デジカメ Watch
最新ニュース
記録メディア転送速度テスト【 CF編 】

ケンコー ATP ProMax(2GB)  

※記録メディアの転送速度を編集部で簡易に計測して掲載するコーナーです。

※掲載した結果はテストした個体によるもので、市場におけるすべての製品の性能を保証するものではありません。


 2005年にSDメモリーカードで品質の高さを見せたATP ProMaxシリーズ。そのProMaxに高速CFタイプが2月24日に登場する。高速記録のCFといえば、サンディスクの「Extreme III」とレキサー・メディアのProfessionalシリーズが思い浮かぶが、Extreme IIIの最大転送速度は20MB/sec、Professionalは最低保証速度が12MB/sec。対してATP ProMaxでは22MB/secを最大転送速度として公表している。取り扱いはSDメモリーカードと同じくケンコー。同社のHPでは今回も「世界最高速」を謳っている。

 また、外装ケースの一体成型や、基板とチップをコーティング剤でモールディングした「システムインパッケージ」による耐久性も見逃せない。これらは同ブランドのSDメモリーカードと同様の技術で、防塵性能と耐衝撃性能には絶対の自信があるという。メーカー保証期間は5年。

 今回は512MB、1GB、2GBのラインナップ中、最大容量の2GBを計測した。量産試作サンプルにつき、製品版とは性能が異なる可能性があることをご了承いただきたい。

 なお、比較に用いたレキサー・メディアのProfessionalシリーズは現行製品。3月3日発売の新タイプから別のデザインになる。

【2月23日訂正】レキサー・メディアの公称転送速度を修正しました。掲載時に最大20MB/secと表記しましたが、現行製品は最低保証速度80倍速(12MB/sec)になります。


デジタル一眼レフカメラによる書き込みテスト


  • カメラ内のバッファをすべて開放した状態で、圧縮RAWデータ(ファイルサイズ約10MB)を30秒間連写した枚数を調べた。
  • Exifに記録された撮影時間をもとに撮影開始から30秒間の記録枚数をチェックしている。
  • Exifには0秒以下の記録がないため、1秒間の誤差を考えて5回計測し、その平均枚数を小数点第1位まで掲載している。
  • フォーカスはマニュアル。レンズキャップを閉めたまま撮影。
  • 露出はマニュアルモードでF5.6、1/2,000秒に固定。

キヤノンEOS 5Dでの計測結果(枚数)
  容量 発売元 平均枚数
Extreme III 2GB サンディスク 40.0
ATP ProMax 2GB ケンコー 39.4
Processional 2GB レキサー・メディア 37.6
RCF-GP 2GB バッファロー 31.0

ニコンD200での計測結果(枚数)
  容量 発売元 平均枚数
Extreme III 2GB サンディスク 52.6
ATP ProMax 2GB ケンコー 51.0
Processional 2GB レキサー・メディア 45.6
RCF-GP 2GB バッファロー 43.8


PCカードアダプタでのテスト


  • HDBENCH Ver.3.30のDISK測定を使用。5回測定し、HDBENCHが割り出したRead、Write、Copyにおける1秒間の各転送バイト(KByte/秒)を平均して記載。
  • テスト環境はWindows XP Professional、Pentium M 1.50GHz、メモリ1GBのノートPC。
  • PCカードアダプタには32bit CardBus対応の飛鳥「CF-32A」(ドライバVer.1.13.26.0)を使用した。

各カードの転送速度(KByte/s)
  容量 発売元 Read Write FileCopy
Extreme III 2GB サンディスク 11,449 7,855 2,258
Professional 2GB レキサー 9,288 7,197 1,373
ATP ProMax 2GB ケンコー 6,726 4,034 377
RCF-GP 2GB バッファロー 5,229 3,868 927


まとめ

 カメラへの書き込み速度は、EOS 5D、D200ともレキサー・メディアのProfessionalをしのぎ、Extreme IIIに迫る結果になった。上級者向けの2ブランドと比べても遜色のない、トップクラスの速度が得られたといえる。

 一方、PCカードアダプタでの計測では少々振るわない。PC本体やアダプタとの相性も考えられるが、一定量のバッファを持つ最近のデジタル一眼レフカメラに対し、PCへの転送速度は、作業時間全体に影響するケースも考えられる。もっとも、テスト環境の場合、CFで理論値通りの速度が出たケースはまだない。

 価格は2GBで49,800円前後と見られ、Extreme IIIと大差ない店頭価格になりそうだ。ともあれ、サンディスク、レキサー・メディアといった2強以外からも高品位なCFが出てきたことは喜ばしい。価格面での積極的な展開にも期待したい。



URL
  ケンコー
  http://www.kenko-tokina.co.jp/
  製品情報
  http://www.kenko-tokina.co.jp/ATP/

関連記事
ATP工場見学記(2)(2006/02/01)
ケンコー、転送速度22.5MB/secの「ATP ProMax CFカード」(2006/01/25)


( 本誌:折本 幸治 )
2006/02/23 00:05
デジカメ Watch ホームページ
・記事の情報は執筆時または掲載時のものであり、現状では異なる可能性があります。
・記事の内容につき、個別にご回答することはいたしかねます。
・記事、写真、図表などの著作権は著作者に帰属します。無断転用・転載は著作権法違反となります。必要な場合はこのページ自身にリンクをお張りください。業務関係でご利用の場合は別途お問い合わせください。

Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.