一之瀬ちひろ写真展「KITSILANO」(銀座ニコンサロン)


半年かかってようやく屋根裏に暗室ができた。

作りながら薄々感じていたことが明確になった。

アトリエが家全体へと拡がった。そして、そのことと自分が作品だと思っている境界がどんどん拡がっていく感じが、同期している。

緩やかに制作と生活がお互いに溶け出して、どっちがどっちでもそんなことは全くどうでもよくなってしまうような。

どこからどこまでが写真でどこからどこまでが写真でないのか、自分でもわからなくなっていくような。

日々さまざまな要素が比重やバランスを崩したり、揺らいだりするので、そこには何かを中心として成り立つような構造を発見できない。結局のところその場の状況を渾然と感じるしかないのだ、と作者は思う。

また、唯一の結論に向かって行くものではなく、なにかを見たいのではないか、とも思う。

カラー40点。

(写真展情報より)

  • 名称:一之瀬ちひろ写真展「KITSILANO」
  • 会場:銀座ニコンサロン
  • 住所:東京都中央区銀座7-10-1 STRATA GINZA(ストラータ ギンザ)1・2階
  • 開催日:2012年12月5日~2012年12月18日
  • 時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
  • 休館:会期中無休

(本誌:武石修)

2012/11/21 00:00