撮影者だけのためのイベントでは無いので、最低限のルールは守ってお互い楽しく過ごそう。

 また、普通に車やパーツを見に来ている人が大半なので、その人たちの邪魔をしないように注意すること。さらに、ショウに参加する女の子たちは、仕事で来ているのだから、その子達の仕事を邪魔しないように撮影をしよう。

 自分ひとりのためのモデルではないので、一通り撮り終えたら、次の人に場所や順番を譲ってあげること。こういった場所での撮影は、一番前に陣取って場所を譲らなかったり、横入りしたり、隠し撮りしたり、マナーの悪い撮影者を良く見るが、こういったことは、やめていただきたい。


F5.6 / 1/60秒 / ISO100 / 44mm
F5.6 / 1/60秒 / ISO100 / 50mm
F4 / 1/60秒 / ISO100 / 38mm

元気良く声をかけよう

 うじうじとファインダーのぞいて隠し撮りみたいに撮るのではなく、堂々と声をかけて写真を撮らせてもらおう。こうしたイベントに参加する女の子は、基本的に撮影OKの子が多いので、せっかくデジタルカメラを持ってきているのだから、堂々と声をかけて笑顔をものにしよう。

 ただ、女の子の仕事中で撮影できない時間帯もあるので、その時は時間をおいてから撮影をお願いをしよう。


とにかくシャッターを押せ!

F4 / 1/60秒 / ISO400 / 46mm
 どのイベントもそうだが、開催期間中毎日会場に足を運ぶことは、一部の人を除いて不可能である。大抵の人は、土曜日か日曜日のいずれか1日だけ会場に足を運ぶだけになると思う。

 会場内は、とても広いので、限られた時間の中でさまざまなカットを撮るためには、これはと思った子がいたらすぐにシャッターを押すこと。「後でまた撮ればいいや」なんて思っていると結局、あのとき撮れば良かったって事になるので、とにかくシャッターを押そう。


テンポ良く撮影する

 女の子に声をかけて撮影をさせてくれるところまでは良いが、いざ撮影をする段になってもたもたしていると、女の子が困ってしまう。すばやく撮影することを身につけよう。テンポ良く撮影すれば、女の子ものってくれるので、良い表情が引き出せる。


少なくとも3枚は、撮影しよう

 せっかく声をかけて撮影しても1枚だけで終わってしまう人が多く見受けられる。少なくとも2枚、できれば3枚は撮影したい。1枚だけだと目をつぶっていたり、ピントが合っていなかったり、こちらを見ていなかったりして、悔しい思いをすることが多い。これを防ぐために少なくとも3枚は撮影したい。ただ、数を多く撮れば良いわけではないので、10枚も20枚も撮るようなことはやめよう。


F5.6 / 1/60秒 / ISO100 / 38mm
1枚目はピンボケで使い物にならず
F5.6 / 1/60秒 / ISO100 / 32mm
ピントが合いこれでOKとする

F4 / 1/60秒 / ISO100 / 32mm
ストロボ発光せず。これはNG
F4 / 1/60秒 / ISO100 / 32mm
こっちは成功

ポーズを付けよう

F5.6 / 1/60秒 / ISO100 / 35mm
 ただ、立っているだけの写真はでつまらない。せっかく撮るのだから、ポーズを付けてもらって、動きや表情を引き出そう。ただしここはショウの会場、無理な要求は禁物だ。


F2.8 / 1/60秒 / ISO100 / 30mm
なんとなく訴えているような感じで
F2.8 / 1/60秒 / ISO100 / 28mm
手を上げることで胸を強調
F2.8 / 1/60秒 / ISO100 / 28mm
ちょっと色っぽく

F3.5 / 1/60秒 / ISO400 / 38mm
右手を腰に、左手をあごの下に置くことで画面を有効に使える
F4 / 1/60秒 / ISO400 / 50mm
手を組んでもらい、あごの下において少し寄り気味に撮影
F4 / 1/60秒 / ISO400 / 50mm
車に寄ってもらい、右手は車に、左手はあご辺りにおいてもらった

ファインダーの中を良く見よう

 女の子を夢中で撮っていて、表情を追いかけるあまり、でき上がりの画像を見たら、女の子の後ろに色々な人が写っていた、なんてことがあると思う。シャッターを押す前にファインダー内を良く見て、背景に人が写っていたら、その人が画面の外に出るまでシャッターを押さない事や、角度を変えるなどして背景に人が写らないようにしたい。

 大口径レンズを使用して開放付近で撮影をしたり、望遠レンズで撮影したりして目立たなくする方法もあるにはあるが、できる限り不要なものは画面内に入れない工夫をしよう。


F4 / 1/60秒 / ISO100 / 50mm
画面の後ろに人がいるのと左側のドアが写ってしまった
F4 / 1/60秒 / ISO100 / 50mm
ズームして女の子で後ろの人を隠した

