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【新製品レビュー】コニカミノルタ α Sweet DIGITAL(画質評価編)
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~CCDシフト方式手ブレ補正機構搭載の普及機
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Reported by
根本 泰人
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ここに掲載した画像は特に注釈のない限り、画素数は最大サイズ約610万画素(3,008×2,000ピクセル)、ISO100固定、測光は14分割ハニカムパターン測光、画質はエクストラファイン(一部ファイン)、色空間はsRGB、画像仕上げ設定はナチュラル、彩度・コントラスト・シャープネスはすべて標準、ホワイトバランスはAWB(オート)である。レンズは特記のないものはすべてAF DTズーム 18-70mm F3.5-5.6(D)を使用した。また三脚に固定していない場合、手ブレ補正ONで撮影している。
■ レンズ性能
※作例のリンク先は、特に記載がない限り、撮影した画像そのものです(ファイル名のみ変更しています)。縦位置のものは、サムネールのみ回転していますが、拡大画像はあえて回転せずに掲載しています。クリックすると撮影した画像が別ウィンドウで表示されます。
最初にレンズキットとして発売されているAF DTズーム 18-70mm F3.5-5.6(D)の性能を見てみることにする。
【画角変化】
広角端18mmは35mm判換算で27mm相当、望遠端70mmは同じく105mm相当である。広角27mm相当から105mm相当まで約4倍のズーム比があり、一般的な撮影ではとても使いやすい焦点距離である。レンズキットのズームとしてこれ1本でも、さまざまなシーンの撮影に活用できるだろう。
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【広角端】
18mm / F10 / 1/125秒
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【望遠端】
70mm / F10 / 1/200秒
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【広角端】
18mm / F10 / 1/500秒
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【望遠端】
70mm / F10 / 1/640秒
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【建物テスト】
三脚に固定して建物を撮影し、絞りによる描写性能の違いについて検討した。画質はファインである(操作上の手違いから)。
このレンズは各焦点距離で、絞り開放から周辺部まで良く像が整っているのが印象的だ。特に望遠側は優秀で、絞り開放から隅部まで安定した画質でシャープである。広角側では絞っても四隅にわずかな甘さが残るが、画面の大部分は均質だ。ただ少し解像感が足りず、もう少し全体にシャープさが欲しい。色にじみは広角側でわずかに目立つ程度。周辺減光の少なさは特筆もので、歪曲収差も広角側で樽型が少し目立つが望遠側の糸巻き型はかなり少ない。画質が良いため、絞りをF8以上にしぼっても画質の改善はほとんどないので、被写界深度を深くする必要がある場合以外は、レンズの解像力を生かすために絞りすぎないようにしたい。
このようにトータルの性能でみると、3万円という標準価格としては実によく頑張ったと言える高性能レンズだ。
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【F3.5】
18mm / F3.5 / 1/4秒 / 画質ファイン
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【F5.6】
18mm / F5.6 / 1/2秒 / 画質ファイン
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【F8】
18mm / F8 / 1秒 / 画質ファイン
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【F11】
18mm / F11 / 2.5秒 / 画質ファイン
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【遠景テスト】
周辺光量の低下を確認するため、広角端において遠景での撮影テストを行なった。その結果、このレンズはF3.5開放で周辺部の光量低下がわずかにあるが、F5.6まで絞ればほぼ解消することがわかる。27mm相当の広角ズームとして優秀であると言える。
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【F3.5】
18mm / F3.5 / 1/2,500秒 / 画質ファイン
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【F5.6】
18mm / F5.6 / 1/1,000秒 / 画質ファイン
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【ボケ味】
レンズのボケ味を見るため、いろいろな条件で絞りとボケの変化をみてみたが、結果は広角端も望遠端も比較的素直なボケ味であった。ズームレンズの中には後ろのボケが円を描くような感じになるなど、ボケ味が汚くなるものがあるが、このズームはそうした癖は認められない。ただ作例の50mmの画像では、背景のボケの光斑で円盤の中心に光点がある独特の形になることに気がついた。
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【18mm】
18mm / F3.5 / 1/1,250秒 / 画質ファイン
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【50mm】
50mm / F6.3 / 1/125秒 / 画質ファイン
