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【新製品レビュー】ソニーサイバーショットDSC-HX9V

〜高倍率ズーム・裏面照射型CMOS・60p動画・GPS対応の多機能モデル
Reported by 小山安博

 ソニー「サイバーショット」シリーズの新製品「DSC-HX9V」が登場した。コンパクトながら光学16倍ズームレンズを搭載した高倍率モデルの実力を見てみた。

 発売は3月11日。実勢価格は4万4,800円前後。カラーバリエーションはブラックとゴールド。


気軽に持ち歩けるコンパクトな高倍率ズーム機

 サイバーショットHXシリーズは、裏面照射型CMOSセンサー「Exmor R」を搭載した高倍率ズーム搭載モデルで、姉妹モデルとして光学10倍ズームレンズの「DSC-HX7V」、同30倍の「DSC-HX100V」がラインナップされている。

 その中間として位置づけられるDSC-HX9Vは、35mm判換算で焦点距離24-384mm相当(35mm判換算、以下同)の光学16倍ズームレンズを採用するモデルだ。広角端での24mmは、HXシリーズとして最も広角で、ズーム倍率が高いため、望遠端では384mm相当という望遠撮影が可能だ。レンズのF値はF3.3-F5.9と、それほど明るくはないが、非球面レンズ4枚を含む7群10枚構成のソニーGレンズを搭載しており、広角から望遠まで幅広い領域をカバーできるのがメリットだ。

光学16倍ズームGレンズを採用したDSC-HX9V。広角端の開放F値がF2.8クラスだとなお良かった 望遠端までズームしてもそれほどレンズの繰り出しは大きくない

 撮像素子は1/2.3型有効画素数1,620万画素Exmor R CMOSセンサー。裏面照射型CMOSセンサーのExmor Rは、高感度撮影地の画質に定評があるソニーのセンサーで、従来の有効1,220万画素からさらに高画素化している。画像処理エンジンの「BIONZ」も従来通り搭載しており、Exmor Rとの組み合わせで、特に高感度画質の向上が図られている。高画素化による解像感の向上はあるが、低感度のざらつきは従来通り残されているようだ。

 24-384mm相当というズーム倍率はとにかく便利。風景から遠くの被写体まで、普段のスナップから旅行のお供にも使い勝手は高い。光学式手ブレ補正を搭載するのは当然として、さらに広角端での手ブレ補正角度を10倍に拡大するというアクティブモードも搭載し、動画撮影時に強力な手ブレ補正を実現している。

MENUからアクティブモードか通常の手ブレ補正かを選択できる

 手ブレ補正の精度は高い。広角端であれば1/1.6秒くらいであれば、しっかり構えていれば手ブレせずに撮影できた。384mm相当の望遠端でも、1/5秒でブレずに撮れるなど、強力な手ブレ補正には安心感がある。手ブレ補正はシャッターボタン半押しで動作する仕組みで、特に望遠端で液晶を見ながら撮影していると、シャッターボタンを半押した瞬間に、今まで細かくブレていた画面がゆったりとした動きに変わり、その効果が体感できる。

 過信は禁物だが、静物の撮影であれば低感度で撮影することで、より高画質な撮影ができるのは便利。レストランで料理を撮影したいときなど、薄暗い場所で撮影をする場合などに役立つだろう。


使いやすさを向上させたボディ

 本体サイズは104.8×59×33.9mm、約245gで、ズーム倍率のせいか姉妹機のDSC-HX7Vと比べて厚みが5mmほど厚くなっている。全体のデザインはDSC-HX7Vと同様で、わずかながら膨らみがありラバーのはられたグリップを備えている。ボディに厚みがあり、レンズやグリップ、ダイヤル類などの凹凸が多いため、ポケットにすっぽり収まるカメラとはいいがたいが、16倍ズームレンズを備えていると考えれば十分にコンパクトだ。

 本体上部には、モードダイヤル、ズームレバー一体型のシャッターボタン、新設されたCUSTOMボタン、電源ボタンが搭載され、レンズのほぼ真上にステレオマイクが配置されている。ストロボはポップアップ式だ。

