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【伊達淳一のレンズが欲しいッ!】タムロンvsシグマ 高倍率ズーム対決【続報】

〜注目の18-200mmを別な個体で再度比較テスト
Reported by 伊達 淳一

 前回、特報版として「タムロン V.S. シグマ 高倍率ズーム対決」をお届けしたが、シグマから「個体不良の可能性があるので、別のレンズと交換させてほしい」との連絡をいただいた。また、自腹購入したタムロン18-200mmズームは、絞り開放では画面右側の描写がいくぶん甘かったので、タムロンから借し出されたレンズで、改めて比較撮影を行なってみた。

 結果は見てのとおりで、シグマ18-200mm F3.5-6.3DCのテレ端の焦点距離が200mmに満たない(画角が広い)のは、どうやら製品の仕様ではなく、前回テストに提供されたレンズになんらかの不具合があったと思われる。また、タムロン18-200mm F3.5-6.3XR DiIIも、ワイド端絞り開放の描写は見違えるほどで、これくらい乱れのない描写が得られるなら、自腹購入したレンズも折を見て調整に出そうかと思っている。

 どちらのレンズもインナーフォーカスを採用しているので、近接撮影では焦点距離に対して画角が広く写るが、タムロンよりもシグマの方がその傾向が顕著だ。そのため、同じ撮影位置からズームテレ端で撮り比べると、シグマよりもタムロンのほうが大きく写る。ちなみに、シグマ55-200mm F4-5.6ズームは、インナーフォーカスではなく繰り出し式なので、近距離撮影でも画角には変化がなく、高倍率ズームの2本よりも同じ200mmでもアップで写すことができる。

 また、タムロン18-200mmズームもシグマ18-200mmズームも、公称の最短撮影距離は45cmで、この距離ではやはりシグマよりもタムロンの方が大きく写る。つまり、最大撮影倍率が高い。ところが、シグマ18-200mmはズームテレ端では約34cmまで寄ることができた。ズームテレ端で34cmまで近づいて撮影すれば、最大撮影倍率はタムロンよりもシグマのほうがわずかに上回る。

 試しに、ワイド側にズームすると34cmではピントは合わなくなるが、ワイド端では再び34cm付近まで近づいても合焦インジケータが点灯する。高倍率ズームとしては驚くべき最短撮影距離だ。


タムロン18-200mm F3.5-6.3、シグマ18-200mm F3.5-6.3、シグマ55-200mm F4-5.6の比較

 前回、シグマ18-200mmズームの画角が公称値と大きく差があり、タムロンAF18-200mmズームもワイド端絞り開放で画面右側で像が乱れていた。そこで、どちらのレンズも新しい別の個体で再テストしてみた。どちらもメーカーから貸し出されたレンズだ。テレ端の画角の比較のために、繰り出し式のフォーカシング方式を採用しているシグマ55-200mmズームでも併せて撮影してみた。

 結果はご覧のとおりで、3本のレンズともテレ端の画角はほぼ同じ。タムロンのワイド端絞り開放の描写も、前回テストした私物よりも良好な結果が得られている。

※作例のリンク先は撮影画像そのものをリネームしたものです。撮影した画像を別ウィンドウで表示します。

※すべてEOS Kiss Digital N、ISO200で撮影しています。


タムロン18-200mmワイド端 シグマ18-200mm ワイド端

タムロン18-200mm 50mm域 シグマ18-200mm 50mm域 シグマ55-200mm ワイド端(55mm域)

タムロン18-200mm テレ端 シグマ18-200mm テレ端 シグマ55-200mmテレ端

周辺の流れはほかのワイドズームレンズでも顕著に見られる
【同じレンズでもフォーカス位置が変わると周辺画質がこれだけ変化する】
 絞り開放の画質比較は、カメラのAF任せでは結果が安定しない。カメラのAFモジュールに十分な精度がないのか、それとも像面が微妙に湾曲していて画面中央部と周辺部でピント位置に微妙な違いがあり、両者が被写界深度内に入る域が非常に狭いのか、はたまたローパスフィルター等の影響で周辺部の描写が乱れるのか不明だが、とにかく画面中央はピントが合っているのに周辺が流れるということが、このシグマ18-200mmズームに限らず、他のワイドズームでもしばしば見られる。そのため、このように絞り開放の描写テストを行なう際には、マニュアルフォーカスに切り換え、段階的にピント位置を変えながら撮影し、もっとも好結果が得られた画像を選び出している。


近接撮影時のテレ端の画角比較

 タムロン18-200mmもシグマ18-200mmもインナーフォーカス方式を採用している。フォーカシング時にレンズ前玉が繰り出されず全長が変化しないのが特徴で、大きな前玉を繰り出す必要がないのでフォーカススピードの高速化を図りやすく、フィルター枠も回転しないので効率的な遮光が行なえる花形フードを採用できる。

 ただ、近接撮影時には画角が広く写る。どの程度、画角が広くなるのかを確かめるため、繰り出し式のシグマ55-200mmと比較してみた。撮影距離は55-200mmの最短撮影距離1.1mだ。同じ位置から同じ焦点距離域で撮影しているにもかかわらず、インナーフォーカスを採用している両社の18-200mmは、55-200mmよりも倍率が低い。また、タムロンよりもシグマの方がわずかに倍率が低い。


【撮影距離1.1m】
タムロン18-200mmテレ端
【撮影距離1.1m】
シグマ18-200mmテレ端
【撮影距離1.1m】
シグマ55-200mmテレ端

 次に公称の最短撮影距離である45cmで撮影してみた。ここまで寄って撮影すれば、撮影倍率は55-200mm並になる。ただ、やはりシグマの方が撮影倍率は低い。しかし、シグマ18-200mmは実際にはズームテレ端では約34cmまで被写体に近寄ることができるので、可能な限り、被写体に寄って撮影すればシグマのほうが撮影倍率は高くなる。


【撮影距離45cm】
タムロン18-200mmテレ端
【撮影距離45cm】
シグマ18-200mmテレ端
【撮影距離34cm】
シグマ18-200mmテレ端


URL
  シグマ
  http://www.sigma-photo.co.jp/
  製品情報
  http://www.sigma-photo.co.jp/lens/digital/18_200_35_63.htm
  タムロン
  http://www.tamron.co.jp/
  製品情報
  http://www.tamron.co.jp/lineup/a14/

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伊達 淳一
1962年生まれ。千葉大学工学部画像工学科卒業。写真、ビデオカメラ、パソコン誌でカメラマンとして活動する一方、その専門知識を活かし、ライターとしても活躍。黎明期からデジタルカメラを専門にし、カメラマンよりもライター業が多くなる。自らも身銭を切ってデジカメを数多く購入しているヒトバシラーだ。

2005/04/25 00:00
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