コラム
富士フイルム XF400mmF4.5 R LM OIS WR
手持ち撮影も快適な600mm相当の超望遠単焦点レンズ
2026年9月27日 12:00
富士フイルム「XF400mmF4.5 R LM OIS WR」は、2026年9月発売のAPS-C対応の超望遠大口径単焦点レンズ。一般的にネイチャー撮影などで使われる「400mm F4」の超望遠レンズに比べると、絞り値を1/3段分だけ暗くしているが、その分、手持ち撮影もこなせるほどの小型・軽量なサイズが特徴だ。
同社のXマウントに対応しており、今回使用した「X-H2S」のほか、「X-H2」や「X-T5」をはじめとする多くのXマウント採用ミラーレスカメラで楽しむことができる。
外観・仕様
外形寸法は約Φ104.5×239.5mmで、質量は約1,245g。驚きのサイズ感と軽さである。野鳥撮影などでよく使われるフルサイズ用の「600mm F4」と比べれば、非常に小型・軽量に仕上がっている。
シルバー仕上げの鏡筒は、富士フイルムの超望遠レンズらしいところ。F4.5という絞り値が暗いと感じるかもしれないが、F4.0と比べて1/3段暗いだけだ。ISO感度性能が向上している現代の高性能なデジタルカメラであれば、ほとんど問題にならない差といえる。
リング類は、レンズ先端側からフォーカスリング、絞りリングという順に配置されている。富士フイルムXFレンズということで、絞りリングもしっかり装備している。
鏡筒左側に並ぶスイッチ類は、上から順に「撮影距離範囲切り換えスイッチ」、「OIS(手ブレ補正)スイッチ」、「フォーカスセレクトスイッチ」、「フォーカスプリセットボタン」と並ぶ。上位ラインの超望遠レンズにふさわしい装備だ。
鏡筒先端付近には「フォーカスホールドボタン」が装備されている。横位置と縦位置のどちらでもアクセスしやすいよう、4カ所に装備されている。
三脚座が装備されているが、手持ち撮影時に必要がなければ取り外せる。
丸型の深めのレンズフードが同梱される。緑のラインがあしらわれており、富士フイルムの上位ラインの超望遠レンズであることが示されている。C-PLフィルターや可変NDフィルターを操作するための窓や、手探りでも着脱しやすい機構、ロックボタンの装備なども、上位ラインにふさわしいものだ。
作例
600mm相当の超望遠レンズとしては、大口径と言っても過言ではないF4.5。画面中央から周辺に至るまで、開放絞りから優秀な解像力を示してくれる。
もちろんF5.6、F8.0と絞り込んでいけば、さらに均質で高い解像感を得ることができる。
干潟で遊ぶミユビシギを撮影してみた。600mm相当の大口径レンズとは思えない軽快感で、手持ちでも比較的気軽に撮影できる。動き回る野鳥を追いかけながら撮影するには最適なレンズだと感じた。描写性能も秀逸で、細かなディテールまで精密に描き出してくれる。
最短撮影距離は2.75mで、最大撮影倍率は0.16倍。決してマクロレンズ並の近接撮影が可能というわけではないが、最短撮影距離付近で得られる圧縮効果は強烈で、幻想的なイメージを作り出せる。また、最短撮影距離付近であっても、解像性能が衰えることはない。
同じく最短撮影距離付近で撮影したもの。「X-H2S」に搭載されているプリ撮影機能を使って、トンボの飛び出す瞬間を捉えた。被写体までの距離、いわゆるワーキングディスタンスを長く取れるため、こうした撮影でも比較的容易にアップで収めやすい。
スイレンのなかを歩むコサギを撮影してみた。絞りをF8にしたが、それでも600mm相当ということで、背景が適度に柔らかくボケる。ボケ味はやや硬く感じられるかもしれないが、個人的には許容範囲だ。
製品名に含まれる「LM」が示すように、本レンズはAFモーターにリニアモーターを採用している。磁気によってフォーカスレンズを駆動する仕組みで、高速で正確、かつ静音性に優れているのが特徴だ。カワセミの飛翔を撮影してみたが、一瞬の動きであっても正確に被写体を追ってくれた。
まとめ
35mm判換算で600mm相当の超望遠単焦点レンズでありながら、約1,245gという軽さが本レンズの魅力だ。手持ちでの撮影でも扱いやすく、野鳥など動きのある被写体を撮影する際にも、手持ち撮影による自由度の高さがアドバンテージとなる。
描写性能も優秀で、絞り開放から画面の隅まで高い解像感を得られる。600mm相当の圧縮効果やボケ量も楽しめ、最短撮影距離付近でもその性能は衰えを見せない。
さらに高速・正確なAFや、充実した操作系、三脚座、使い勝手の良いレンズフードなど、装備も充実している。手持ち撮影時には手ブレ補正機能も頼もしく、軽快な機動性をさらに高めてくれる。
高い描写性能とAF性能、そして優れた機動性をバランスよく備えた超望遠レンズといえるだろう。