ボタン類は本体右側に集約されている 必要なときにポップアップするストロボ。電源オフ時には自動的に収納されるほか、オート撮影モードなどでは、十字キーで強制発光オフにもできる。もちろん手動で収納することも可能

 背面には、3型約92.1万ドットのエクストラファイン液晶を搭載。高コントラストで黒色の表現力が高いとされる「TruBlack」技術、反射防止用のARコートも採用されており、高解像度で見栄えが良く、鮮やかな液晶表示を可能にしている。

背面の液晶は見栄えが良く、快適に閲覧できる。縦位置で撮影した画像の再生時にヒストグラムが表示されないのは従来通りだが、本体を縦位置にすると画像が回転し、ヒストグラムが表示されるようになる、という少し謎の仕様
十字キー上に配置されたDISPボタンを押すと、画面表示を選択できる。今回から撮影情報と画面の明るさ設定の表示は別の画面になった UIの画面配色は3種類から選択できる

 背面には、動画撮影用のMOVIEボタン、再生ボタン、十字キー一体型のコントロールホイール、MENUボタン、削除ボタンが並んでいる。十字キーは上がDISP、右がストロボ、下がセルフタイマー、左が連写の割り当てとなっている。DSC-HX5Vまではあった十字キー左のスマイルシャッターがなくなり、連写に変更されたのは大きな変更。スマイルシャッター機能を日常的にオン・オフするよりも、連写に割り当てられたほうが使い勝手がよいと個人的には思う。

 本体上部には連写ボタンがあったが、ここに新たにCUSTOMボタンが追加されている。後述するように、ここに好きな機能を割り当てられるので、より操作の自由度が向上している。

本体上部にはステレオマイクを搭載している。CUSTOMボタンも新設されている CUSTOMボタンの設定画面。設定できる項目はそれほど多くはないが、よく使うような設定が選択できる

 右手で構えたときに親指を置く位置に、新たにラバー素材が貼りつけられており、従来よりも安定して構えられる印象。従来モデルのDSC-HX5Vと比べると、新たにコントロールホイールが採用され、MOVIEボタンの位置も親指の上に独立する形に変更されているのも特徴だ。

 DSC-HX7Vと同じく新たに搭載されたコントロールホイールは、わずかにクリック感があってなめらかに回転。MENUボタンで撮影設定を表示したときに、上下キーで縦方向に移動し、ホイール回転で横方向にカーソル移動をするなど、要所要所で素早い設定が行なえるようになっている。

 コンパクトな高倍率ズームだが、適度な厚みとグリップで構えやすいボディデザインとなっており、ボタン周りの改善でも、細かな使い勝手の向上を図っているようで好感が持てる。


高速AFと高速連写でシャッターチャンスを逃さない

 静止画撮影機能で注目は、最短約0.1秒という高速のAF機能だ。実際にカメラを構えてみると、常時AF合わせをしており、カメラを向けただけでピントが合う。さらに、シャッターボタンを半押してAF測距を行なうと、スカっとピントが合う。

 ソニーによればCMOSセンサーからのスルー画2枚を使って距離情報を算出し、そこに向けてフォーカスを合わせるというやり方で高速AFを実現。実際に試してみても、広角端から望遠端まで、高速なAFが可能で撮影は快適だった。

 さすがに望遠端で0.1秒という速度は難しいが、それでも不満のない速度でAFが合うので、シャッターチャンスを逃さずに撮影できる。レリーズタイムラグを考えると動きの速い被写体をきちんと捉えるのは難しいが、それでもAFが合わなくてシャッターチャンスを逃す、という事態は減りそうだ。

 新機能ではないが、「背景ぼかし」機能も従来通り搭載。被写体と背景の距離を測定して2枚の画像を撮影し、それを合成することで一眼レフカメラのように背景をぼかすという機能。合成する時間が必要だが、結果はリアルで違和感もなく、きちんと背景がボケてくれる。

モードダイヤルを回すとグラフィカルな画面が表示される。ただ、起動時間の公称約2秒も含め、全体的に動作がもう少し高速だとうれしかった 背景ぼかし機能では、最も背景がぼけやすい適切な距離が表示されるので、それに合わせると最適な結果になるようだ

