気になるデジカメ長期リアルタイムレポート

PENTAX Q10【第7回】

ポケットに入る超望遠ズーム

 ペンタックスリコーイメージング広報のKさんに「Q10にオススメの面白いレンズないですか~?」と聞いたところ、「ポケットに入る1,000mmがあるよ!」と、「DA 50-200mm F4-5.6 ED WR」をすすめて頂きました。

 確かに小振りで値段的にもお手頃な望遠ズームレンズ! さすがに私のポケットには入りませんでしたが、この軽さでQ10に装着すると約275-1,100mm相当の画角を得られるのは面白いので、ドンケのバッグに入れて撮影に出てみました。

 マウントアダプターを付けてレンズを装着すると……はい、やっぱりバズーカ的になりますね(笑)。でも、見た目よりも断然軽いので首から提げても苦しくはありませんでした。どちらかというとレンズ自体よりも、フードの大きさがバズーカ的要素を盛り上げているような気がします。

広角側の状態。フードが長いので軽さのわりにはごついイメージになっていますね。
望遠側の状態。ボディはどこ? という感じです(笑)。

 今回はPENTAX K-rにも同じレンズを付けて撮り比べなどもしてみました。感想としては「AFって楽だな」ということと(笑)、それでも小さい花に近付いて撮るようなときは、結局AF頼みではなく自分の体を動かしてピント調整をするので、被写体によってはAFが効くK-rと効かないQ10の操作性の違いはどうでも良くなってしまいました。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
  • 縦位置で撮影した写真のみ、無劣化での回転処理を施しています。
  • 「絞り目盛り」はマウントアダプターの絞り目盛り(0~8)を表します(0は開放)。実際のF値とは対応していません。
200mmで撮影。川の中州に咲いている菜の花もここまで拡大できました。PENTAX Q10 / DA 50-200mm F4-5.6 ED WR / 約3.2MB / 4,000×3,000 / 1/80秒 / 絞り目盛り:0 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 200mm
200mmで撮影。近寄れない状況でかなりズームしましたがこれが限界。PENTAX K-r / DA 50-200mm F4-5.6 ED WR / 約4.9MB / 2,848×4,288 / 1/250秒 / F5.6 / 0EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / 200mm
背景の桜が光を受けて丸ボケを作り出してくれました。PENTAX Q10 / DA 50-200mm F4-5.6 ED WR / 約2.2MB / 4,000×3,000 / 1/200秒 / 絞り目盛り:0 / +1EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / 200mm
被写体がQ10の時と同じくらいの大きさになるくらいまで近寄って撮影。背景は大きくボケています。PENTAX K-r / DA 50-200mm F4-5.6 ED WR / 約4.4MB / 4,288×2,848 / 1/60秒 / F5.6 / +1EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / 200mm

 画的にはピントのシャープな画を得られるのはK-rで、Q10はどんなに詳細にピントを合わせても少々眠い画になってしまいますが、それは等倍表示でのこと。全紙サイズにプリントするのはちょっと考えちゃいますが、四切サイズのプリントや家庭サイズのパソコンのディスプレイいっぱいいっぱいで見るくらいであれば全然問題のない解像感です。

白い花の部分は少し色飽和を起こしていますが緑の茎の部分の描写は見事です。PENTAX Q10 / DA 50-200mm F4-5.6 ED WR / 約3MB / 4,000×3,000 / 1/400秒 / 絞り目盛り:0 / 0EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / 200mm
風の強い厳しい撮影状況でしたがここまでシャープに写りました。PENTAX Q10 / DA 50-200mm F4-5.6 ED WR / 約2.9MB / 4,000×3,000 / 1/500秒 / 絞り目盛り:0 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 50mm
ステージ上の羊をパチリ。一応目線を……くれているのかな? PENTAX Q10 / DA 50-200mm F4-5.6 ED WR / 約3.6MB / 4,000×3,000 / 1/80秒 / 絞り目盛り:0 / 0EV / ISO1600 / 絞り優先AE / WB:オート / 50mm
右の羊にぐぐっとズームしてみました。残念ながら目線はもらえず(笑)。PENTAX Q10 / DA 50-200mm F4-5.6 ED WR / 約3.6MB / 4,000×3,000 / 1/60秒 / 絞り目盛り:0 / 0EV / ISO1600 / 絞り優先AE / WB:オート / 200mm

 レンズ自体はこの結構な望遠の画角なのにピントの山がつかみやすく、Q10、K-r共にカメラとの相性もいいのか手持ちでもブレずにクリアな画が得られるコストパフォーマンスのいい優良なレンズだと再実感しました。

 ポケット……には入らないかもですが、首から提げても苦しくない超望遠ズーム、オススメです!

水咲奈々

(みさき なな)東京都出身。知り合いの写真家の作品撮りにモデルとして関わったことがきっかけで写真に興味が沸き独学で写真の勉強をし、作品を持ち込んだ出版社に編集として入社。2010年独立。現在はカメラ雑誌の編集やWebでのカメラレビュー、写真講座の講師として活動中。「Pentax+」でも記事を連載。 Twitter:@cosaruruブログ:http://misakinana.com