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【70mm】
70mm / F5.6 / 1/160秒 / 画質ファイン
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18mm / F11 / 1/320秒 / 画質ファイン
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【逆光】
雲の晴れ間からの太陽を画面に入れて撮影し、ゴーストなどの発生があるか調べてみた。その結果、特に目立った問題は認められなかった。そのほかの逆光気味の撮影でも、すっきりとした描写であった。逆光には強いようである。
【歪曲収差】
2mほどの距離の壁面を撮影した。ファインダーではフレームにあわせて水平に撮影したはずだが、撮影結果は左下がりになっている。ファインダーの狂いか、あるいはCCDの取り付けの傾きだと思う。
さて、広角端では陣笠型(中心では樽型にふくらむが周辺部では直線に戻る)の歪曲がやや目立つ。望遠端ではごく軽い糸巻き型の歪曲でほとんど目立たない。これは建物テストと同じ傾向である。
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【広角端】
18mm / F6.3 / 1/60秒
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【望遠端】
70mm / F5.6 / 1/100秒
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【まとめ】
このレンズは各焦点距離において絞り開放から周辺部まで比較的良く像が整っており、解像度も高くシャープで、ボケ味は素直である。周辺減光もあまり目立たず、歪曲収差も少ない。総合的に見て描写性能が高次元でバランスした高性能レンズである。どのような状況でも安心して撮影することができる。繰り返しになるが標準価格が3万円とは驚きである。このレンズはお買い得である。
■ 画素数変化
画像サイズは取扱説明書によると、ファインモードで6M時が3MB、3M時が1.7MB、1.5M時が850KBである。作例では実測で順に約2.6MB、約1.6MB、約880KBであった。説明書によればRAWは約8.8MBで、実測でもそのとおりであった。
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【6M / 3,008×2,000ピクセル】
18mm / F10 / 1/250秒
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【3M / 2,256×1,496ピクセル】
18mm / F10 / 1/250秒
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【1.5M / 1,504×1,000ピクセル】
18mm / F10 / 1/300秒
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■ 画質(圧縮率)変化
JPEGはエクストラファイン(約1/3)、ファイン(約1/6)、スタンダード(約1/12)の3種類の圧縮率設定が可能。それぞれ600万画素時のデータ量の目安は約5.9MB、約3MB、約1.8MBであるが、作例画像の実際データサイズは順に約4.6MB、約2.5MB、約1.4MBであった。
なおモニター上で圧縮率の異なる画像の違いを観察すると、100%(ピクセル等倍)では3者の間の差はわからない。300%程度に拡大すると、スタンダードでは建物と空の境界の部分や木の枝の部分に、圧縮にともなうノイズと画像の乱れがわずかに発生していることがわかるが、ファインとエクストラファインの差はわずかで、一般的な撮影ならば記録サイズが遙かに小さいファインモードでも十分良い画質のプリントが得られるであろう。もちろん、妥協せず最良の画質を得たいならばエクストラファインモード、さらにはRAWで撮影して後処理ということになる。
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【エクストラファイン】
18mm / F10 / 1/200秒
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【ファイン】
18mm / F10 / 1/200秒
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【スタンダード】
18mm / F10 / 1/200秒
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■ ISO感度変化
撮像感度はISO100~3200まで6段階が設定可能である。もっとも低感度のISO100の画像はノイズがほとんど認められないが、ISO400になると建物の白色の壁や影などにわずだがノイズが乗ってくる。作例では、建物中央部の日陰になった白い壁を拡大するとよくわかる。
感度が上がるにつれてノイズははっきりし、ISO1600になると100%の拡大率でもノイズがわかるようになり、ISO3200では画面全体にややざらざらした感じになってしまうが、拡大率が少ないと目立たない。
この結果を見る限り感度をあげても比較的ノイズが目立ちにくいが、ISO800かできればISO400までで撮影すれば、ノイズが気になることはあまりないだろう。もちろん、最良の結果を得たいならISO100~200の範囲で撮影すると良い。
なおゾーン切り替えモードも試してみた。その結果LO80で撮影すると、暗部が明るく表現される。HI200で撮影すると、すこし画像のコントラストが落ちてフラットな感じになった。
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【ISO100】
18mm / F10 / 1/200秒
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【ISO200】
18mm / F10 / 1/320秒
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【ISO400】
18mm / F11 / 1/620秒
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【ISO800】
