オリンパス・ペンライトE-PL2【第5回】

遅ればせながらパンケーキレンズをゲットしました

Reported by 北村智史


 懸案事項だったパンケーキレンズをやっとこさ手に入れた。もちろん、この長期レポートの第1回でも書いたとおり、パナソニックのLUMIX G 20mm F1.7 ASPH.(以下20mm F1.7)である。マイクロフォーサーズのパンケーキレンズなら純正のM.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8(以下17mm F2.8)もあるが、広角はM.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6(以下9-18m F4-5.6)にしようと思っていて、だから17mm F2.8は思いっきり画角がかぶってしまう。それにF2.8というのももうひとつ惹かれない。

 その点、20mm F1.7なら画角はかぶらないし、F1.7と明るいこともある。単焦点ならフォトキナ2010でアナウンスされた25mm F1.4がそのうち出るはずだが、F1.4だとどうせ大きく重くなるだろうし、お値段も高くなるはず。だったら、軽くて小さい20mm F1.7のほうがE-PL2には似合うだろう、と考えたわけだ。

 ところが、昨年末あたりには大手量販店で3万5,000円くらいだったのが、年が明けてしばらくしたあたりでひょいっと3万8,800円に上がってしまった。そのうちまた下がるんじゃないかな、と高をくくっていたのがなかなか落ちない。うーん、どうしようと悩んでいるうちに時間が経って、だったらあきらめて買っちゃえばとも思ったが、今度は買ったとたんに下がったりなんかしたらショックがでかい。なんてことを考えはじめると精神的によろしくない。で、あきらめて「くださいな」しちゃった次第である。

 さてこの20mm F1.7、インナーフォーカスとかリアフォーカスとかではないこともあって、AFの駆動音がうるさいとかスピードが遅いとかいわれていた。最近のは改良されているという説もあるが、そんなに静かになった感じはしない。それよりもむしろ、絞り羽根が勝手に動く音のほうがよっぽどうっとうしかったりする。

 野外ならまず気になることはないが、静かめの室内だと、チ……チキチキ……とかいう音が頻繁にする。明るさに応じて絞り値が変わるプログラムAEやシャッター優先AEならいざ知らず、絞り優先AEやマニュアル露出でもおかまいなしにチキチキチキである。前玉側からのぞき込みながらレンズの向きを変えたりすると、明るいほうに向けると絞り込んで、暗いほうに向けると絞りを開くという動作をやっている。

 ライブビューなので明るさと撮像素子駆動のフレームレートとの兼ね合いで、絞りを動かさないといけないのは理解できるが、その音がほかのレンズに比べてやたらと大きいものだから耳にさわるのだ。

 いろいろ試してみたところ、昼間に明るい窓に向けるとF5.6あたりまで絞り込んで、室内の暗いほうに向けると絞り開放になる。それが夜の室内だと常時絞り開放になるので音はしない。あぁ静かでいいねぇと思いきや、何気なしに天井の蛍光灯に向けるとチキチキと音がする。このときはだいたいF2.8くらいの感じ。で、一度絞り羽根が動いてしまうと、今度はパソコンのモニターの明るさにも反応するようになる。

 いったん電源をオフにして入れ直すと、パソコン用モニターには反応しなくなるのだけれど、蛍光灯に向けるととたんに絞り羽根駆動スイッチがオンになってしまうらしく、そんなに明るくないはずのパソコン用モニターにまで反応するようになる。まあ、細かいことなので無視してしまおう。気にならないふりをすればいいのだ。気になることより気に入っていることのほうが大事だし。

 というわけで、このレンズの気に入っている点。もちろん、開放F値が明るいことだ。9-18mm F4-5.6の望遠端より焦点距離は2mmだけど長い上に、開放F値はF5.6対F1.7。絞り3段ちょっと違う。当然、ボケ具合もずいぶん違う。画面サイズの小さなマイクロフォーサーズとはいえ、これだけ明るければそれなりにはボケてくれる。

