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ニコン COOLPIX P1【第3回】
ワイヤレスプリンターアダプター「PD-10」

Reported by 本誌:伊達 浩二


 COOLPIX P1と同時に発表されたワイヤレスプリンターアダプター「PD-10」が、ようやく発売された。5メガ機のCOOLPIX P2も同時発売されたので、これでCOOLPIXの無線LAN搭載機のラインナップが完成したことになる。

 10月21日の発売日に到着したので、接続方法などを中心にレポートしよう。なお、価格はオープンプライスだが、購入時は5,980円+10%ポイント還元だった。


PictBridgeプリンタを無線LAN接続

 PD-10は無線LAN対応のCOOLPIX専用のオプションで、現時点ではCOOLPIX P1/P2専用ということになる。簡単にいえば、PictBridge対応のプリンタを、無線LAN接続するためのアダプタだ。

 P1本体とPD-10を持っていれば、PictBridgeプリンタにワイヤレスで写真を印刷できる。P1とのインターフェイスはIEEE 802.11b/gで、接続はアドホックモードのみ、セキュリティはWEP 128bitのみとなっている。

 電源は単三電池2本で、プリンタのPictBridge用USB端子からも5V/100mAの供給が必要になる。バッテリ寿命はアルカリ乾電池で約120分とされている。

 パッケージには、本体、単三アルカリ電池2本、マニュアルが入っている。

 パッケージを開けてみると、PD-10の本体は想像していたよりも大きかった。マニュアルで確認すると、117×29.5×45.5mm(幅×奥行き×高さ)という大きさだ。ケーブルは50cm。

 操作できるのは「START」スイッチ1つで、「POWER」、「LINK」、「BUSY」の3つのLEDがある。

 マニュアルは、やけに厚みがあっておどろいたが、7カ国語分が1冊にまとめられているためだ。和文の部分は13ページしかないが、内容的にはこれで十分だった。


PD-10のパッケージの内容。単三アルカリ電池はデュラセルブランドの製品が入っていた PD-10本体。3つのLEDと1つのスイッチだけのシンプルな操作面 単三電池を2本使用する

COOLPIX P1本体に近い大きさがある 厚みもそれなりにある

P1に接続先を登録

 PD-10の初期設定はかなり簡単で、PCも必要としない。

 まず、PD-10に電池を入れ、プリンタのPictBridgeコネクタに接続する。今回使用した、キヤノンPIXUS 990iは、PictBridge用のコネクタが本体前面にあるので、そこに接続した。接続したら、PD-10のSTARTボタンを押して電源をONにする。

 続いてP1のモードダイヤルを無線LANアイコン(ワイヤレス転送モード)に合わせる。接続先選択のメニューが表示されたら、「MENU」ボタンを押すと、PD-10を探しに行く。

 PD-10が見つかったら、メニューにPD-10のSTARTスイッチを押せと出る。ここで気をつけるのはSTARTボタンは長押しすること。マニュアルでは、2秒押すように指定されている。初期設定の1回だけとはいえ、ここは「Connect」など別のボタンがあった方がわかりやすかったと思う。

 接続がうまくいくと、P1の液晶に「Printer1に接続しますか」と確認が表示されるので、「はい」を選択する。これで、P1にPD-10が登録される。

 ちなみに、前回書いたように、P1に登録できる接続先は最大9つまでで、その1つとなる。PD-10側は最大50台までのカメラを登録できる。


PIXUS 990iのPictBridge用コネクタは、本体前面の電源スイッチ下にある
P1をワイヤレス転送モードで起動すると、「接続先選択メニュー」が表示される
接続先選択メニューで「MENU」ボタンを押すと、PD-10を探しに行く

PD-10が見つかると、PD-10のSTARTボタンを押すように表示される。
PD-10のSTARTスイッチを長押しすると、P1の登録が行なわれ、接続確認が行なわれる

無線LAN接続で42枚印刷可能

 実際に印刷するときは、接続先として「Printer1」を選択するだけで、PD-10に接続したプリンタから印刷ができる。

 PictBridgeの機能を使っているので、印刷時に操作できる範囲はあまりなく、操作メニューはプリントする画像の選択と用紙の選択ぐらいだ。

 実際にPIXUS 990iを使って印刷してみたが、初期設定ができていれば、印刷は非常に簡単にできる。基本的にPictBridgeで接続しているのと同じなので、やることと言えば、念のために用紙設定をL判に指定したことぐらいだ。

 画面を1つずつ選びながら印刷する場合も、前後の画像が表示されることと、液晶が大きめなので使いやすい。

 ただ、誤った画像をプリントアウトしかけて、キャンセルのOKボタンを押すと、単にプリントがキャンセルになるだけではなく、接続先選択画面まで戻ってしまう。ここから、再度プリンタへコネクトするのには十数秒を要するので、イライラする。


PD-10との接続ができると「ワイヤレスプリント」メニューが表示される 「プリント選択」を選ぶと、画像を確認しながら1枚ずつ印刷する 用紙設定メニュー。P1側で設定できるのはこれぐらい

 また、気になるのは、印刷中は常にP1の無線LANが通信状態になっていることだ。本体左側面の青いLEDはつきっぱなしだ。もちろんPD-10側も、LINKのLEDは常に点灯しており、BUSYのLEDも用紙送りのときに一瞬消えるぐらいで、あとはずっと点灯している。P1は、無線LANを使っている状態では、かなりバッテリの消耗が激しい。印刷時間中、ずっと通信をしているとなると、バッテリ寿命が心配になる。

 実際に、満充電したバッテリと、L判用紙を使って、何枚印刷できるかを試してみた。約2時間かけて42枚を印刷したところで、P1の電池が切れた。液晶には、「電池残量がありません。転送を中止しました」というメッセージが表示される。


PD-10のケーブルは50cmあるので、本体はプリンタ脇などに置ける
印刷中の状態。P1の青いLEDは着きっぱなし
約2時間印刷すると、P1のバッテリが切れる

ぜひ電池レスでの動作を

 PD-10の操作自体は簡単で、ワイヤレスで印刷できるというのもわかりやすいメリットだ。

 ただし、本体は常時携帯するには大きすぎるように感じる。また、単三電池を必要とすることも、電池の管理という面で面倒に感じる。

 これがプリンタのPictBridgeポートから供給される電源だけで動作すれば、電池寿命を気にする必要もなく、本体の大きさも小さくできるだろう。ちょうどワイヤレスマウスのUSB端子用モジュールぐらいになればすてきだろう。

 現状では、大きさと電源のことを考えると、「じゃあ、PictBridge用のケーブルを持ち歩いた方が楽なんじゃない」という質問を正面から否定できるかというと、ちょっと自信がない、というのが正直なところだ。

 P1にとっては、重要な周辺機器であり、せっかくの新しい試みでもあるので、改良が続くことを期待したい。



URL
  ニコン
  http://www.nikon.co.jp/
  製品情報(COOLPIX P1)
  http://www.nikon-image.com/jpn/products/camera/digital/coolpix/p1/
  製品情報(PD-10)
  http://www.nikon-image.com/jpn/products/accessory/digital/wirelesslan/index.htm#pd-10
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  http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm.htm

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( 本誌:伊達 浩二 )
2005/10/24 00:01
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