18mm / F11 / 1/1,000秒
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【ISO1600】
18mm / F13 / 1/1,250秒
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【ISO3200】
18mm / F14 / 1/2,000秒
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【ゾーン切り替え / LO80】
18mm / F10 / 1/125秒
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【ゾーン切り替え / HI200】
18mm / F10 / 1/400秒
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今度はもっと条件の厳しい夜景撮影で、ISO感度変化とノイズの変化を調べてみた。
ISO100ではノイズはほとんど認められず、とても綺麗な夜景が撮影できている。ISO200でも同様にノイズはほとんど目立たない。ISO400では暗部や淡い光の光芒にノイズがわずかに認められるようになる。ISO800になるとノイズが全体に現れてくるが、全体的にはまだ十分きれいである。ISO1600、3200と感度が上がるにしたがいノイズがさらにはっきりしてくる。しかしISO3200でもノイズの乗り方が穏やかで目立ちにくい感じのため、画像の品位が保たれている。
ゾーン撮影モードも試してみた。その結果LO80で撮影すると、暗部が明るく表現され、夜景全体が明るく美しく撮影できた。ノイズも目立たないので、夜景撮影ではこのモードも活用すると良いのではないだろうか。HI200で撮影すると、すこし画像のコントラストが落ちて、これも少し明るい感じになった。
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【ISO100】
18mm / F3.5 / 1/1.3秒
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【ISO200】
18mm / F3.5 / 1/2秒
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【ISO400】
18mm / F3.5 / 1/5秒
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【ISO800】
18mm / F3.5 / 1/8秒
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【ISO1600】
18mm / F3.5 / 1/15秒
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【ISO3200】
18mm / F3.5 / 1/25秒
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【ゾーン切り替え / LO80】
18mm / F3.5 / 1.3秒
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【ゾーン切り替え / HI200】
18mm / F3.5 / 1/2.5秒
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■ 画質調整
α Sweet DIGITALには「画像仕上げ」という設定があり、撮影シーンに適した絵作りを自動的に行なってくれる。さらにその設定の中で、彩度、シャープネス、コントラストを+2~-2の間で5段階に調整できる。以下は画像仕上げの設定を変更した画像を順に示す。作例はすべて18mm / F10 / 1/320秒で撮影している。
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【ナチュラル】
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【ナチュラル+】
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【ポートレート】
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【風景】
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【夕景】
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【夜景】
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【夜景ポートレート】
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【モノクロ】
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【Adobe RGB】
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【Adobe RGB(ICC)】
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次に画像仕上げをナチュラルに設定し、コントラスト、彩度、シャープネスの各項目について、+2、±0、-2に設定した画像を示す。
【コントラスト】
【彩度】
【シャープネス】
■ ホワイトバランス
ホワイトバランスのマニュアル設定は昼光、日陰、曇天、白熱灯、蛍光灯、フラッシュ、とカスタム設定、色温度設定が可能である。さらに個別(蛍光灯をのぞく)に約10ミレッド単位で微調整が可能で、蛍光灯の時には7種類の蛍光灯に対応できるようになっている。
最初の作例は晴天時の午後1時半頃の屋外で撮影したものだが、オートと昼光とでもやや発色が異なることがわかる。作例はすべて18mm / F8 / 1/500秒で撮影している。
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【オート】
