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オリンパス CAMEDIA SP-550UZ【第7回】
テーブルでフォト

Reported by 本誌:田中 真一郎


 高倍率ズームとしてはとてもコンパクトで軽いし、時差のある2箇所の時間を設定できる「デュアルタイム」とか、目覚まし時計なんていう機能もあることだし、SP-550UZもLUMIX DMC-TZ3と同様に「旅カメラ」を名乗る資格は十分あると思う。

 旅といえば食べ物も楽しみのひとつ。というわけで今回はまず食べ物を撮る話。SP-550UZの最短撮影距離は通常でもマクロモードでも10cm、スーパーマクロモードなら1cmまで寄ることができるから、接写も得意分野といえる。

 ただし、10cmというのは広角端の話で、これが望遠端になると1.2mにまで伸びる。まあ500mm(35mm判換算焦点距離、以下同)の望遠レンズとしては標準的ということになるのだけど、店の席などで望遠端を使ったゆがみの少ない撮影を、なんていうのはちょっと難しいだろう。

 純然たる記録ならともかく、旅のいい思い出にしたいのなら、すこしでもうまそうに撮りたい。そのほうが「これがうまかったんだよ」と写真を誰かに見せるときに、説得力も増そうというものだ。うまそうに撮るための露出や光の具合など、ノウハウはいろいろあるけれど、店の中で同行者などがいるときに、あれこれ設定してもいられない。だいたい食事前で腹が減っているのだから、露出などに凝っていられる場合ではない。

 SP-550UZには「料理」というシーンモードが用意されていて、これで撮っておけばお気楽にうまそうな食べ物の写真を撮れる。若干、派手すぎるかなという気もするが、重宝する機能だろう。

※作例のリンク先のファイルは撮影した画像です。クリックすると、等倍の画像を別ウィンドウで開きます。
※作例下の撮影データは、露出時間/絞り/露出モード/感度/露出補正値/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。


1/60秒 / F3.6 / プログラムAE / ISO100 / 0EV / 自動 / 10.67mm
三浦半島のとある店で出た刺身。光源は窓からの太陽光と、蛍光灯のミックス。こちらはプログラムAE
1/60秒 / F3.6 / 料理モード / ISO100 / 0EV / 自動 / 10.67mm
「料理」モードで撮るとこんな感じ

1/50秒 / F3.3 / 料理モード / ISO50 / 0EV / 自動 / 7.44mm
1/20秒 / F4.3 / プログラムAE / ISO125 / +0.7EV / 自動 / 24.43mm

1/250秒 / F4.3 / プログラムAE / ISO50 / 0EV / 晴天 / 24.43mm
1/60秒 / F3.5 / プログラムAE / ISO125 / 0EV / 自動 / 9.84mm

 さて、テーブルつながりでテーブルフォト、いわゆる「ブツ撮り」のことも書いておこう。ブツ撮りとなれば、背景と照明の位置を考慮して被写体を置き、三脚にカメラを固定して、形が歪むのを防ぐためになるべく望遠側にして、絞り込んで撮る、というのが定石。

 SP-550UZの望遠端ならそこそこのボケも期待できるけど、ワーキングディスタンスが1.2mになってしまうのは前述のとおり。ボケをとるか、ほどほどの画角で作業のしやすさを選ぶかということになるが、どっちにしろこの点でも三脚は必須というわけだ。

 SP-550UZのAFモードには「ターゲット選択」というモードがあって、画面の好きなところに測距点を動かすことができるから、三脚に固定したままでもピントを合わせる場所を選べて便利だ。ちなみにターゲット選択では縦に11、横に13で、計143ものAF測距位置を選べる。


1/2秒 / F4.5 / 絞り優先AE / ISO50 / -0.7EV / 自動 / 84.24mm
望遠端でのマクロ撮影ではボケが期待できるが、最短撮影距離が1.2mになる
1/13秒 / F2.8 / 絞り優先AE / ISO50 / -1EV / 自動 / 4.68mm
広角側は歪むが、開放がF2.8になるのが魅力

1/2秒 / F3.5 / 絞り優先AE / ISO50 / -1EV / 自動 / 9.84mm
スーパーマクロモードで撮影。1cmまで寄れるが、画角が58.9mm相当に固定される
1/10秒 / F3.5 / 絞り優先AE / ISO50 / -1EV / 自動 / 9.84mm
スーパーマクロモード

1秒 / F4.5 / 絞り優先AE / ISO50 / -1EV / 自動 / 84.24mm
AFを「ターゲット選択」モードにしておけば、カメラを三脚に固定したまま、ピントを合わせる位置を選べる
1秒 / F4.5 / 絞り優先AE / ISO50 / -1EV / 自動 / 84.24mm
AF位置を変えてみた

 もうひとつ、ブツ撮りに便利な機能として「スレーブ」がある。スレーブ発光は、外部ストロボがほかのストロボ(この場合はSP-550UZの内蔵ストロボ)の発光を検知して、自らを発光させる機能だ。SP-550UZの内蔵ストロボは被写体の正面から光を当てることしかできないが、外部ストロボがあれば、いろいろな角度から光を当てて、表現を幅を広げることができる。このとき、SP-550UZの内部ストロボの発光量を10段階で調整することができるのだ。SP-550UZには「フラッシュ補正」で発光量を調整する機能もあるが、こちらは調整範囲が±2EVだから、外部ストロボによる表現をしたいときは「スレーブ」を設定したほうがもちろんいい。

 照明機材が限られた一般家庭で、まさしく「テーブルフォト」に挑む場合は、重宝する機能といえる。作例はパナソニックの小型オートストロボ「PE-20ST」に、ユーエヌのマルチスレーブユニットを付けて、外部ストロボとしたものを使用している。


1秒 / F5.6 / 絞り優先AE / ISO50 / -0.7EV / 自動 / 22.4mm
部屋の蛍光灯で真上から照明。オークションに出品するときの画像にはいいが……
1/125秒 / F7.1 / 絞り優先AE / ISO50 / -0.7EV / 自動 / 19.39mm
内蔵ストロボだけだとこうなる

1/125秒 / F7.1 / 絞り優先AE / ISO50 / -0.7EV / 自動 / 18.62mm
内蔵ストロボを「スレーブ」にして、発光量を5にした。画面右からの外部ストロボの光で陰影が出た
1/125秒 / F7.1 / 絞り優先AE / ISO50 / -0.7EV / 自動 / 19.39mm
スレーブモードで発光量を1に。ちなみに外部ストロボは外光オートで発光している

 難点があるとすれば、どういうわけかスレーブもフラッシュ補正も、オートブラケティングを設定しているとなぜか使えない仕様になっている。ブツ撮りの効率化のためには、ブラケティングできたほうがいいのだが。

 ともあれ、SP-550UZはお気軽な食事撮りも、ちょっと凝ったブツ撮りもこなしてくれたのであった。


1/10秒 / F4.3 / 絞り優先AE / ISO50 / -1EV / 自動 / 25.55mm
1/50秒 / F4.2 / 絞り優先AE / ISO50 / -1EV / 自動 / 21.94mm

1/500秒 / F8 / マニュアル露出 / ISO50 / 0EV / 自動 / 9mm
1/320秒 / F3.3 / 絞り優先AE / ISO50 / 1EV / 自動 / 7.08mm


URL
  オリンパス
  http://www.olympus.co.jp/jp/
  製品情報
  http://olympus-imaging.jp/digitalcamera/sp550uz/

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( 本誌:田中 真一郎 )
2007/06/01 02:21
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