会場の雰囲気を活かせ

 先ほどと矛盾するかも知れないが、せっかくのイベント会場での撮影なので、周りの雰囲気を活かしたほうが、撮影のバリエーションが増えて良いと思う。車と一緒に撮影したり、ストロボの光を弱くしたりして遅めのシャッタースピードを使い会場の雰囲気を出す工夫をしよう。そうすれば、撮影のバリエーションが増えて楽しい写真になるはずだ。


F2.8 / 1/200秒 / ISO100 / 18mm
ダンスショー(?)の1コマ。踊っている雰囲気を出す
F2.8 / 1/60秒 / ISO100 / 21mm
カタログブースの1コマ。カタログをもらう人から見た感じで撮影

他人のアングルをもらえ

 会場では、大勢の人たちが撮影している。特にフォトセッションなど、人気のある子はなかなか目線をもらうことができない。こんなときは、目線をもらうときまで、じっとしているのももったいないので、カメラを向いていない時に良い表情があれば、即、シャッターを押してしまおう。撮影が終わって、画像を確認してみるときっと良いものがあるはずだ。


F5.6 / 1/60秒 / ISO100 / 50mm
このような姿もなかなか撮れないショット
F5.3 / 1/60秒 / ISO400 / 220mm / シグマ 70-300mmF4-5.6 DG Macroを使用
望遠効果も合わせ、いい雰囲気になったと思う

フォトセッションのストロボ撮影は周りに注意

 フォトセッションは、非常に多くの人が撮影をしている。この時、特に縦位置の撮影時にストロボの発光部が前の人の腕や顔などで覆われてしまうことが多くある。ファインダーを見ているだけでは、気が付かないので、シャッターを押す瞬間に両目で見たり、プレビュー画面を見て確認をして失敗を防ぐようにしよう。


F4 / 1/60秒 / ISO100 / 50mm
前の人の腕がストロボの発光部に当たってしまった
F4.5 / 1/60秒 / ISO400 / 135mm / シグマ 70-300mmF4-5.6 DG Macroを使用
レンズの下側に前に人の肩が入ってしまった
F4.5 / 1/60秒 / ISO400 / 150mm / シグマ 70-300mmF4-5.6 DG MACROを使用
前の人の手が写ってしまった

感度を活用しよう

 デジタルカメラでの撮影でメリットは、コマ毎にISO感度が変えられることである。これは、ストロボの撮影で非常に助かることが多い。被写体の撮影距離を測り、決めた絞りで計算するとガイドナンバーが足りなくて光が届かなかったり、届いたとしてもフル発光に近いために次のチャージに時間がかかったりして、シャッターチャンスを逃したりしてしまう。

 ISO感度を調整することで、今まで撮れなかったものが撮れてくると思う。また、ストロボのチャージ時間が長くなってきても、電池交換をしていられない状況の場合、ISO感度を上げて撮影するとチャージが速くなる。ぜひ覚えておいて欲しい。


望遠はあると便利

F4.2 / 1/60秒 / ISO400 / 95mm / シグマ 70-300mmF4-5.6 DG Macroを使用
 各ブースのイベントとして、レースクイーンやキャンンギャルのフォトセッションという時間が設けられている。こういった撮影は、女の子に近づくことが難しいので望遠レンズが活躍する。会場へは標準ズームのほかに200mmや300mmクラスの望遠ズームを持っていくと、きっと役に立つはずだ。レンズ交換がいやな人は、18-200mmなどの高倍率ズームを使用すると大変便利に使えると思う。


撮影後は、お礼を

 せっかく写真を撮らせてくれたのにお礼も言わず、どこかへ行ってしまうのは、人として最低というもの。撮らせてくれた後には、必ず、「撮らせてくれてありがとう」のお礼を言ってほしい。お互い気分良く撮影をするには、大切なことだ。また、イベントを最後まで撮っていたらイベントの終わりには、拍手などして、周りを盛り上げることが大切だ。女の子も盛り上げてもらえるとうれしいし、心強く感じる。これを繰り返すことで、人とは違った写真が撮れるようになる。





 いろいろ書いてきたが、いかがだっただろうか。これらを参考にぜひ、撮影に出かけてみていただきたい。

 ただ、あくまでもショウであり、撮影会ではない。ほかのお客さんの迷惑にならないように振舞い、撮影する前には女の子に声をかけたり、仕事の邪魔をしたりしないなど、人としてのマナーを守って楽しく撮影していただくことを強くお願いする。




星月 輝
(ほしづき ひかる)1968年生まれ。12歳からカメラと星に興味を持ちはじめ、天体を撮り始める、1987年のF1日本グランプリをきっかけに、被写体はモータースポーツやレースクイーンに変化。現在に至る。最近では風景、マクロ、スナップなど、幅広いジャンルを撮影している。

2007/02/15 16:08
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