 高速動作するCMOSセンサーと、画像処理エンジンBIONZを採用したことによる連写機能も従来通り。10枚/秒の連写速度で最大10枚記録の高速連写と、2枚/秒の連写で最大10枚記録まで撮影できる低速連写の2種類から選択できる。いずれも撮影後には記録時間が必要なため、高速連写の場合で1秒間、低速連写で5秒間の撮影のあと、連続して撮影できるわけではないので、ここぞというときに使うといいだろう。

 撮影された連写画像はグループとしてまとめられ、再生時には10枚が1つの画像として管理できる。面白いのが「傾け再生」機能で、連写画像表示中に中央ボタンを押し、本体を傾けるとその連写画像がパラパラマンガのように再生され、アニメのように画像を確認できて楽しい。

 連写と連写の間隔に時間が必要なのは、従来通りの難点ではあるが、CMOSセンサーを使いつつメカシャッターを採用するため、CMOSセンサー特有の動体歪みもなく、いざという時に役立つ機能となっている。


手軽に撮影できる3D撮影機能

 既存のサイバーショットでおなじみの「スイングパノラマ」機能も楽しめる。DSC-HX9Vの高速連写、合成機能を生かし、カメラを上下左右のいずれか1方向に振るだけでパノラマ写真が撮影できるという機能だ。

スイングパノラマ機能では、十字キーを押すことでスイングする方向が変えられるようになり、使い勝手が良くなっている

 広角端で最大245度の広いエリアを撮影できるのが特徴で、「顔・動き検出」にも対応しており、より精度の高いパノラマ写真の合成が可能だ。

 このスイングパノラマを生かし、右目用と左目用の2枚のパノラマ写真を撮影するのが3Dスイングパノラマ機能。HDMIケーブル経由で3D対応テレビにDSC-HX9Vを接続すると、この2枚の画像を使って3D画像を表示することができる。

3D撮影機能は3種類。NEXシリーズにも搭載されていた3Dスイングパノラマに加えて、手軽に撮影できる3D静止画、スイングマルチアングルの2種類が追加されている

 この機能はミラーレスカメラの「NEX-5」や「NEX-3」でも搭載されていたが、新しいのが「3D静止画」機能。パノラマ写真ではなく、通常の写真のサイズで3D画像を撮影できるというもの。スイングパノラマのようにカメラを振る必要もなく、そのままシャッターを押すだけ。通常の撮影と同じ方法で3D画像が撮影できる。

 もう1つは「スイングマルチアングル」機能。スイングパノラマのようにカメラを一振りして被写体を撮影するのは一緒だが、生成される画像は通常の画像サイズの3D画像となる。それに加え、カメラ内で3D画像が閲覧できる画像も生成され、連写画像と同様にカメラを傾けることで、擬似的に3Dに見える、という機能だ。

スイングマルチアングルで撮影すると、連写画像のようにグループ化された画像として表示され、十字キー中央を押して、左右に傾けると擬似的に3Dに見える

 実際に文字に書くと分かりにくいが、3D静止画もスイングマルチアングルも、被写体と背景の距離を離して撮影すると、きちんと3D画像が作成できる。特に3D静止画は1回のシャッターですみ、カメラを振ることもないので、より手軽に3D画像が撮影できる。3D対応テレビを持っているならば積極的に使ってみてもよさそうだ。


さらに向上した動画機能

 従来に比べて動画機能をさらに強化しているのも注目点だ。AVCHD形式のフルHD動画撮影が可能なのは従来通りだが、1,920×1,080/60iのフルHD動画の撮影に対応したことで、従来よりも滑らかな動画撮影が可能。ビットレートは最大24Mbpsで、欧州の法規制に対応するために1回の動画撮影時間は29分まで、ファイルシステムがFATのため1つの動画ファイルは2GBまでに制限されている。

動画フォーマットはAVCHDまたはMP4から選択できる

 このインターレース方式の動画に加え、プログレッシブ方式(60p)の動画記録にも対応。インターレース方式に比べて、1,920×1,080ドットの画像を60フレーム/秒で記録することで、動きの速い被写体でも滑らかに記録できる方式だ。こちらは最大ビットレート28Mbps。ただし、1,920×1,080/60pの記録方式は、AVCHD規格としては規定されていないソニー独自のものであり、そのままでブルーレイディスクに記録することはできないので、付属ソフトのPMB(Picture Motion Browser)で60iに変換する必要がある。

