トキナーAT-X 235 AF PRO。金属鏡胴の重厚感と幅広のフォーカスリングで、MF撮影を楽しみたくなる
カメラはEOS 20Dを用意した。
今回は使うレンズを1本に限定して、なるべく撮影距離の調整でフレーミングしてみることにした。使うレンズは「トキナー AT-X 235 AF PRO」。20~35mm F2.8のズームレンズだ。28~70mm F2.8、80~200mm F2.8とともに、開放F値2.8の大口径ズームとして愛用された。「高性能なワイドズーム」というコンセプトは、デジタル専用のAT-X 124 PRO DXに引き継がれているが、今でも現行品だ。各収差を防ぐには前玉と後玉の両方の口径を大きくした方が有利だが、口径の大きな非球面レンズは製造が困難。AT-X 235 AF PROはその困難さにあえて挑戦したという、トキナーにとって「技術的なチャレンジ」となった製品だ。
ただ、EOS 20Dで使うと焦点距離が1.6倍され、32~56mmとワイドから標準域のズームとなってしまう。ズーム域が狭いが、ついついズームで被写体を引き寄せたり、遠ざけたりする手抜きができない分、真剣にフレーミングできる気がする。ピントリングを手前に引くとグリスの感覚を伴う、抵抗感のあるフィーリングとなり、まるでMF専用レンズのような感覚で使える。AFとMFの切り替えにはさらにレンズ鏡胴脇のスイッチを切り替える必要がある点が、最新のAT-X 124 PRO DXと違う点だ。今回はあまりAFは使わずに、積極的にMFで撮影してみた。ピントリングの回転方向は純正EFレンズに合わせてあるので、迷うことがない。