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【新製品レビュー】アドビ Photoshop CS3 (その1:Bridge CS3編)

Reported by 野下義光

 定番フォトレタッチソフト「Photoshop」の最新版、「Photoshop CS3」日本語版がいよいよ発売されます。それに伴い、Photoshop CS2に付属していた管理ソフト「Bridge」が「Bridge CS3」へ、「Camera RAW 3.7」が「Camera RAW 4.1」へとリニューアル。いずれもインターフェイスや機能が変わり、写真関連の機能が強化されました。筆者がβ版を使用した経験をもとに、Bridge CS3、Camera RAW、そしてPhotoshop CS3本体を3回に分けて紹介します。


Photoshop CS3日本語版のパッケージ。価格は通常版が10万円、アップグレード版が2万6,000円、特別提供版が8万5,000円 Bridge CS3で画像を保存したフォルダを開いた状態。対応機種のRAWもサムネイルで表示できる。動画や音声ファイルも再生可能

画像ビューアソフト要らず!?

 そもそもBridgeとは何か? と問われれば、筆者は「万能・高機能ファイルブラウザ」と答えるでしょう。Bridge CS3を短期間使ってみて、画像の閲覧、整理整頓、セレクトはもちろん、画像以外のデータもカバーするブラウザ機能を有し、それぞれのデータを各アプリケーションに橋渡し(Bridge)するソフトだという印象を受けました。しかしここではあえて、画像にまつわる機能を中心に紹介しましょう。

 BridgeCS3を立ち上げて目的のファイルにたどり着くには、OSのエクスプローラーやFinderなどと同様、順次フォルダを開いていけばいいだけで、フォルダのアイコンが出た時点で、そのフォルダの名称変更、削除、コピーなどができます。また、BridgeCS3上での整理整頓に用いるラベル付けも可能です。

 順次フォルダを指定して目的とするフォルダを開いていくと、JPEGはもちろん、各種形式の画像ファイル、さらに対応機種のRAWデータのサムネイルが表示されます。サムネイル表示はなかなか高速で、エクスプローラーでは表示に時間のかかる16bit TIFFでも瞬時です。ただ何百何千といった大量のファイルがある場合は、相応に時間がかかります。ただこれもBridge CS3のサムネイル生成処理に時間がかかるのではなく、HDDの読み取りに時間がかかっている様子でした。

 なお、試用した環境は、Ahtlon 64 X2 Dual Core Processor 5200+ 1.8GHz、DDR2-SDRAMメモリ4GB、SATAの3.5インチHDD(7,200rpm)、OSはWindows XPです。


Bridge CS3を起動し、マイコンピュータからDドライブを開いた状態。フォルダの名称変更、削除、コピー、ラベル付けなどの機能がすでに行なえる サムネイルやプレビュー画面のサイズ変更も自在

 サムネイルをクリックするとプレビューが表示されますが、画像以外のファイル、例えば動画や音声ファイルもそのままBridge CS3上でプレビューできます。サムネイルをダブルクリックすると、それぞれのファイルに設定されたアプリケーションが起動します。

 ExcelやWordといったデジカメとは直接関係ないファイルについても試してみましたが、プレビューこそされないものの、ラベル付けや並び替えなどの作業は可能です。エクスプローラーを用いるよりもBridge CS3の方が高機能で使いやすく、筆者の環境では、日常的に使用するソフトのひとつになってしまいました。


強力なカスタマイズ機能

 画像以外のファイルにも対応していますが、やはり画像を扱ってこそその真価を発揮できるソフトでしょう。

 特筆すべきはRAWが直接閲覧可能な点です。画像閲覧ソフトは多種ありますが、メーカーをまたぐ各機種のRAWに対応しているのは数少ないでしょう。これまでのアドビの動きから見て、新機種のRAWについても、バージョンアップで順次対応していくことが予想されます。

 サムネイルやプレビュー画面のサイズは各々無断階に設定でき、サムネイルとプレビューを同時に表示できます。さらにメタデータも同時に表示できるなど至れり尽くせり。パネルに表示する内容のカスタマイズも可能なので、RAWデータの処理に、キヤノンのデジタル一眼レフカメラに付属するシンプルなRAW現像ソフト「Digital Photo Professional」をもっぱら用いてきた筆者にとって、Bridge CS3におけるRAWデータの閲覧機能は、理想が現実となった感さえします。