動画の画質は静止画撮影中も変更でき、MOVIEボタンですぐに撮影できる 動画撮影でもシーンセレクションを使った撮影が可能

 動画撮影中にも44のシーンを自動認識するおまかせシーン認識、動画撮影中の光学16倍ズーム、本体上部にある2つのマイク、風音低減機能、暗いシーンでの画質向上、アクティブモード搭載による歩きながらでも安定した手ブレ補正など、動画機能は充実している。もちろん動画撮影時の光学16倍ズームも可能だ。

 動画撮影中にもAFは動作するが、コントロールホイール中央ボタンを押すと、静止画と同様に追尾フォーカスが利用できるので、常時追尾したい被写体がある場合はこれを利用してもいい。顔検出AFも動作する。

 本体右上にMOVIEボタンを配置しており、静止画撮影中もすぐに動画撮影が可能。静止画モードでもMENUから動画の設定ができるので、あらかじめ画質などの設定をしておくといい。

 動画モードに切り替えた場合も撮影開始・停止はMOVIEボタンを利用する。動画撮影中は、シャッターボタンを使って静止画の撮影も可能。16:9の300万画素サイズでの撮影になるが、静止画も残したい場合に活用できるだろう。スマイルシャッターも動作し、笑顔を検出すると同サイズで静止画が記録される。

 ただし、動画サイズをMP4形式にしてVGAサイズを選択している場合、記録される静止画のサイズは4:3の200万画素サイズに限定される。また、60pで撮影中は静止画撮影はできないが、1フレームが1,920×1,080サイズで記録されているので、撮影後に16:9の200万画素サイズの画像を切り出すことは可能だ。

 撮影後は、HDMI経由でテレビに出力して、大画面で撮影動画を楽しむことが可能。長時間の録画や撮影時の持ちやすさ、ズームやボタン操作の音が記録されてしまうなど、本職のビデオカメラには勝てない部分もあるが、画質や操作性を含めて、静止画の合間に短い動画を撮影するには十分な機能を備えているようだ。


設定を登録してより使いやすく

 サイバーショットHXシリーズは、もともとそれほどカスタマイズ性が高くないモデルだが、今回は新たにCUSTOMボタンと、設定の登録機能が搭載されている。

 CUSTOMボタンでは、明るさ(露出補正)、ISO、色合い(ホワイトバランス)、測光モード、スマイルシャッターの5つの機能から割り当てを行なえる。MENUの「設定」から「撮影設定」を選ぶと「カスタムボタン」のカスタマイズが可能だ。

 HX9Vの場合、十字キーに割り当てられた撮影設定以外は、MENUボタンを押すと画面左側に表示されるMENUから選択する形になっており、CUSTOMボタンで設定できる機能はここからも呼び出せる。普段良く使う機能を割り当てておくといいだろう。

 登録機能は、モードダイヤルの「MR」に設定することで、登録しておいた設定を一括して呼び出せる機能だ。3つまで設定を登録でき、MRにモードを合わせ、MENUの最上部にある「MR」から呼び出すことができる。

 登録する場合は、モードダイヤルのP、M、SCN(シーンセレクション)のいずれかの状態で、画像サイズ、ストロボ、セルフタイマー、露出補正、ISO感度、ホワイトバランス、画質設定など、撮影設定のほとんどは記憶させることができる。登録しておきたい設定をしたら、MENUの項目から「MR SET」を選んで十字キー中央を押し、1〜3のいずれかを選択して、中央ボタンを押せば登録される。あとはモードダイヤルをMRにあわせ、MENUのMRにある1〜3を選択すればいい。ズーム位置を含めて登録でき、モードを切り替えるだけで設定を呼び出せるので便利だ。

MENUから現在の設定を登録し、モードダイヤルのMRでその内容を呼び出せる

 基本的な撮影は、従来のHXシリーズと変わりはない。モードダイヤルをおまかせオート撮影に合わせると、被写体にカメラを向けるだけで人物、赤ちゃん、夜景&人物、逆光&人物、風景、マクロなどの撮影シーンと、三脚を使っているか、動きがあるか、歩いているかといった状況を組み合わせ、最適な設定で撮影してくれる。

