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コシナ「Planar T* 1.4/50 ZK」「Planar T* 1.4/85 ZK」

交換レンズ実写ギャラリー
Reported by 中村 文夫

50mm F1.4 / K10D / 3,872×2,592 / 1/250秒 / F4 / 0EV / ISO100 / WB:オート




左からPlanar T* 1.4/85 ZK、K10Dグランプリパッケージ本体に装着したPlanar T* 1.4/50 ZK
 今回紹介する2本のKマウントレンズは、ニコンF、M42マウントに次いでコシナが発売した一眼レフ用カールツアイスレンズだ。設計はドイツのカールツアイスが行ない、日本のコシナがカールツアイスの品質管理基準に基づいて製造している。

 最近のペンタックスは、ズームレンズを重視したレンズラインアップを展開している。したがって単焦点レンズの種類は少なく、特に大口径タイプは手薄である。今回、発売になった2本のレンズは、純正レンズの穴を埋める製品として存在価値が高い。これらのレンズはMF用だが、イメージサークルは35mmフルサイズをカバー。フィルムカメラ用レンズとしても利用できる。

 光学系は、以前から発売されているコシナ製カールツアイスレンズと共通である。Planar(プラナー) T* 1.4/50 ZK(50mm F1.4)は、京セラ時代の設計を踏襲した変形ガウスタイプ。使用しているガラスとコーティングも京セラ時代の製品と同じであるという。早い話が、ヤシカコンタックス用Planarの再来である。これに対しPlanar T* 1.4/85 ZK(85mm F1.4)は、京セラ時代のガラスが今では手に入らないため設計を一部変更。コーティングもこれに合わせてある。

 レンズマウントは、ペンタックスKAマウント。レンズ情報をバイナリーコードによってボディ側に伝えるための電子接点をマウント面に備えると同時に、絞り連動レバーの移動量で絞り羽根の開口量をコントロールする方式を採用している。そのため絞りリングをA位置に合わせるとボディ側から絞りの制御が可能である。この場合、ボディ側がマルチモードに対応している必要があるが、ペンタックスのデジタル一眼レフは、すべてマルチモードに対応。要するに、この2本のレンズは、デジタルカメラに組み合わせてすべての撮影モードが利用できる。

 ただしAFレンズと違ってROMは内蔵していない。したがってレンズ固有の情報がボディ側に伝わらないので、場合によっては正確な露出が得られないことがある。当然Exifにもレンズ情報は書き込まれない。なお、ボディ内手ブレ補正機構を搭載したK10D、K100D Super、K100Dでは、手動で焦点距離をインプットすれば手ブレ補正機構が利用できる。

 鏡筒は総金属製でブラッククローム仕上げ。F値や距離目盛り表示は刻印にペイントを施すなど、外観にも非常に手間をかけている。鏡筒も太めで、内面反射防止に気を使った高画質優先の設計である。さらにヘリコイドの感触もなめらかで、気持ちよくピント合わせができる。ただし、ツアイスイコンがかつて製造した高級一眼レフのコンタレックス用交換レンズのデザインを踏襲しているので、鏡筒表面はツヤのある仕上げ。そのためつや消し仕上げのK10Dに組み合わせると違和感がある。

  • 作例のリンク先のファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
  • 作例下の撮影データは、使用レンズ/使用ボディ/記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。
  • 強調のため一部の項目を1行目に抜粋した場合もあります。





50mm F1.4 / K10D / 3,872×2,592 / 1/4,000秒 / F1.8 / 0EV / ISO100 / WB:オート 50mm F1.4 / K10D / 3,872×2,592 / 1/2,000秒 / F1.4 / 0EV / ISO400 / WB:オート

50mm F1.4 / K10D / 3,872×2,592 / 1/125秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:オート 50mm F1.4 / K10D / 3,872×2,592 / 1/60秒 / F2.8 / -0.7EV / ISO100 / WB:オート




85mm F1.4 / K10D / 3,872×2,592 / 1/4,000秒 / F1.4 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光
85mm F1.4 / K10D / 3,872×2,592 / 1/3,200秒 / F2.2 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光

85mm F1.4 / K10D / 3,872×2,592 / 1/4,000秒 / F2.8 / 0EV / ISO160 / WB:オート
85mm F1.4 / K10D / 3,872×2,592 / 1/500秒 / F1.4 / 0EV / ISO160 / WB:オート




F1.4
50mm F1.4 / K10D / 3,872×2,592 / 1/1,250秒 / +0.3EV / ISO200 / WB:オート
F2
50mm F1.4 / K10D / 3,872×2,592 / 1/1,000秒 / 0EV / ISO200 / WB:オート
F2.8
50mm F1.4 / K10D / 3,872×2,592 / 1/500秒 / 0EV / ISO200 / WB:オート

F4
50mm F1.4 / K10D / 3,872×2,592 / 1/250秒 / 0EV / ISO200 / WB:オート
F5.6
50mm F1.4 / K10D / 3,872×2,592 / 1/125秒 / 0EV / ISO200 / WB:オート
F8
50mm F1.4 / K10D / 3,872×2,592 / 1/50秒 / +0.3EV / ISO200 / WB:オート

F11
50mm F1.4 / K10D / 3,872×2,592 / 1/25秒 / +0.3EV / ISO200 / WB:オート
F16
50mm F1.4 / K10D / 3,872×2,592 / 1/13秒 / +0.3EV / ISO200 / WB:オート




F1.4
85mm F1.4 / K10D / 3,872×2,592 / 1/2,500秒 / +0.7EV / ISO100 / WB:太陽光
F2
85mm F1.4 / K10D / 3,872×2,592 / 1/1,250秒 / +0.7EV / ISO100 / WB:太陽光
F2.8
85mm F1.4 / K10D / 3,872×2,592 / 1/640秒 / +0.7EV / ISO100 / WB:太陽光

F4
85mm F1.4 / K10D / 3,872×2,592 / 1/320秒 / +0.7EV / ISO100 / WB:太陽光
F5.6
85mm F1.4 / K10D / 3,872×2,592 / 1/160秒 / +0.7EV / ISO100 / WB:太陽光
F8
85mm F1.4 / K10D / 3,872×2,592 / 1/80秒 / +0.7EV / ISO100 / WB:太陽光

F11
85mm F1.4 / K10D / 3,872×2,592 / 1/40秒 / +0.7EV / ISO100 / WB:太陽光
F16
85mm F1.4 / K10D / 3,872×2,592 / 1/20秒 / +0.7EV / ISO100 / WB:太陽光





URL
  コシナ
  http://www.cosina.co.jp/
  製品情報(Planar T* 1.4/50 ZK)
  http://www.cosina.co.jp/seihin/co/zf-50/
  製品情報(Planar T* 1.4/85 ZK)
  http://www.cosina.co.jp/seihin/co/zf-85/

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中村 文夫
(なかむら ふみお) 1959年生まれ。学習院大学法学部卒業。カメラメーカー勤務を経て1996年にフォトグラファーとして独立。カメラ専門誌のハウツーやメカニズム記事の執筆を中心に、写真教室など、幅広い分野で活躍中。クラシックカメラに関する造詣も深く、所有するカメラは300台を超える。1998年よりカメラグランプリ選考委員。

2007/09/25 00:01
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