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FinePix F30【第2回】 |
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Reported by
本誌：折本 幸治
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3機種のわかりやすい特徴を簡単におさらいすると、F30は唯一の1/1.7型スーパーCCDハニカムによる高感度での画質。800 ISは手ブレ補正と4倍ズーム。FX01は28mm相当から広角ズームレンズと手ブレ補正といったところ。F30が絞り/シャッター速度優先AEを備え、テクニカルな撮影用途に対応するのに対し、800 ISとFX01はオート主体で、コンパクトな外観も売りになっている。記録メディアはF30のみxDピクチャーカード。ほかの2機種はSDメモリーカードだ。 メニュー操作で最も使いやすく感じたのは、Fancボタンで主要設定を一度に表示するIXY DIGITAL 800 ISだ。画像サイズ、撮影モード、露出補正などを1画面で設定できるのは便利。ISO感度は別画面ながら、十字ボタン上でダイレクトに操作できる。 F30とFX01は、縦に並んだ項目から目指す設定を選ぶ一般的な形式。どちらも露出補正メニューをダイレクトに呼び出せるので問題ない。なおF30は、アイコンを主体にしていた前モデル「FinePix F11」よりも文字情報が多くなり、ずいぶん分かりやすくなった。 グリップ感は意外にも800 ISがよかった。右手側の微妙なふくらみが効いている。表面の質感も心地よく、いつまでも握っていたくなるほどフィットする。ということは、私にとってF30とFX01の突起状のアクセサリーは、あまり意味がないパーツなのかもしれない。シャッターボタンは大きめの800 ISが位置・軽さともにしっくりくる。次いでF30。FX01は固すぎて手ブレが心配。手ブレ補正があるので杞憂だと思うが。ボタンも小さく、個人的には「このカメラでたくさん撮るぞ」という前向きな心持ちに、なかなか至らなかった。 液晶モニターは、3機種とも2.5型で20万画素オーバー。F30がノングレア、800 ISとFX01がグレア処理となる。グレアといっても800 ISの場合、ほんのわずかに表面がツルっとしているだけで、映り込みは少ない。視野角性能は実用上ほぼ同等。普段使っているニコンD200に比べると、あまり広いとは感じられない。それだけに、FX01の「ハイアングルモード」が役立った。ローアングルモードも欲しいくらいだ。なお、3機種には液晶モニターの輝度を一時的に上げる機能がある。F30は十字ボタン上、800 ISはDISPボタンの長押しですぐ明るくなるので、使いどころを覚えれば大変便利だ。FX01はDISPLAY/LCD MODEボタンで表示されるメニューから選ぶ。
レスポンスはどの機種も問題を感じなかった。3機種とも沈胴レンズながら、起動は高速。撮影後の記録も高速で、瞬時にプレビューを表示する。メニューがもたつくこともない。 解像感はF30、800 IS、FX01の順に低くなる。こうして比べてみると、F30の中心部はシャープさはすごい。ただし、輪郭が不自然に感じることもあるし、焦点距離によっては周辺が若干流れ気味。F30はボケもきれいなので、絞り優先AEによる開放撮影が楽しい。ちなみにシャッター速度の上限は、F30とFX01が1/2,000秒、800 ISは1/1,600秒だ。 広角端での歪曲収差はFX01が目立つ。28mmからのズームレンズなので、ある程度は仕方がないと思う。逆光にもあまり強くなく、大きなゴーストがうっすらと現れることもあった。 F11で気になったパープルフリンジは、F30でも現れる。中心部なら絞ると消えることもあるが、最も絞ったF8で撮影しても、周辺にうっすらと残ることが多い。同じ条件の800 ISやFX01にはほとんど見られなかった。 高感度時の画質は、評判通りF30が高い。ただし、800 ISもかなり健闘していて、カラーノイズの粒が小さく、並びかたもあまり気持ち悪くない。輪郭が残っているのも好ましく、シーンによってはF30よりもしっくりくるかも知れない。FX01はISO200からカラーノイズが目立つ。ISO1600の高感度モードは、ディテールを大きく損なうので、メモ用途としても使いづらい。雰囲気を抑える程度の使い方になるだろう。やっぱりLUMIXは「手ブレ補正を信じて低感度でがんばる」という方向性になるようだ。 「思ったより3機種3様」というのが感想。800 ISはカメラとしての基本的な性能と画質のバランスがよく、操作性全般も隙がない。FX01の面白さは広角28mmズームにあるので、使い手の受け取り方によって評価が異なりそう。とかく同列に語られがちなコンパクトデジタルカメラだが、これからは認識を改めなければ、と思った。 このコーナーはF30が主役なので一応持ち上げておくと、やはりISO100以上の画質に秀でている印象。ほかの2機種からいわせれば、「高感度での不利は手ブレ補正で相殺できる」となりそうだが......。F-スタンダードでの自然な色合いも個人的に好みだ。液晶モニターのノングレア処理+輝度アップも、さりげなく使いごごちのよさに結びつている。 さらに、絞り/シャッター速度優先AEで細かい露出設定に対応できる点が心強い。高画質でかつユーザーのアイデアに対応できるF30。懐の深いデジタルカメラだと思う。 【2006年6月13日】IXY DIGITAL 800 ISにも液晶モニターの明るさを上げる「LCDブースター」や「ナイトビュー」機能があることを指摘いただきました。また、15秒までの長秒時の露光時間設定が利用できるため、低感度での夜景撮影も可能です。初掲載時の該当箇所を改めました。 ■ 3機種の比較 ※作例のリンク先ファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。一部にXMPによるレーティング情報やキーワードが含まれています。※写真下の作例データは、機種名/記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/ISO感度/露出補正値/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。
■ そのほか
■ ＵＲＬ 富士フイルム http://www.fujifilm.co.jp/ 製品情報(FinePix F30) http://fujifilm.jp/personal/digitalcamera/finepixf30/ キヤノン http://canon.jp/ 製品情報(IXY DIGITAL 800 IS) http://www.canon-sales.co.jp/camera/ixyd/800is/ 松下電器 http://panasonic.co.jp/ 製品情報(LUMIX DMC-FX01) http://panasonic.jp/dc/fx01/ 気になるデジカメ長期リアルタイムレポートバックナンバー http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm.htm ■ 関連記事 ・ 【河田一規のデジカメナビ】富士フイルム FinePix F30（2006/06/09） ・ 富士フイルム、ISO3200で撮影できる「FinePix F30」（2006/03/16） （ 本誌：折本 幸治 ） 2006/06/12 00:01
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