 なので、9-18mm F4-5.6だけだった今までみたいに、明るい野外では絞り優先AEでF8固定、それ以外はプログラムAE、なんていうズボラは不許可である。解像力的には絞り開放でも中心部はしっかりしているが、周辺部までシャープに撮りたいとなるとF4あたりまで絞ったほうがいいし、被写界深度が欲しいときにはF8とか(場合によってはF11)まで絞ることもあるだろう。そんな感じで、シーンに応じて絞りを変えてやらないといけない。

 もちろん、そういう手間もカメラの楽しさの一部であるし、何よりもレンズをとっかえひっかえできるというレンズ交換式カメラらしい楽しさがやっとこさ味わえるようになったことのほうがうれしくて、こっそりとにまにましている次第である。

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電球のフィラメントがくるくるしてるのがよくわかる。デジタル補正とは言え、歪曲収差がほとんどないのは気持ちいい。E-PL2 / LUMIX G 20mm F1.7 ASPH. / 4,032×2,688 / 1/160秒 / F2.2 / -0.3EV / ISO200 / WB:太陽光解像力としてはF2.8からF4あたりがベストっぽい。ボケは素直な印象。円形絞りを採用している。E-PL2 / LUMIX G 20mm F1.7 ASPH. / 4,032×2,688 / 1/800秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / WB:太陽光
ピクチャーモードのポップアートで撮ったカット。開放に近い絞り値なので四隅だけ少しアマい部分が残っている。E-PL2 / LUMIX G 20mm F1.7 ASPH. / 4,032×2,688 / 1/160秒 / F2 / 0.3EV / ISO200 / WB:太陽光こちらはドラマチックトーン+フレーム効果。ピクセル等倍で見ると、あちこちが塗り絵っぽくなっている。E-PL2 / LUMIX G 20mm F1.7 ASPH. / 4,032×2,688 / 1/640秒 / F6.3 / 0.3EV / ISO200 / WB:太陽光
画面周辺部のことを考えるとF4くらいまで絞ったほうがいいが、中心部はF2.2あたりがいちばんいいんじゃないかと思う。E-PL2 / LUMIX G 20mm F1.7 ASPH. / 4,032×2,688 / 1/25秒 / F2.2 / -0.3EV / ISO200 / WB:太陽光消防用の消火栓のフタの部分。金属の質感描写がいい感じ。E-PL2 / LUMIX G 20mm F1.7 ASPH. / 4,032×2,688 / 1/500秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / WB:太陽光
最大撮影倍率は0.13倍だが、画面サイズが小さい分だけアップがねらいやすいのが便利のいいところ。E-PL2 / LUMIX G 20mm F1.7 ASPH. / 4,032×2,688 / 1/640秒 / F2.8 / -0.3EV / ISO200 / WB:太陽光タンポポのワタボウシに寄ってみた。クローズアップレンズ買ったら楽しめそうな気がしてきた。E-PL2 / LUMIX G 20mm F1.7 ASPH. / 4,032×2,688 / 1/1,250秒 / F2.2 / 0EV / ISO200 / WB:太陽光
あまりそれらしい雰囲気が出ていないけれど、これもドラマチックトーン+フレーム効果。フレームだけっていうのも欲しいかも。E-PL2 / LUMIX G 20mm F1.7 ASPH. / 4,032×2,688 / 1/320秒 / F2.8 / -0.7EV / ISO200 / WB:太陽光


北村智史
北村智史(きたむら さとし)1962年、滋賀県生まれ。国立某大学中退後、上京。某カメラ量販店に勤めるもバブル崩壊でリストラ。道端で途方に暮れているところを某カメラ誌の編集長に拾われ、編集業と並行してメカ記事等の執筆に携わる。1997年からはライター専業。2011年、東京の夏の暑さに負けて涼しい地方に移住。地味に再開したブログはこちら

2011/5/17 00:00