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TAISUKE KOYAMA WEB──小山泰介
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After Live Painting / Sapporo 2006.03.11 23:06:40
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2年ほど前に、若い写真家による自主的な講評会で小山泰介(こやまたいすけ)さんに出会った。ちょうど小山さんがリクルート主催のコンテスト「ひとつぼ展」に入選したころだったと思う。ポートフォリオを見せてもらいウェブのURLを教えてもらった。デジタル一眼レフで撮られたそれらの写真は端的に言ってぼくの好みだったし、ポートフォリオやWebサイトは人に見せることを意識してちゃんとデザインされており、そのことにも感心した。たとえよい写真であったとしても、見せ方が粗雑なものに対してはぼくは興味はひかれない。実際にはよい写真を撮る人は例外なく見せ方もちゃんとしているものだ。
その後の小山さんは、ギャラリーやエディトリアル媒体で積極的に写真を発表しており、その活躍は多くの人に注目されている。同時代とシンクロする写真だと思うが、それと同時に事物の表面を苛烈と言っていい視線でスキャンしたようなそれらの写真には時代を越えた芯の強さを感じる。
小山泰介「TAISUKE KOYAMA WEB」
http://www.tiskkym.com/ |
1978年 東京生まれ |
2005年 第25回「ひとつぼ展」入選 |
2007年 写真集「Dark Matter」(ユトレヒト)
個展・グループ展など多数 |
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TAISUKE KOYAMA WEB
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小山泰介氏
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──写真を始めたきっかけは?
高校のころアウトドアや海外旅行にはまっていたので、自然環境を学ぶ専門学校に進学しました。卒業後はフリーターをやっていたのですが、絵を描く友達と知り合い、みんなで「MAGAZINE8」というフリーマガジンを作って、そこに写真やテキストを載せて毎月カフェや書店で配ったりしていました。
インド旅行に一眼レフを持っていったのが写真との出会いと言えますが、その時は観光写真的なものを撮るにとどまっていました。
写真に強烈な関心を持ったきっかけは、1998年の渋谷パルコギャラリーで見た森山大道さんの「Fragments」展です。展覧会が好きで色々見ていたので、森山さんのこともよく知らずに見に行ったのですが、なんというか、とてもドキドキしました。初めて買った写真集はその展示のカタログで、中島英樹さんのデザインでした。
それでも、その時も写真家になろうという気にはなりませんでした。本格的に撮り始めたのは2003年10月、キヤノンのPowerShot G5を手にしてからです。起動に数秒かかるデジカメでしたが、初めて使った時にガラッと世界が変わったというか「これなら自分の表現ができる」と、なぜかとても強く思い込みました。専門的な写真の勉強をしていない自分にとって、Macで確認してプリンタで出力するというプロセスが自然だったのだと思います。それから数カ月後には代々木の金魚カフェで個展をさせていただき、ART BY XEROXのサポートで小さな作品集をリリースしました。
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Lines / Tokyo 2007.03.14 13:33:23
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──仕事に対するスタンスについて。
自分のテイストで撮っていい仕事をいただいた時は、自分の作風を最大限出すことを念頭に置き、「これは仕事の撮影だ」という意識は極力消します。当然のことですが、その仕事で自分の作品を撮ることが、クライアントへの誠意だと思っています。
状況によっては自分の作品だといえるものがなかなか撮れないこともありますが、それは困難というよりも自分の経験や力不足であって、乗り越えるべき課題です。
また、生活のために作品とは関係のない受注仕事もしています。でも、どういった内容であれ、写真を通じて生活できることを幸せに思っています。
──写真をやる上での人とのかかわりについて。
写真は1人でも撮れますが、その写真を多くの人に見てもらうためには、自分の力だけでは限界があると思います。
編集者、キュレーター、ギャラリスト、デザイナー、写真家など、自分にとって信頼できる人と出会い、関わっていくことは、とても重要だと思います。
人との出会いによって、仕事を増やしたり写真発表の場を広げるということもありますが、それ以上に、いろいろな刺激を受けたり、経験をしたり、ものの見方を学んだり、自分の作品に対する感想を聞いたりすることが、写真を撮るということにおいても、自分の感覚や考えを押し広げるということにおいても、とても大切だと思っています。生活費がちょっと厳しくなっても、頻繁に海外に行くのも同じ理由です。
──伝統的な写真の世界とは外れた場所にいると思いますか?
