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富士フイルム FinePix F30【第3回】
水族館で動く魚に挑戦

Reported by 本誌:折本 幸治


 今回は水族館での撮影に挑戦した。水族館は暗い上、ストロボと三脚が禁止。かっこいい魚は高速で動くし、子どもやカップルはガラス前から動かない。悪条件だが、高感度の実力を知るには絶好ともいえる。

 ……という書き出しを、2005年11月のFinePix F11による水族館体験記で掲載した。そのときは主にISO800で我慢して、ときどき耐えきれずにISO1600を発動。さらに、動かない魚を探すことに終始した。その結果、何とか撮れたのは地味な魚や甲殻類がほとんど。その結果には満足したものの、ストレスはそれなりに残った。

 高感度画質が向上したFinePix F30では、ISO1600が常用できる上、場合によってはISO3200も設定可能になった。FinePix F11で敗北した動く魚たちに再び挑むのだ。

 といっても、レンズの開放F値はFinePix F11と変わらず、F2.8〜5と暗い。試したところ、ISO3200でも動く魚のほとんどは捉えられなかった。広角側のF2.8にしても、シャッター速度はISO1600で1/60秒〜1/100秒といったところ。

 それでも、1/30秒になるISO800よりはマシで、比較的ゆるやかに移動する魚なら結構撮れる。魚の動きはだいたいパターン化していて、水槽内の同じルートを通ることが多い。その中で、彼らが好んでとどまる位置がある。その場所が水槽の手前側だとラッキーだ。

 よく利用した撮影モードは「M(マニュアル)」か「S(シャッター速度優先AE)」。M(マニュアル)といっても、絞りとシャッター速度はオートなので、操作は「オート」と変わりない。「オート」と異なるのは、ISO感度やホワイトバランスなどを自分で設定できる点だ。

 このとき、ISO感度設定を「AUTO(1600)」にしておけば、自動的にISO1600まで増感するので便利。いわゆるISOオートだ。FinePix F11ではISO800までだったので、今回のMAX1600からは、高感度画質に対する富士フイルムの自信がうかがえる。AUTO(1600)のほかに、ISO400で増感を止める「AUTO(400)」も選べるが、今回は必要ないだろう。

 便利なISOオートだが、S(シャッター速度優先AE)やA(絞り優先AE)は使用できない。ISO感度を100/200/400/800/1600/3200から選んで固定するだけだ。今回のような低照度下で動く被写体の場合、Sで自動増感してもらえれば、なお使いやすかったかもしれない。

 シャッター速度が速くなる「スポーツ」でストロボOFF、という選択も考えたが、強制的に「クイックショット」が作動するのが痛い。これは撮影距離を1m〜無限遠に制限して合焦までの時間を短縮する機能で、今回は1m以内で撮ることが多く、使いどころはほぼない。望遠側の開放F値が明るければ、と思う。

 今思えば、新モードの「ブレ軽減」を使えばよかったかもしれない。ブレ軽減はスポーツ同様、シャッター速度を速くするモードで、条件によってストロボ発光するので封印していた。が、ストロボを強制OFFにできる。いずれ試したい。


2,848×2,136 / 1/80秒 / F6.4 / -0.33EV / ISO1600 / WB:オート / 8.9mm 2,848×2,136 / 1/42秒 / F2.8 / 0EV / ISO1600 / WB:オート / 8mm

2,848×2,136 / 1/500秒 / F5 / 0EV / ISO3200 / WB:オート / 8mm 2,848×2,136 / 1/85秒 / F2.8 / 0EV / ISO1600 / WB:オート / 8mm

 さて、動く魚が撮れるとなると、今度はAFの遅さが気になりだした。FinePix F11のときは動かない奴らばかり狙っていたのであまり気にならなかったのだ。被写体にもよるが、1秒まではいかないものの、0.5秒ぐらいは待たされる印象。その間に被写体が急反転したり、前後に動いたり、関係ない魚が前に被ったりとうまくいかない。

 60cmより前に合わせるため、頻繁にマクロモードにしたためもあるだろう。さらにAF補助光をOFFにしていたのが大きく影響していると思われるが、ONにすると魚が逃げるので仕方がない。

 さらに、レリーズタイムラグも障害のひとつだった。一昔前のコンパクトデジタルカメラに比べると圧倒的にラグが少ないものの、やはりわずかに遅れて写る傾向が見られる。

 ならばコンティニュアスAFで連写し、向かってくる魚だけを狙う作戦に変えてみる。しかし、真正面から見た魚はあまり絵にならない。なかなか難しいものだと思った。

 FinePix F30が搭載する1/1.7型600万画素CCDの被写界深度は、被写体距離を約60cm(焦点の合うほぼ最短距離)、開放のF2.8、許容錯乱円径を0.007mmとすると、およそ24.2cmになる。少し動いたくらいで、魚が深度から外れるとは思えない。

 そうした意味で、現場ではあまりAFに関して神経質になる必要はないと考えていた。シャッター速度も1/60秒以上はキープしているので大丈夫だろう。もっとも、このカメラでの私の手ブレ限界は、実験上1/125秒前後とぜんぜんダメなのだが……。

 帰宅後、PCディスプレイで確認してがっかりした。手ブレは己のせいだが、やはりピントが上手く合っていない写真が多い。低照度下でのAF速度と、レリーズタイムラグを体で覚えないと。まだまだ修行が足りないと思った。

 それでも画質には満足。とりあえず、コンパクトデジタルカメラで(ゆっくりと)動く魚を何とか撮れたし、ノイズの面でもFinePix F11を超えた写真が得られた。FinePixの進化を見て取れた1日だった。


2,848×2,136 / 1/340秒 / F2.8 / 0EV / ISO1600 / WB:オート / 8mm 2,848×2,136 / 1/60秒 / F2.8 / 0EV / ISO1600 / WB:オート / 8mm

2,848×2,136 / 1/85秒 / F2.9 / 0EV / 800 / WB:オート / 8.9mm 2,848×2,136 / 1/85秒 / F3.2 / 0.67EV / ISO1600 / WB:オート / 10.4mm

2,848×2,136 / 1/75秒 / F2.8 / 0EV / ISO1600 / WB:オート / 8mm


URL
  富士フイルム
  http://www.fujifilm.co.jp/
  製品情報
  http://fujifilm.jp/personal/digitalcamera/finepixf30/
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  http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm.htm

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( 本誌:折本 幸治 )
2006/06/19 00:00
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