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SILKYPIX Developer Studio Pro高速化バージョンを試す

Reported by 本誌:関根慎一

SILKYPIX Developer Studio Pro
 市川ソフトラボラトリーの「SILKYPIX Developer Studio Pro」は、RAW現像ソフト「SILKYPIX」シリーズの最上位製品。周囲に映り込んだ不要物を周囲のピクセル情報で補完し消去する「スポッティングツール」をはじめ、自動覆い焼き機能やバッチ現像などの機能を備えている。

 下位製品の「SILKYPIX Developer Studio 4.0」には無い便利な機能が売りなのだが、その一方で処理が重いという声もあった。

 4月に入り、「テスト版」として公開していたSILKYPIX Developer Studio Proの高速化バージョンが、15日に正式版としてリリースされた。

 高速化バージョンではマルチコアCPUへの最適化を施し、操作パネルの応答性や現像処理などの各種挙動を高速化したと謳っており、実際にどの程度高速化したのかは気になるところだ。

 今回は高速化前後のバージョンで、それぞれどの程度速度に差が出ているかを比較してみた。

 比較に使用したPC環境は、Windows XP Professional SP3、Core 2 Duo E8500、メモリ4GB、GeForce GTX295搭載のデスクトップPC。SILKYPIX Developer Studio Proのバージョンは、高速化前が4.0.15.4、高速化後が4.1.17.1。どちらも市川ソフトラボラトリーのWebサイトからダウンロードすることができる。


●起動時間


高速化前 高速化後

 約7秒ほどかかっていた起動時間は、高速化後には約3秒で起動するようになった。

 動画作成当時はPCにほとんど負荷がかかっていない状態だったので、常に3秒前後の起動時間が望めるとまではいかないだろうが、単純に起動時間が以前よりも短縮している点は評価できるだろう。


●ズームイン/ズームアウト


高速化前 高速化後

 わずかな差ではあるが、できるだけ負荷をかけるため、マルチビューにしてズームイン/ズームアウトを行なった。

 どちらもズームアウト時に若干のカクつきが認められる。高速化後の方がカクつきが緩和されているように見えるが、違いは微々たるものといえそうだ。


●現像


高速化前 高速化後

 現像した画像は、ペンタックスK-mで撮影した3,872×2,592ピクセルのRAWデータ。高速化前に1コマ現像を行なうと、1コマにつき約4秒かかっていたのが、高速化後は3秒弱で処理できた。

 また、バッチ現像で60枚のRAWデータを現像し、すべての画像を処理し終わるまでの時間を計ったところ、高速化前は3分45秒、高速化後は2分40秒という結果になった。


●スポッティングツール


高速化前 高速化後

 スポッティングツールでは、高速化前と高速化後で、如実に挙動の変化が見て取れる。

 選択領域を移動するカーソルの動きを見ると、高速化前は明らかにカクついているが、高速化後はかなりスムーズに移動しているように見える。また、矢印を選択して消去しているときにかかった処理時間も、高速化後の方が短い。


●まとめ

 アプリケーションの挙動は、コンマ数秒の遅延であっても大変気になるもの。特にSILKYPIXのような現像ソフトは大きな負荷を伴う処理が多く、しかも結果を見て微調整を重ねるので、フェーダーを動かしたり、パラメータを入力したりする際に素早く変更が反映されることは重要な要素だといえる。

 今回のアップデートでは挙動の改善という点に主眼が置かれ、実際に以前のバージョンよりも軽快に動作するようになったのは間違いなく、新たな要素こそ無いものの、ユーザーの実利、使い勝手という点で意味のある更新だと思う。今後のバージョンアップにも期待したい。



URL
  市川ソフトラボラトリー
  http://www.isl.co.jp/
  SILKYPIX Developer Studio Pro スペシャルサイト
  http://www.isl.co.jp/SILKYPIX/japanese/special/dsp/

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本誌:関根慎一

2009/04/22 11:44
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