初期設定でフォルダを開いた状態
プレビュー画面のサイズをはじめ、筆者好みにカスタマイズしてみた

プレビューを最大、サムネイルを最小に設定。設定状態に関わらず、プレビュー画面の任意の箇所を拡大して見ることができる。等倍表示のできなかったBridgeから大きく進化した点だ スライドショーでフル画面表示も可能。またスライドショー中にクリックすると、等倍ルーペが現れて、その場所を100%(ピクセル等倍)で表示する

Bridge CS3からは、複数画像の同時表示も可能になった。等倍ルーペも画像ごとに表示できる

多彩な選別機能

 撮影した画像は選別する必要があるわけですが、Bridge CS3の真価のひとつが選別機能だと思います。画像には大きく分けて2種類の印を付けることができ、それぞれを別個に、あるいは複合させて仕分けできます。

 具体的には色分け(ラベル)が赤、黄、緑、水色、紫、白(ラベルなし)の6種類。★印(レーティング)が★、★★、★★★、★★★★、★★★★★の5種類に加えて「除外」があります。ラベルとレーティングは重複させることができます。

 工夫次第でさまざまな選別ができると思いますが、筆者の通常の業務で使うとすれば、まず先述した閲覧機能で1カット毎に、「良いな」と思える度合いをレーティング(★〜★★★★★)し、完全なボツカットには「除外」。「除外」はスタック(後述)しておく。次にアップ・上半身・全身を、赤・黄・緑でラベル付けする。ここから良いカットだけ(★★★★★と★★★★)だけを仕分けする。

 こうしておけば、全身(緑)だけを仕分けしたり、アップ(赤)で良いカット(★★★★★)だけを仕分けするなど、目的(Web上、雑誌、ポスターなど)に応じて即座に適したカットが選び出すことができます。

 なおラベルにはデフォルトで、赤=選択、黄=第2候補、緑=承認済み、水色=レビュー、紫=作業用という名称が付けられていますが、別段これに沿う必要はありません。環境設定でユーザーが自由に意味付けを行なえます。


ラベル(色)とレーティング(★の数)を付けると、サムネイルにその状態が表示される。ラベルとレーティングは重複できる ラベルを基準に並び替え

レーティング(★の数)を基準に並び替え レーティング=★★★★★と★★★★を抽出

ラベル=赤だけで絞り込み
ラベル=赤、かつレーティング=★★★★★を抽出

使い方が広がる「スタック」

 スタック(stack)とは直訳すると積み重ね。複数の画像をひとまとめにしておく機能で、先述したラベルやレーティングで選別した画像にもスタックを適用できます。Bridge CS3からの新機能のひとつです。

 スタックを行なうと先頭の画像のサムネイルだけが表示され、ポジフィルムのマウントを積み重ねたような状態で表示されます。また、必要に応じて展開して全部のサムネイルを表示させたり、スタックそのものの解除もできます。

 スタックごとほかのフォルダに移動したり、削除したり、スタック内の画像だけをリネームするなど使い道はさまざまです。たとえば「除外」を付けたボツカットをスタックさせておき、あとでまとめて削除。★★★★★を付けたカットをスタックさせて、ほかのフォルダにコピーなど。使い方次第で、ユーザーのさまざまなニーズに対応できるでしょう。


選択したサムネイルをスタック化することができる。サムネイルの選択方法は自由で、1カット毎を任意に、あるいは連続して選択したり、ラベルやレーティングをもとに仕分けしたものをスタックにもできる スタックを折りたたんだ状態での表示。もちろん1カットだけではスタックできない

指定したスタックを展開(スタック内の全カットのサムネイルを表示)することができる。またドラッグ&ドロップで任意のカットを他のスタックに移動させることも可能

 以上、筆者の利用法をもとに、Bridge CS3の機能を紹介しました。紹介できなかった機能の方が多く、ほかの業務(デザイナー、編集者など)ではさらに別な使い方もあるかと思います。次回はCamera RAWをとりあげます。

モデル:松本あやか チャームキッズ(http://www.charmkids.net/)
写真協力:アイマックス



URL
  アドビ
  http://www.adobe.com/jp/
  製品情報
  http://www.adobe.com/jp/products/photoshop/pscs3/

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野下義光
(のしたよしみつ)熊本県生まれ、千葉県育ち。国立木更津工業高等専門学校機械工学科卒業後、エンジニアとして大手コンピューター会社に5年勤務。その後、夢を捨てきれず写真界へ身を投じる。現在ジュニアアイドルを中心にWeb、DVDジャケ写などで活躍中。フルデジタルの写真集も多数手がけている。趣味はネットオークション(笑)

2007/07/02 00:36
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