ニュース

カメラに保険をかけられるアプリ「Warrantee」が紛失・盗難に対応

IoTデバイス「MAMORIO」と業務提携 紛失したカメラのトラッキング機能も

Warrantee代表取締役の庄野裕介さん(左)とMAMORIO代表取締役の増木大己さん(右)

株式会社Warrantee(ワランティ)とMAMORIO株式会社は9月29日、盗難・紛失に対応したオンデマンド型保険サービスの提供に向けた業務提携を発表した。

Warranteeは、デジタルカメラなど家電製品の保証書を電子管理できるスマートフォンアプリ。保証関連情報の参照だけでなく、登録した製品のスペックや説明書を閲覧できるほか、修理や中古査定、廃棄時の回収依頼もアプリ上から行なえる。近日中にはPCサイトでも同等の機能を提供予定としている。

必要なものに24時間単位で保険をかけられる「Warrantee Now」を7月に発表済みで、サービスの提供を10月中に開始する予定。本サービスでは主に家電製品のメーカー保証ではカバーしきれない範囲の保障を行なう。

デジタルカメラユーザーが受けられるメリットとしては、購入後に通常1年程度のメーカー保証が切れたボディや交換レンズに対する修理保障が必要なタイミングで受けられる。具体的には、メーカー保証期間切れの自然故障(発売後3年)、破損(発売後10年まで)、水濡れ(発売後10年まで)についてそれぞれ保障する。

任意のタイミングで24時間単位の保証がかかることから、個人間の貸し借りや旅行、出張などへの持ち出し時にも必要な分だけかけられる。デジタルカメラが属する「デジタル家電」分類の掛け金は39円/24hから。保証内容に応じて3つのプランを用意する。

ただし、対象期間は発売後の年数で決まっているため、発売から日の浅い機種の方がより長くサービス対象になる。これはメーカー側の修理サポート受付期間の都合によるものと思われる。

提携先の「MAMORIO」は、Bluetoothでスマートフォンと接続する紛失防止タグ。財布やカード入れ、家の鍵など、普段から持ち歩くが紛失すると困る物に付けて使用する。タグを付けた物を置き忘れると「手元から離れた」と判定され、スマートフォンに通知することで、忘れ物による紛失を防ぐ仕組み。ほかのMAMORIOユーザーがタグの近くを通りかかった場合に検知したタグを地図上に表示する「クラウドトラッキング」機能を特徴とする。

MAMORIOとカメラの組み合わせ例。
MAMORIOは単価が約3,500円、内蔵電池寿命は約1年間。
カメラや財布など、普段から持ち歩くが、紛失のリスクが大きいものに付けておくことで、紛失を防止する。
タグの情報はログとして残っており、どのタイミングで手元を離れたかがわかる。
クラウドトラッキング機能でほかのユーザーが忘れ物を見つけたところ。

今回の提携により、MAMORIOのトラッキング機能を使って、Warrantee Nowを盗難や紛失に対する保証にも対応させた。

対応製品の中から保険をかける製品を選ぶ。
保険をかける製品をカテゴリの中から探す。
「カメラ・ビデオ・周辺機器」を選ぶと対応製品の一覧が表示される。
ソニー「α9」の例。すべてのリスクを保障する「ワイドプラン」は279円/24時間。
故障のみ対象の「ライトAプラン」。
破損と水濡れに対応する「ライトBプラン」。
最後に実際の製品を数秒の動画に撮って送信し、アプリ内で支払い登録などの手続きを行なえば申し込み完了。

Warrantee代表取締役の庄野裕介さんによると、必要なタイミングで、きわめて安価に短期間の保険をかけられることから、民泊などのシェアリングエコノミーにおける利用者の備品持ち去りや破損などのリスクに対するニーズがあるほか、レンタルサービスを提供している業者の利用が見込めるという。また、一般消費者間でカメラなどの家電製品を貸し借りしたり、レジャーなどへの持ち出し時にも活用できるとのことだ。

サービスの提供開始後は「探せて」「見つかった」という実績を積み上げて、利用者の拡大を図る見通し。

関根慎一