デジカメドレスアップ主義:夏仕様GRで赤外撮影

リコーGR DIGITAL IV ホワイトエディション
Reported by澤村徹

  • ボディ:リコーGR DIGITAL IV ホワイトエディション
  • フードアダプター:リコーGH-2
  • 貼り革:B.PHANTOM フードアダプタGH-2用レザーキット(ホワイトバージョン)
  • IRフィルター:HOYA R72 46mm径
  • ステップアップリング:マルミ 43-46mmステップアップリング
  • カメラケース:Aki-Asahi.com GR Digital III/IV用レザースナップケース(ライトキャメル+ホワイトステッチ)
  • ストラップ:shawn & megu GR DIGITAL III leather neck strap
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 白は夏の色だ。季節感と色を関連づけるのは、昭和世代の証だろうか。平成世代にはピンとこないかもしれないが、そうはいっても夏といえば白である。そこで今回はGR DIGITAL IVホワイトエディションをベースに、夏っぽいドレスアップを考えてみた。また、夏の強い日射しを活かし、GR DIGITALを使った赤外線撮影も試してみよう。

 今回はホワイトボディがベースとなるので、白と相性のよいキャメルのケースとストラップを選んでみた。Aki-Asahi.comのレザースナップケースは、淡いキャメルレザーのホワイトステッチを施している。タイトフィットで手に握ったときのフィーリングにすぐれ、側面端子にイージーアクセスできるなど、操作性を犠牲にしない作りだ。ここではカラーレザーのケースを取り上げているが、同社おなじみの手染めレザーやブライドルレザーもラインナップしている。

 ストラップはショーン&メグのスリムタイプを選んでみた。GR DIGITAL用をうたっているだけあって、GR DIGITALに付けた際のサイズ感がよい。同ブランドはブラス製金具にこだわりがあり、レザーと合わせて真鍮パーツの経年変化も楽しめる仕様だ。また、レザーの刻印は印刷用の活字を用いている。活字はフォントの種類が多く、様々なバリエーションを用意しやすい。ディテールにこだわりを持ったブランドである。

Aki-Asahi.comのレザースナップケース、カラーレザータイプは8,000円だ側面にホールを設け、ポップアップフラッシュのボタンや端子類にイージーアクセスできる
背面はボタン操作を妨げないレイアウトになっている。三脚穴に付属のネジで固定する。バッテリーにアクセスするにはケースを外す必要がある
手染めのダークタン/ライトタン(左と中央)は9,000円。ブライドルレザー(右)も9,000円だショーン&メグのGR DIGITAL III leather neck strapは9,800円。GR DIGITAL IVにも装着可能だ
金属パーツはすべてソリッドブラスを使っている。同ブランドのこだわりポイントのひとつだ肩当て部分にログマークが刻印されている。活字を使っているのが特徴だ
取り付け部はロウ引きの麻ひもを使用している。摩耗した際のスペアも付属する

 フード&アダプターGH-2は、B.ファントムのGH-2用レザーキットを貼り付けてみた。元々は黒シボのビニックスレザーをカットした製品だが、GR DIGITAL IVホワイトエディションの発売に合わせ、ホワイトバージョンをラインナップ。両面テープ付きのシートを貼り付けるだけで、GH-2をドレスアップできる。着脱ボタンや底面の端子には影響しないので、手軽に試せるドレスアップアイテムだ。また、GH-2にレザーキットを貼り付けた完成品も受注生産で受け付けている。

GH-2にB.ファントムのGH-2用レザーキットを貼り付けている。価格は1,418円だシボ付きのまっしろなビニックスレザーを用いている。GR DIGITAL IVホワイトエディションとよくなじむ
GH-2は43mmのネジ切りがあり、フィルターやステップアップリングが装着できる

 GR DIGITALというカメラは、初代から現行機に至るまで、赤外線撮影可能なカメラとして知られている。ライカM8ほどの感度はないものの、赤外線フィルター(IRフィルター)を付ければ赤外線撮影が可能だ。今回IR720フィルターで赤外線撮影してみたところ、晴天下、ISO1600までアップすれば開放近辺で1/10秒程度をキープできた。GR DIGITAL IVは手ブレ補正機能を搭載しているので、ていねいに撮れば手持ちでも赤外線撮影できるだろう。

 赤外線フィルターはHOYA R72の46mm径を使用した。国内未発売のフィルターで、B&H(アメリカの量販店)から海外通販で入手したものだ。国内で入手可能な赤外線フィルターは、ケンコーのPRO1D R72が代表的だろう。ただし、もっとも小さいフィルター径でも52mmとなるため、装着した際に極端な姿になってしまう点に注意しよう。

 撮影直後の赤外線写真は、赤みの強い画像でそのままでは画にならない。そのためカラースワップ処理で仕上げるのがポピュラーだ。RAW現像ソフトでホワイトバランスを整えたあと、フォトショップなどに読み込み、Labモードに切り替えてa/bチャンネルを反転する。こうすると空が青く、葉っぱの緑が褐色がかった白になる。その後、色調やコントラストを整えれば完成だ。デジタル赤外線写真は決まったセオリーがあるわけではないので、好みで仕上げ方を工夫してみるとよいだろう。

HOYA R72はIR720相当の赤外線フィルターで、若干可視光線を通す。多少可視光線が混じった方がカラースワップ処理しやすいケンコーのPRO1D R72は一眼レフ用レンズを前提としているため、口径ラインナップが大きめだ
撮影直後の画像。赤みの強い画像で、このままでは写真として成立しづらいホワイトバランスを整える。空が褐色、葉っぱが青っぽくなった状態が目安だ
PhotoshopでLabモードに切り替え、a/bチャンネルを反転したところ。これがカラースワップだ色合い、コントラスト、シャープネスなどを好みに応じて整える。これで完成だ
  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなしの撮影画像(JPEG)を別ウィンドウで表示します。
GR DIGITAL IV / 3,648×2,736 / 1/10秒 / F1.9 / 0EV / ISO1600 / WB:オート / 6mm / IRフィルター調整後
GR DIGITAL IV / 3,648×2,736 / 1/7秒 / F2.2 / 0EV / ISO1600 / WB:オート / 6mm / IRフィルター調整後
GR DIGITAL IV / 3,648×2,736 / 1/5秒 / F.2 / 0EV / ISO1600 / WB:オート / 6mm / IRフィルター調整後


(さわむらてつ)1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。ライター、写真家。デジカメドレスアップ、オールドレンズ撮影など、こだわり派向けのカメラホビーを提唱する。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」シリーズをはじめ、オールドレンズ関連書籍を多数執筆。http://metalmickey.jp

2012/8/2 00:00