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【昼光】
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【日陰】
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【曇天】
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【白熱灯】
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【蛍光灯(白色蛍光灯)】
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【フラッシュ】
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続いて室内の蛍光灯下での撮影結果を示す。照明はナショナルのパルック昼光色蛍光灯である。撮影の約1カ月前に蛍光管をすべて新品に換えたばかりだが、蛍光灯を覆う白色ディフューザーの影響で色温度が偏っている可能性もある。モデルはロシアカメラ研究家ゾルキー内田氏、手にしているカメラは弊社で整備したばかりのナーゲル・ピュピレである。作例はすべて24mm / F5.6 / 1/13秒、撮像感度はISO200で撮影している。
7種類の蛍光灯の設定とオートで撮影してみたが、蛍光灯といってもそのホワイトバランスの違いの大きさに驚かされる。今回の条件では、昼白色の設定が一番自然に感じられた。オートではやや黄色みが強いが、しかしどの蛍光灯の設定にしたらよいかわからない、あるいは迷った場合には、オートで撮影するのが無難であろう。
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【オート】
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【電球色蛍光灯】
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【温白色蛍光灯】
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【白色蛍光灯】
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【昼白色蛍光灯】
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【昼白色蛍光灯(三波長)】
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【昼光色蛍光灯】
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【昼光色蛍光灯(三波長)】
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さまざまなシーンで撮影した感想としては、オートホワイトバランスでも比較的良い結果を示す場合が多い。厳密なホワイトバランスのマッチングを行ないたい場合には、カスタム設定を活用するか、RAWモードで撮影して「DiMAGE Master Lite」などでRAW現像する際に細かく調整するということになる。
■ 測光モード
14分割ハニカムパターン測光、中央部重的平均測光、スポット測光のそれぞれで撮影した結果は、次のとおりである。このような画面にあまり明暗の違いがないシーンでも、わずかずつ画面の明るさが異なることがわかる。Exifに記録されている露出データは、3つとも同一だが。作例はすべて18mm / F10 / 1/320秒で撮影している。
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【14分割ハニカムパターン測光】
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【中央部重的平均測光】
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【スポット測光】
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■ 連写
連写速度とAF動作を調べるため、電車のホームへの進入時の様子をスポーツモードで撮影してみた。結果は、スタートして6コマまでは連続的に切れたが、7コマ目以降は内蔵メモリーバッファがいっぱいになり、メモリーカードに書き込んでから次のシャッターが切れるため、撮影間隔が開いてしまい、もっと近づいた状態は撮影できなかった。絞りF9と絞り込んでいて被写界深度も深いこともあり、すべてのコマでピントは合っている。すべて70mm / F9 / 1/500秒、撮像感度はISO200で撮影している。
■ 手ブレ補正効果の検討
α DIGITALシリーズカメラの最大の特徴である、ボディ内蔵CCDシフト方式手ブレ補正機構「Anti-Shake」の性能をテストしてみた。
室内でのテストとしては、α Sweet DIGITALにDT 18-70mmを装着し、最長焦点距離の70mm位置(35mm判換算105mm)で、室内の写真パネルを手持ち撮影した。この時の撮影データは絞りF5.6開放で1/8秒であった。一般的に35mm判換算焦点距離分の1のシャッター速度未満では手ブレが発生しやすくなるとされている。つまりこの条件下で手ブレ補正なしに確実に写すためには、1/125秒以上の高速でシャッターを切りたいところである。1/8秒では4ステップも遅く、ほぼ確実に手ブレすると予測できる。
まず、Anti-ShakeをOFFで撮影したところ、20コマ撮影して止まっていたコマはゼロであった。100%手ブレしてしまったわけである。これに対してAnti-ShakeをONにすると、30コマ撮影した中で12コマはきっちりと静止していた。つまり40%の歩留まりであった。確実に効果が認められた。
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【手ブレ補正OFF】
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【手ブレ補正ONでぶれた状態】
ブレの量が少なくなる
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【手ブレ補正ONで静止した状態】