おまかせオートとプレミアムおまかせオートでは、認識するシーンは同じだが、プレミアムの方は画像連写・合成による補正機能がプラスされる

 プレミアムおまかせオートにすると、おまかせオートの撮影状況認識に加え、手ブレしそうな場合や夜景撮影、逆光撮影時に最大6枚の画像を連写して合成することで、より最適な画質で撮影できる。合成時間が必要で撮影間隔が長くなる場合もあるが、設定が難しいシーンの撮影にはより適している。

 さらにMENUのおまかせシーン認識から「アドバンス」を選択すると、夜景や逆光、夜景+三脚などのシーンで、自動的に設定を変えて2枚を撮影してくれるので、好きな方を残せる。一般的な撮影であれば、このおまかせオートとプレミアムおまかせオートを併用することで、大抵のシーンで問題ない撮影ができそうだ。

 おまかせオート、プレミアムオート、Pモード、動画モード時などでは、十字キー中央ボタンを押すと追尾フォーカス機能が動作してターゲット枠が表示される。被写体にターゲット枠を合わせてもう1度中央ボタンを押すと、その被写体を追尾してフォーカスと露出を合わせ続ける仕組みだ。動きのある被写体を撮る場合、フォーカスロックをして構図変更をしたい場合などに有効だろう。

 複数の人物に対する顔検出機能が働いているときは、ターゲット枠を任意のひとりに合わせると、その人物の顔に優先して追尾し、一旦その人が画面から外れ、また戻ってきたときに追尾を再開してくれる。

十字キー中央を押すとAF枠の形が変わり、追尾したい被写体にあわせてもう一度中央ボタンを押すと追尾が行なわれる。顔に合わせれば、その顔を追尾してくれる

 Pモード時は、MENUから露出補正以外にもISO感度やホワイトバランス、ホワイトバランスシフト、フォーカス設定、測光モード、ブラケット、カラーモード、彩度、コントラスト、シャープネスといった設定が可能。Mモードでは、それに加えてシャッタースピードと絞りの設定が可能になる。撮影時に、中央ボタンを押すと、追尾フォーカスの代わりにシャッタースピート/絞り/ISO感度が交互に設定できるようになり、コントロールホイールで回転させることで、シャッタースピードや絞り、ISO感度を素早く変更できる。ただし、絞りはNDフィルタを併用した2段階での変更しかできない。

MENUからコントラストやシャープネスなどの画質設定が操作できる。それほど頻繁に使う機能ではない気もするが、アクセスしやすい位置に登録されている Mモード時は、十字キー中央でシャッタースピード、絞り、ISO感度が次々と選択でき、コントロールホイールで設定できる

 基本的にはおまかせオートとプレミアムおまかせオートを切り替えながら撮影する形で、必要になったらPモードを使い分けるのがいいだろう。MRを使い、モードダイヤルではなく登録設定の呼び出しを使ってもよさそうだ。

シーンセレクションはそれほど豊富ではないが、逆光補正HDRや人物ブレ軽減、手持ち夜景といった便利な機能が搭載されている 本体右下の削除ボタンを押すことで、撮影中はカメラ内ガイドを表示することができる。初心者に有効な機能だが、個人的にこうしたボタンはカスタマイズさせてくれるとうれしい部分
おまかせオートにはEASYモードも搭載されている。MENUから選択すると、選択できる項目は2つだけで文字サイズも大きくなり、より簡単に撮影ができる
EASYモードでも、おまかせオートの自動シーン認識は行なわれる

旅に最適なカメラ

 従来通り、GPS機能も内蔵。撮影した場所の位置情報と、電子コンパスによる撮影方向を記録してくれて、付属ソフトのPMBやPicasaなど、対応するソフトでは地図上に画像を表示してくれるので、撮影画像を「場所」で管理することができる。

GPS機能を搭載する MENUからGPSの受信状況を確認できる

 本体をパソコンと接続すると自動的に更新されるGPSアシスト情報を使うことで、GPS測位の時間を短縮する機能も備えているが、基本的にはGPS測位時間や精度は従来通りといった印象。屋外の開けた場所に数秒から数分間いないと測位できない。いったんGPS測位したあとは、電源をオフにしてから再びオンにしたときの測位時間は短いが、基本的には屋外で利用が妥当な機能だ。

