岡嶋和幸の「あとで買う」

1,690点目:カメラを通して見つけた世界との素敵な距離感

石井朋彦『すべては距離感である』

ネットショップのカートの中にある「あとで買う」には、様子見をしているなど気になるアイテムがたくさん入っています。この連載では、フォトライフに関連する製品を中心にその中身をお届けします。どのような物に興味を持ち、どのような視点で選んでいるのかなど、日々の物欲をお楽しみください。

石井朋彦『すべては距離感である』

本日は映画プロデューサーで、写真家でもある石井朋彦さんの最新刊です。本書はnoteでの連載を1冊にまとめたもので、写真撮影における距離感と、人生や人間関係の距離感がテーマです。

サブタイトルは「写真が教えてくれた人生の秘密」で、写真と密接な関係にある距離感を、日常のさまざまなものに置き換えて語っており、とても興味深い内容になっています。第1章の「1m-1.2m=親しい間柄」「1.5m=ほどよい距離感」「2m=はじめましての距離感」「3m=自分の世界と外界の境界」「70cm=人生の最短距離」はなるほどと思いました。

写真やカメラについての考察もたくさんあり、デジカメ Watchの読者も共感できることが多く書かれていると思います。

個人的に気になった項目を目次から抜き出してみると、「噂話や悪口が大好きな人は5mの外へ」「身体的なレンズと仮想的なレンズ」「嫌いなものを撮ってきなさい」「モノクロームが生み出す、記号性とデザイン性」「スマホの縦写真はフレーム外を想像させるか?」「機材はスペックよりもリズムで選ぶ」あたりでしょうか。このほかにも読みたくなるような項目がたくさん並んでいます。

販売価格は2,530円で、Kindle版もあります。

1967年福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集『ディングル』『風と土』のほか著書多数。写真展も数多く開催している。日本写真協会(PSJ)、日本作例写真家協会(JSPA)会員。カメラグランプリ選考委員。