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次に屋外でAF アポテレズーム 100-400mm F4.5-6.7を使用し、最長の400mm(35mm判換算600mm)で壁面を撮影した。この条件では1/600秒以上、できれば1/1,000秒以上でシャッターを切りたいところであるが、今回のテストでは1/125秒で撮影した。結果はAnti-ShakeがOFFでも38コマ中9コマが静止していて、歩留まりは約24%であった。Anti-ShakeがONでは、44コマ中26コマ静止し、歩留まりは約59%と倍以上の効果があった。
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【手ブレ補正OFF】
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【手ブレ補正ONでぶれた状態】
ブレの量が少なくなる
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【手ブレ補正ONで静止した状態】
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以上の数値はひとつの目安にすぎないが、それでも確実に効果があることがわかる。やはりデジタル一眼レフでも、撮影条件が厳しい場合、手ブレ補正機能はシャープな写真を得るためにきわめて有効に機能する。またブレてしまっている写真でも、ブレの量は確実に少なくなっている。現時点ではCCDシフト方式でもレンズシフト方式でも効果はほぼ同等と言えるようで、ほとんどすべてのレンズで手ブレ補正が有効に働くというAnti-Shakeには大きなアドバンテージがある。
■ 一般作例
今回はカメラの貸出期間中に、浅草で恒例のサンバカーニバルがあり、その撮影結果を作例とした。レンズはAF DTズーム 18-70mm F3.5-5.6(D)と、知人から借用したAF アポテレズーム 100-400mm F4.5-6.7である。開放F値が暗めのズームだが、α Sweet DIGITALの手ブレ補正機能の助けを借り、かつシャッター速度を高速にすれば、手持ちでの撮影も可能と判断した。また実際、サンバカーニバルは被写体が激しく動き回っていて、三脚に固定して撮影するのでは構図の自由がまったくきかない。そもそも、驚くほどの人混みの中で三脚を立てることは困難である。
そうした中でカメラの大砲列を横目に見つつ、自分の撮影ポジョンをどのように確保するのかとか、何時間もの長丁場の間、気力をどう維持するかなど、良い写真を撮るためにはいろいろなノウハウが求められる。
実は今回の撮影はそこまで気負ったものではなく、私の浅草の事務所から来客のないタイミングに外へ出て、たまたま到来したサンバチームの写真を何度か撮影したものである。とはいっても合計で600コマ以上撮影した。デジタルの良いところは後処理コストを気にせずどんどん撮影できることであり、サンバカーニバルではともかく良いチャンスを求めてシャッターを切り続けた。もちろん人垣を避けて撮影する手段は用意した。
カメラを手にして2日目であったため、まだカメラの操作に慣れず、最初はかなりとまどった。最後まで不満だったのは、ローカルフォーカスフレームが背景にとけ込んでとてもわかりにくいことだった。結局、AFはセンターの1点固定にしてフォーカスロックしながら撮影したものが結果が良かった。35mm判換算で500mm前後の焦点距離を多用したので、手ブレ補正機能は常時ONにした。ただし被写体が高速で動き回っているため、シャッター速度自体も相当速くする必要があり、手ブレへの心配はその点からも少なかった。全ショット手持ち撮影であったが、やはり慣れないカメラでもあり、歩留まりは良くなかった。
以下、使用レンズはDT 18-70mmとAF アポテレ 100-400mm、画像仕上げは注記のないものはナチュラル、AWB、他はすべて標準、画質はファインである。
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すごい人出である。カメラを手にしている人の大半は、デジタルカメラで撮影していた
18mm / F9 / 1/80秒
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カーニバルの始まりはひっそりとしたものだが……
50mm / F11 / 1/125秒
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やはりお姉さんが登場すると盛り上がる。向こう側でもいっせいにシャッターを切っている
180mm / F5.6 / 1/500秒
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ユニークなキャラクターの登場。実はサンバカーニバルは、お姉さん以外の参加者のほうがはるかに多い
100mm / F6.3 / 1/320秒
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ブラスバンド隊の演奏の善し悪しも、最終順位に影響がある
210mm / F6.3 / 1/500秒
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35mm判換算で300mm程度の望遠でも背景が写りこんでわずらわしい。これはやや前ピン
210mm / F6.3 / 1/1,000秒
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拡大すると被写体ブレしていることがわかる。残念
210mm / F6.3 / 1/1,000秒
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スポーツモードで撮影。35mm判換算で420mm相当
280mm / F7.1 / 1/800秒
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きまった!! 少しアンシャープマスクをかけてA3ノビで印刷すると美しいプリントになる
210mm / F6.3 / 1/1,000秒
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見ているだけで楽しくなってくるオジサン。このレンズはなかなかシャープだ