GPSアシストデータを使うことで測位時間を短くすることもできる

 GPS電波が受信できない場合、直前のGPS情報を記録するのではなく、GPS情報自体を記録しない仕組みのようで、屋内で撮影された画像にはほとんどGPS情報は記録されないことになる。測位後に移動して屋内に入った場合、直前のGPS情報を使うと位置が大幅にずれる場合もあるので、この仕組み自体はそれほど悪くないと思う。

 GPS電波を使った時刻合わせ機能も搭載しており、時刻とエリアを自動で補正してくれる。海外に行ったときに、現地の時間に合わせるのを忘れるのはよくあるが、これを使えば、GPSによって時間を合わせてくれるので、現地の時間で撮影できる。国内でも、時間のずれを補正してくれるので、正確な時間で撮影できるわけだ。

GPS電波を使った時刻合わせの機能。基本的にはオンにしておくといいだろう

 高倍率ズームとGPS機能というのは最近1つのジャンルとして成立した感もあるが、電子コンパスによって方位を測定できるのが特徴だ。ジャイロセンサーで屋内測距にも対応したカシオ「EXILIM EX-H20G」、地名情報で分類できるパナソニック「LUMIX DMC-TZ20」など、各社機能を競っており、今後の発展も期待したいところだ。

 広角から望遠まで、これ1台でカバーできるDSC-HX9Vは、静止画と動画もこれ1台でカバーできる万能選手と言ってもいい。旅先でカメラをコンパクトで済ませたい場合には、位置情報も記録できるDSC-HX9Vを持ち歩くと良さそうだ。

USB充電にも対応。付属ケーブルが必要だが、エネループのような外部バッテリー経由での充電も可能だった

実写サンプル

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。

・感度
ISO100 / DSC-HX9V / 約3.3MB / 4,608×3,456 / 1/80秒 / F4.5 / 0.0EV / WB:オート / 13.5mm ISO200 / DSC-HX9V / 約3.2MB / 4,608×3,456 / 1/160秒 / F4.5 / 0.0EV / WB:オート / 13.5mm
ISO400 / DSC-HX9V / 約3.8MB / 4,608×3,456 / 1/320秒 / F4.5 / 0.0EV / WB:オート / 13.5mm ISO800 / DSC-HX9V / 約3.6MB / 4,608×3,456 / 1/640秒 / F4.5 / 0.0EV / WB:オート / 13.5mm
ISO1600 / DSC-HX9V / 約3.7MB / 4,608×3,456 / 1/1,250秒 / F4.5 / 0.0EV / WB:オート / 13.5mm ISO3200 / DSC-HX9V / 約4.1MB / 4,608×3,456 / 1/400秒 / F10 / 0.0EV / WB:オート / 13.5mm

・逆光補正HDR

 順に「おまかせオート」、「プレミアムおまかせオート」、「逆光補正HDR」で撮影。複数枚の画像を撮影して合成する逆光補正HDRだと空と建物の露出が最適化されて見栄えのいい画像になっているが、プレミアムおまかせオートもやや青空が戻ってきている。

おまかせオート / DSC-HX9V / 約3.6MB / 4,608×3,456 / 1/160秒 / F3.3 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 4.3mm プレミアムおまかせオート / DSC-HX9V / 約3.6MB / 4,608×3,456 / 1/160秒 / F3.3 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 4.3mm
逆光補正HDR / DSC-HX9V / 約4.1MB / 4,608×3,456 / 1/160秒 / F3.3 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 4.3mm

・カラーモード

 実際の色再現としてはリアルが近いが、スタンダードが筆者の記憶色に近い。

スタンダード / DSC-HX9V / 約4.3MB / 3,456×4,608 / 1/80秒 / F4.5 / -0.7EV / ISO400 / WB:オート / 11.4mm ビビッド / DSC-HX9V / 約4.4MB / 3,456×4,608 / 1/80秒 / F4.5 / -0.7EV / ISO320 / WB:オート / 11.4mm
リアル / DSC-HX9V / 約4.3MB / 3,456×4,608 / 1/80秒 / F4.5 / -0.7EV / ISO320 / WB:オート / 11.4mm セピア / DSC-HX9V / 約3.7MB / 3,456×4,608 / 1/80秒 / F4.5 / -0.7EV / ISO320 / WB:オート / 11.4mm
モノクロ / DSC-HX9V / 約3.7MB / 3,456×4,608 / 1/80秒 / F4.5 / -0.7EV / ISO320 / WB:オート / 11.4mm

