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ニコン COOLPIX S10【第6回】 |
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Reported by
本誌：折本 幸治
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ただ、COOLPIX S10が夜景にぴったりのカメラなのかといえば疑問。前回の繰り返しになるが、シャッター速度は最長2秒までだし、ホワイトバランスなどの調整ができるプログラムオートでは1秒までとさらに短い。普段は高画質で便利なカメラだが、いざ特殊なことをやろうと思うと、何かと苦労が絶えないのだ。 幸い都会のイルミネーションは、前回のライトアップ紅葉より明るい。大きく背景を入れなければ、1秒以上の露光を行なわなくても何とか形になりそうだ。焦点距離38～380mm相当(35mm判換算)の超望遠域を活かせば、明るい部分だけを印象的に切り取ることも可能だろう。 撮影した写真を見ると、点光源にはっきりとした光芒が出ていないことに気づく。光芒をうるさく感じる人には朗報だろう。といってもプログラムオートの場合、こうした撮影で絞りがF3.5より大きな状態にははまずならない。一般的に光芒は絞り込むほど出るので、本当のところは不明だ。 また、状況によっては点光源の周囲に、星形ではなく楔形の筋が出ていることもある。カメラブレなのか被写体ブレ(風が強いと電球やLEDが揺れることも)だと思うが、拡大しない限り見えないので個人的に文句はない。 それよりも焦点距離が長いとなると、一眼レフカメラ＋大口径レンズのように、点光源を大きくボカしたいところだ。しかし、1/2.5型CCD＋F3.5のレンズではやっぱり無理。ボケは小さいし、透明感もなく色が濃い。単なる失敗にしか見えないので、あきらめた方がいいと思う。このあたりは一眼レフカメラには敵わないと感じた。
もうひとつ気になったのは、フォーカスが合いにくいこと。今回も何回か合わせ直したカットがある。前回と同じ繰り言になるが、「ここでマニュアルフォーカスが利用できれば……」と思うことしきり。また、補正効果2段分のCCDシフト式手ブレ補正のおかげで、状況によっては感度を上げての手持ち撮影も行なえる。これが意外に撮れるので面白い。今回のサンプルにもISO800で撮った手持ち写真をまぜておいた。ただし、色がにぶくなったり輪郭がボロボロになったりと、増感に伴うリスクも覚悟した方がいい。 というわけで今年のイルミネーション撮影は、昨年撮ったFinePix F11での撮影より、格段に難しかった印象。最低感度のISO50で明るめに撮るには、背景に黒が少ないところを探した方がいいし、超望遠域での撮影に対応したCOOLPIX S10なら、そうした条件を作りやすい。発想を切り替えればこれはこれで面白く、いつもと違った撮影が楽しめた。
■ ＵＲＬ ニコン http://www.nikon.co.jp/ 製品情報 http://www.nikon-image.com/jpn/products/camera/compact/coolpix/s10/ 気になるデジカメ長期リアルタイムレポートバックナンバー http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm.htm ■ 関連記事 ・ ニコン、手ブレ補正付きの10倍ズームスイバル機「COOLPIX S10」（2006/08/24） （ 本誌：折本 幸治 ） 2006/12/18 00:02
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