デジカメアイテム丼

可愛らしい見かけが自慢の“クラゲ風?”ミニ三脚

トルク調節までできる Jelly fish「ジェリーレッグス」

ジェリービーンは付属しません

皆さんはクラゲは好きだろうか? そう、あの水中にいるクラゲである。水族館でふわふわとクラゲがたゆたう光景は幻想的でついうっとりと見とれてしまうものである。

そんなクラゲ好きの方にも嬉しいユリシーズから発売されているJelly fishのミニ三脚「ジェリーレッグス」に、ボールヘッド付きのモデルが加わった。価格は税込2,592円。

ジェリーレッグスとは「クラゲの足」という意味であるが、三脚といえば言わずもがなカメラを固定するためのもの。しっかりガッチリといったイメージの強い三脚に、クラゲの足とはこれいかに? と不思議に思われた方もおられるだろう。かくいう私もその1人である。今回はこの不思議で可愛いミニ三脚をレビューしたいと思う。

ジェリーレッグス&ボールヘッド。なんだかとっても可愛いミニ三脚である
ジェリーレッグスの先端の石突にはグリーンのシリコンが使われており、滑り止めの役割とともにデザイン上のチャームポイントにもなっている

ジェリーレッグスのジェリーレッグスたる所以はその脚のデザインにある。脚はクラゲの脚のような曲線を描いており、いわゆる石突部分には鮮やかなグリーンのシリコン素材が使われている

畳んだところ

とにかく軽い!

ジェリーレッグスの大きさは畳んだ状態で高さ10.5cm、足を最大に開くと6.5cmと非常にコンパクト。まさに手のひらサイズだ。

三脚ネジと底面の固定ネジ以外は全て樹脂製となっており、重さは実測値でわずか24g(脚部15g、ボールヘッド9g)しかない。500円硬貨3枚程度の重さなので、普段使いのバッグの隅に忍ばせていても気にならないだろう。

ジェリーレッグスの脚のみ(15g)。カメラ角度の調整が不要な時は脚のみで使用することもできる
ボールヘッドは(9g)。これを使用することでカメラの角度調節ができるようになった
脚部+ボールヘッドの重量はわずか24g!

ボールヘッドが付いて使いやすく

従来のジェリーレッグスではカメラの角度調節は開脚角度を調節して行っていたが、新型はボールヘッドが付いたため角度調節が簡単にできるようになった。

またボールヘッドと脚部をつなぐネジは1/4インチネジであるため、ボールヘッドを取り外しジェリーレッグス本体に直接カメラを取り付けたり、好みの雲台に取り替えることもできるようになっている。

通常使用時や下方にカメラを向ける場合は前側に脚を1本、後ろに2本。カメラを上方に向ける場合は後ろ側に脚を1本、前側に2本出すようにすればより安定し転倒のリスクを軽減できる。

カメラを正面あるいは俯角をつける際は、スタンダードに前に脚を1本、後ろに2本出すと良い
カメラを後ろに倒し仰角をつける際は、後ろに1本、前に2本開いてカメラが後ろに倒れないようにするのがオススメ

ボールヘッドはトルク調節で固定する

ジェリーレッグスのボールヘッドは一般的な自由雲台のように固定ノブはなく、ボールの部分にトルクがかかっているため、そのトルクでカメラを保持するようになっている。一般的な自由雲台の半締め状態というか、アルカスイス系の雲台で良くあるフリクションコントロールが効いているような状態だと思って頂ければ良いだろう。

ジェリーレッグス雲台のトルクはデフォルトでは300gまでのカメラに対応しているが、トルク調整もできるようになっており、最大で700gまでのカメラに対応している。

肝心のトルク調節のやり方だが、ボールヘッドを外し裏側を覗き込むと内部に小さなマイナスネジがある。そのマイナスネジを精密ドライバーなどで時計回りに回すことでボールヘッドを締め付けるというもので、特別な工具は必要なく調節も簡単に行える。

ボールヘッド裏側の穴の中にあるマイナスネジを回してトルクを調節する
ジェリーレッグス本体裏のネジは一般的なマイナスドライバーかコインで回すことで開脚時のトルクを調節できる

また、ボールヘッドのトルク調整だけでなく、開脚のトルク調整もジェリーレッグス本体裏のネジを回すことで行える。

トルクを調節しミラーレス機を載せてみた。カメラ+レンズ+EVFの重量は505gだったが、重量でボールヘッドが傾ぐようなことはなかった

ちょっと変わった使い方

もちろんミニ三脚としての使い方がジェリーレッグスの本分ではあるが、折りたたんだ状態で使用することでボトムグリップのように使用することもできる。

動画撮影時などは長時間両手でホールドし続けるのは苦痛であるし、かといって片側だけを持つのもまた持ちにくさがあるため、ジェリーレッグスをボトムグリップとして活用するのも有効な手段だ。

大きさもちょうど良く手触りも良い

持ち歩きたくなるかわいさ

ジェリーレッグスはその携帯性が特徴のミニ三脚であるが、見た目もキュートで持ち歩きたくなる魅力がある。

クラゲは俳句の季語にもなっており、観賞用や食用として日本人にも馴染みのある生物であるが、今回まさかの三脚デビューを果たした。さらにその生息域を広げたクラゲの今後の活躍に期待したい。

ブリリアント山崎

(ぶりりあんとやまさき)フリーカメラマン、写真講師。カメラメーカーの講師や作例集制作を経て現在に至る。写真とカメラの事ならネジ一本に至るまで、ありとあらゆることを知りたいと思っている。都市風景写真が好き。将来は壮大なスタジオを経営したい。フォトマスター検定エキスパート(総合)。家電製品アドバイザー(総合)。「ブリリアントの写真教室」主宰。Webサイト:Amazing Graph
※山崎の「崎」の字は本来異なりますが、環境により表示されないことがあるため「崎」で代用しています。