2009年上半期もデジカメ市場のマイナス成長変らず

~買い換えサイクルの長期化進む

 Gfkマーケティングサービスジャパンは6日、2009年上半期における家電およびIT市場の販売動向を発表した。

 量販店における2009年上半期の売上は、金額ベースで前年比1%増だった。第1四半期は同0.4%増だったが、第2四半期はエコポイント制度の開始で薄型テレビと白物家電が需要を牽引し1.8%増となった。しかし、PCや薄型テレビをはじめとするデジタル家電では平均価格の下落が顕著だったという。白物家電では、上半期の数量は前年割れだったが金額は前年を上回った。

 デジタルカメラは14%減の約477万台で、2008年末からマイナス成長に転じた流れは変らなかった。景気後退に加え、買い換えサイクルの長期化が台数減の要因と分析している。コンパクトデジタルカメラ、デジタル一眼レフカメラともに前年比で2桁減となった。同社によると、デジタル一眼レフカメラにおける動画撮影機能の搭載率が約50%に達しており、一眼レフカメラならではのボケ味を活かした動画ニーズを生み出したとしている。

 PC市場は前年並の720万台を販売した。リテール市場は数量ベースで前年比14%増と好調。ネットブックが一定の市場規模を確立しマーケットを牽引した。これにより、ノートPCの構成比は過去最高の79%に達した。一方ディーラー市場は、数量ベースで前年比10%減。企業のIT投資抑制で伸び悩んだ。両チャネルとも価格下落が進行しており、金額ベースでは台数を上回るマイナス成長となった。

 PC用ディスプレイは、前年比5%減の205万台となった。リテール市場では平均価格の下落が販売を後押しした結果、台数は21%増となったが、金額は14%減だった。ディーラー市場も企業の投資抑制から14%減となった。金額は、チャネルにおける構成比が高いことから36%減と大幅な落ち込みとなった。なお、リテール市場ではフルHD対応モデルが好調という。

 薄型テレビ市場は、前年比16.9%増の580万台と引き続き好調に推移した。金額は、平均価格の下落から4.5%増にとどまっている。うち、液晶テレビは22.2%増の522万台、プラズマテレビは3%増の51万台だった。下半期もエコポイント制度による成長が見込まれるとしており、通年では前年比32%増となる1,374万台の予想を示した。

 DVDプレーヤーおよびデジタルレコーダー市場は、前年同期比2.4%減の352万台。金額ベースでは前年比12.3%増だった。プレーヤーは市場縮小が進み、19.2%減の153万台となった。一方、レコーダーは16.8%増の198万台と好調に推移した。なかでも、Blu-rayディスクレコーダーが台数ベースで195.8%増と大幅に伸長。レコーダー全体に占めるBlu-rayディスクレコーダーの割合は台数で60.1%、金額で74.2%となっている。通年での同市場は2%減の723万台の予想だが、Blu-rayディスクレコーダーによる単価上昇で金額は9%増になる見通し。

(本誌:武石修)

2009/8/7 18:03