どうなんでしょう。写真の学校に行ってないし、スタジオで働いた経験もないので、単純に写真業界との繋がりがあまりないだけかもしれません。写真を中心に扱うギャラリーPUNCTUMでも展示をしてきたので、あえて外れた場所にいるという感覚はありません。伝統的な写真の世界に対しては敬意を払っていますし、知らないことがたくさんあって、改めて学ぶことも多いです。でも「伝統」や「歴史」だけに固執した考え方には興味がありません。
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Untitled / Shadow / Tokyo 2007.06.17 09:50:24
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──「Dark Matter」という写真集を作った経緯について。
中目黒の書店ユトレヒトから出版の話をいただきました。判型やページ数、価格は決まっていましたが、ビニールカバーはデザイナーの川上俊さんのアイディアです。紙は予算内でできることをデザイナーと印刷会社の方と検討し、グラフィックデザインはすべてデザイナーにお任せしました。とても勉強になりました。
──写真を発表する手段について。
プリントを見ていただきたいので、展示が一番好きです。展示は「体験」の場だと思うので、展示方法や高速スライドなどいろいろ試みています。
グループ展の時は、展示場所の性質や企画内容、他の参加作家のことも考慮して展示内容を決めます。音楽に例えると、写真集がCD、展示がライブ、みたいな感じです。
雑誌などで作家紹介していただく場合は、できるだけ未発表の新作を出したいなと思っています。
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Blue Ground / Tokyo 2006.11.03 11:19:35
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──Webについてはどう考えていますか?
自分のWebサイトは写真のアーカイブだと思っています。インタラクティブな体験の場としてのおもしろさを感じますが、自分の写真でなにかできるかどうか、今は検討していません。回線速度の問題もあるのでしょうが、写真を読み込む時間や、クリックしながら写真をずーっと見ていくことが僕はあまり好きではないようで、他の方の写真サイトもそれほど積極的には見ていません。写真を見るには展示が一番ですが、本や雑誌はとても好きです。
──fotologue(ネット上に写真をアップロードするサービス)を使っている理由は?
fotologueは招待制だったころから使っています。他のサービスを検討したわけではなく、fotologueの機能を使い切っているわけでもないので、Webに関しては怠けているかもしれません。できれば既存のWebサービスを使うのではなく、ちゃんとデザインされたギャラリーページを作りたいです。でも外注するほどのお金もないですし、自分の今の技術ではできないので、そのうち機会があれば、という感じですが……考えてたらなんだか作りたくなってきました。
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Rubber / Tokyo 2007.04.30 11:52:03
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──どのような機材を使っていますか?
今使っているカメラはキヤノンEOS 5Dで、発売後すぐに買いました。接写をするので100mmマクロを使うことが多いです。
──撮影をする頻度は?
晴れた日に歩き回って撮っています。今月は仕事が少なかったので、晴れた日はほぼ毎日、週3日くらい撮りに行きました。
雲が出てきたり、夕方になって西日が強くなったりしたらやめるので、最近の撮影時間は3時間~6時間くらいだと思います。季節によって変わりますね。
──被写体をどのように選んでいるのですか?
今のところ作品として人は撮らないし、基本的には屋外でモノの表面を撮ることが多いです。被写体は意識的に選択しているとも言えるし、撮ったことを忘れたカットも多いことから、無意識というか本能的に撮っていることもあると思います。
撮影現場で何を撮るか、どう撮るか、ということに関しては、意識と感覚が混在していると思いますが、撮影するときにはそれまで考えていた全ての思考を捨てられるように、自分の気持ちを持って行きます。頭の中を真っ白にして、できるだけ眼や耳や皮膚感覚に集中します。ランナーズハイみたいな状態になった時に一番よく写真が撮れます。
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Vertical Light / Sapporo 2006.03.11 18:52:34
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──好きな作家は誰ですか?
好きな作家は森山大道さんです。
5月にニューヨークで買ったRoe EthlidgeとNina Pohlの写真集が好きでよく見ています。写真を土に埋めたりするStephen Gillもおもしろいと思います。
あとつい先日、サンフランシスコ近代美術館(SFMoMA)でFelix Schrammという作家の作品を見ました。写真家ではないですが、SFMoMAの壁を壊して構成した巨大な立体作品で、さらにそれを写真に撮り、写真を破ってコラージュしていました。ものすごいインパクトでした。
──今後はどのような活動をしていきたいと思いますか?
とにかく写真をもっともっと撮りたいです。アウトプットとしては、よりいい展示方法を考えたり、新しい写真集を出すことなどが目標です。海外でも発表したいですし、今後はギャラリーを通してプリントを積極的に販売していこうと思っています。仕事面でも、その仕事でしか経験できない化学反応や、意外な展開や新たな発見ができるような仕事と巡り会えたらと思っています。
■ URL
バックナンバー
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/webphoto_backnumber/
内原 恭彦 (うちはら やすひこ)1965年生。東京造形大学デザイン科中退。絵画やCGの制作を経て、1999年から写真を撮り始める。
2002年エプソンカラーイメージングコンテストグランプリ受賞、2003年個展「BitPhoto1999-2002」開催、2003年写真新世紀展年間グランプリ受賞、2004年個展「うて、うて、考えるな」開催
http://uchihara.info/ |
2007/09/27 00:22
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