ニコンタイ工場は依然2mの浸水。「平常化まである程度の時間が掛かる見込み」


 ニコンは21日、タイの洪水被害に関する第2報を発表した。Nikon(Thailand)Co.,Ltd.(ニコンタイランド社)は、依然として水位が2mから変化が無いという。排水の目処はまだ立っていない。

ニコンタイランド社(被災前)

 現場が立ち入り禁止区域のままとなっており、被害の全容把握は難航しているという。業績などへの影響は分かり次第発表するとしている。

 復旧の時期は引き続き未定。入居するロジャナ工業団地の排水を含む平常化には、「ある程度の時間が掛かる見込み」(ニコン)とする。同社では、生産設備の新規調達、グループ全体での生産体制見直しなどあらゆる対応を検討しているとする。現在まで、人的被害の報告はない。

 排水に関しては、引き続きロジャナ工業団地当局、団地内の他社、JETRO(独立行政法人 日本貿易振興機構)らと協力してタイ政府へ働きかけを行なっていく。

 ニコンタイランド社は、アユタヤ県ロジャナ工業団地にある製造子会社。7月以降の豪雨により全ての建物で1階部分が浸水し、6日から操業を停止している。同工場は、デジタル一眼レフカメラでは「D300S」、「D7000」、「D5100」、「D3100」を生産しており、台数ベースではニコン全体の約92%を占める。交換レンズも約66%を手がける主力工場。

 なお、レンズ交換式デジタルカメラの新製品「Nikon 1 V1」と「Nikon 1 J1」は中国で生産しているため、予定通り20日から販売を開始している。

 同じくアユタヤ県の製造拠点などが洪水の被害を受けたソニーは、11月11日に発売予定だったレンズ交換式デジタルカメラを「発売時期未定」に変更している。




(本誌:武石修)

2011/10/21 14:29