・背景ぼかし機能

 背景ぼかし機能を使ったときのボケは、ボケ量が増えるとともに、より好ましいボケになっている。

背景ぼかし:オフ / DSC-HX9V / 約3.3MB / 4,608×3,456 / 1/250秒 / F5.9 / 0.0EV / ISO200 / WB:オート / 68.5mm 背景ぼかし:オン / DSC-HX9V / 約2.3MB / 4,608×3,456 / 1/250秒 / F5.9 / 0.0EV / ISO200 / WB:オート / 68.5mm

・作例
DSC-HX9V / 約5.3MB / 4,608×3,456 / 1/320秒 / F4.5 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 15.8mm DSC-HX9V / 約6.0MB / 4,608×3,456 / 1/640秒 / F3.5 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 4.3mm
DSC-HX9V / 約4.8MB / 3,456×4,608 / 1/200秒 / F3.3 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 4.3mm DSC-HX9V / 約6.0MB / 3,456×4,608 / 1/160秒 / F5 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 22.4mm
DSC-HX9V / 約5.5MB / 3,456×4,608 / 1/320秒 / F4.5 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 19.9mm DSC-HX9V / 約5.1MB / 3,456×4,608 / 1/125秒 / F4 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 10.6mm
DSC-HX9V / 約4.3MB / 3,456×4,608 / 1/200秒 / F4.5 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 12.2mm DSC-HX9V / 約6.1MB / 3,456×4,608 / 1/250秒 / F3.5 / -1.0EV / ISO100 / WB:オート / 4.8mm
DSC-HX9V / 約3.6MB / 3,456×4,608 / 1/250秒 / F5.9 / +1.0EV / ISO200 / WB:オート / 68.5mm DSC-HX9V / 約5.6MB / 3,456×4,608 / 1/320秒 / F4.5 / +1.0EV / ISO100 / WB:オート / 18.0mm
DSC-HX9V / 約5.8MB / 3,456×4,608 / 1/80秒 / F4.5 / 0.0EV / ISO320 / WB:オート / 11.9mm DSC-HX9V / 約3.5MB / 3,456×4,608 / 1/125秒 / F3.3 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 4.3mm
DSC-HX9V / 約2.8MB / 3,456×4,608 / 1/15秒 / F4.5 / 0.0EV / ISO800 / WB:オート / 13.2mm DSC-HX9V / 約4.5MB / 4,608×3,456 / 1/250秒 / F5.9 / 0.0EV / ISO320 / WB:オート / 68.5mm
DSC-HX9V / 約3.0MB / 4,608×3,456 / 1/250秒 / F5.9 / -0.7EV / ISO200 / WB:オート / 68.5mm DSC-HX9V / 約2.5MB / 4,608×3,456 / 1/400秒 / F5.9 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 68.5mm

・動画
  • 動画作例のサムネイルをクリックすると、未編集の撮影動画をダウンロードします。
  • ファイルの拡張子を.m2tsから.mtsに変更しています。
  • 再生についてのお問い合わせは受けかねます。ご了承ください。
56.6MB / 1,920×1,080/60p / アクティブモードオン
55.9MB / 1,920×1,080/60i / アクティブモードオン
49MB / 1,920×1,080/60i / アクティブモードオフ

【2011年3月24日】ストロボに関する記述を詳細にしました。





小山安博
某インターネット媒体の編集者からライターに転身。無節操な興味に従ってデジカメ、ケータイ、音楽プレーヤー、コンピュータセキュリティなどといったジャンルをつまみ食い。軽くて小さいものにむやみに愛情を感じるタイプ。デジカメ、音楽プレーヤー、PC……たいてい何か新しいものを欲しがっている。

2011/3/23 00:00