北尾順三写真展「通り過ぎた私」PART 2

このテーマのpart1は、2009年大阪・東京のオリンパスギャラリーで織作峰子さんとの二人展に発表し、おもにアメリカとヨーロッパで出会った「事物」を被写体にした作品を展示しました。今回もまた、通り過ぎた私にいつまでも付きまとう印象的な事象を、ごく勝手気ままに取り上げ、いささかなりとも共感をいただければ幸せ、という大阪風の五目飯写真展であります。

私は1959年に報道カメラマンとしてスタートを切り、その後コマーシャル写真家に、半世紀を越える年月を過ごしてきました。ふと気がつけば仕事のための写真や、追いかけていたテーマからはみ出た、使い道のないまま埋もれていた写真が随分とでてきました。

40年ほど前にシャッターを切り、充分すぎる時間を閉じ込めている作品があり、大した作意を持たない画像が妙に心の片隅に残っている写真があります。

多くの国や街をさまよって、さまざまな人と触れ合い、瞬時の光と影の僥倖に助けられてできた、私の通り過ぎた記録をご覧いただけたら幸いです。これからも、時どきの「今」を追い続け、写真家で生きている証とするつもりでおります。

出展作品数：四つ切　約60点

（写真展情報より）