200mm / F6.3 / 1/640秒
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35mm判換算で500mm相当くらいになると、背景がぼけてわずらわしくなくなる
330mm / F6.3 / 1/400秒
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35mm判換算で600mm相当。1/50秒では被写体が止まらない
400mm / F6.3 / 1/50秒
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よくこれだけのコスチュームを作って参加するものだと感心してしまう
210mm / F6.3 / 1/500秒
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ウシ……
210mm / F6.3 / 1/500秒
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目線が合うと嬉しい(笑)
150mm / F6.3 / 1/320秒
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日陰になったのが残念
400mm / F6.3 / 1/320秒
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王様も素敵。少しピンぼけ
280mm / F6.3 / 1/640秒
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白地が多いと、露出がアンダー気味になることがある
210mm / F6.3 / 1/250秒
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サンバカーニバルらしいコスチューム
330mm / F6.3 / 1/200秒
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■ プリント時の画質評価
α Sweet DIGITALで撮影したJPEG画像を、いつも評価に使用しているエプソンのPX-G900とPX-G5000を使用してプリントした。プリントはカメラ付属の「DiMAGE Viewer / Master」 や「Photoshop CS2」などから行なった。
まずA4サイズ以下のプリントについては、文句なく鮮明なプリントが得られた。今回はレンズキットのAF DTズーム 18-70mm F3.5-5.6(D)と、サンバカーニバルを撮影したAF アポテレズーム 100-400mm F4.5-6.7での撮影結果をプリントしたが、細部まで良く解像している。また発色は鮮やか目で、色の純度が高く美しい。さらに画像処理ソフトで自分の好みの画質に調整すれば、より満足のいくプリントが得られるだろう。
G-5000でA3ノビに印刷した場合であるが、これも高品質なプリントである。ただし18-70mmの撮影結果は、近くで観察するとやや甘い感じになり、画像処理ソフトでアンシャープマスクを強めにかけても、広角側ではあまり改善しない。これはレンズ性能の問題のようだ。100-400mmでの撮影結果は、プリントをごく近くで観察しても鑑賞にたえる画質があった。細部まで鮮明だし、発色も美しい。何人もの写真関係者に、このA3ノビのプリントを見てもらったが、非常に評判が良かった。
α Sweet DIGITALからのプリントは、これだけの品質があれば多くの人が満足することであろう。特に発色がきれいに感じられるのがよい。ライバル機に見劣りすることはないだろう。
■ 総評
銀塩機「α 7000」でAF一眼レフ時代を切り開いたコニカミノルタだが、デジタル一眼レフへの参入は遅れに遅れ、ようやく昨年α-7 DIGITALを世に送った。そのカメラはカメラグランプリ2005を受賞し、コニカミノルタの実力を世に示したわけだが、他社が低価格普及機で攻勢をかけている中では存在感は薄いと感じていた。しかしようやくこのα Sweet DIGITALで、普及機クラスに製品を投入し、ライバル他社と戦う姿勢を示したと言える。
このカメラの完成度はなかなかのものであろう。手にした感じや各部の操作感などは品質を感じさせるものだ。ただし低めのファインダー倍率、高級とは言い難い作動音は価格相応ということで、納得するしかないだろう。
個人的に気になったのは、AFのローカルフレームが視認しにくい点と、一部の操作系の動作が重いこと、ささいなことかもしれないがAnti-ShakeをONにして長時間使用するとボディ背面が熱を持つことである。
しかしライバル機にはないCCDシフト方式の手ブレ補正機能Anti-Shakeは確実な効果があるから大いに魅力があり、特にすでにαレンズを所有している人には多大なメリットがある。またこのクラスでも標準になりつつある2.5型大型液晶を採用していることや、基本的な性能は上級機のα-7 DIGITALとさほど変わりがないことなどもこのカメラの魅力だ。そして撮影された画像の品質が良いことも、重要なポイントである。
コニカミノルタの銀塩一眼レフユーザーにとって待ちに待ったデジタル一眼レフカメラであると言える本機は、その期待に十分応えることができるカメラである。
なおレンズキットに付属する18-70mmは、3万円という低価格にもかかわらず焦点距離のレンジが広く、その上全域ですぐれた描写性能を持った標準域ズームで、本機との組み合わせで大いに活躍することだろう。解像度がもっと高くなれば申し分がない。
■ URL
コニカミノルタ
http://konicaminolta.jp/
製品情報
http://konicaminolta.jp/products/consumer/digital_camera/a_sweet_digital/
レンズ交換式デジタルカメラ機種別記事リンク集(α Sweet DIGITAL)
http://dc.watch.impress.co.jp/static/link/dslr.htm#a_sweet
■ 関連記事
・ コニカミノルタ、CCDシフト手ブレ補正搭載入門機「α-Sweet DIGITAL」(2005/07/15)
2005/10/20 00:10
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