レビュー・使いこなし

AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VRスペシャルレビュー

新刊「ニコン NIKKORレンズFANBOOK」より

11月19日発売の新刊「ニコン NIKKORレンズFANBOOK」(インプレス刊)から、新製品AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR」の解説と作例をまとめました。作例は本誌未掲載のカットで、JPEGの撮って出しです。(編集部)

デジタルカメラマガジン編集部によるFANBOOKシリーズ第6弾。現行純正レンズから最新レンズを中心に44本を厳選して掲載しました。上田晃司氏と高橋良輔氏による海外での作例も楽しめます。144ページ、B5変型判

(写真:上田晃司氏 文:高橋良輔氏)

500mmをカバーする低価格モデル

D750 / 1/3,200秒 / F8 / +0.7EV / ISO800 / 絞り優先AE / 200mm

500mmの超望遠域での撮影を可能にした、NIKKOR最長の望遠ズームレンズ。このゾーンには200〜400mmをカバーするAF-S NIKKOR 200-400mm f/4G ED VR IIが存在するが、100万円を超える希望小売価格から、誰もが手に入れられる存在ではなかった。

しかし、AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VRは、望遠側の焦点距離を500mmに拡大したうえで、20万円を切る現実的なプライスを実現。超望遠の世界を身近なものとした。本レンズの特徴は焦点距離が示しているように、圧倒的な引き寄せ効果にあり、遠くの被写体を撮影する場合に威力を発揮。また、比較的近距離にある被写体を狙う場合は、焦点距離の長さによる圧倒的なボケで、背景をきれいに整理できる。

D750 / 1/1,600秒 / F8 / +0.3EV / ISO800 / 絞り優先AE / 500mm
D750 / 1/400秒 / F5.6 / -0.3EV / ISO800 / 絞り優先AE / 200mm
D750 / 1/200秒 / F5.6 / -0.3EV / ISO1800 / 絞り優先AE / 200mm
D750 / 1/160秒 / F5.6 / +0.7EV / ISO100 / 絞り優先AE / 500mm
D750 / 1/200秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / 480mm
D750 / 1/200秒 / F5.6 / 0EV / ISO110 / 絞り優先AE / 200mm

F5.6で設計されているため、レンズ本体は想像以上にコンパクトで、三脚座を含んでも約2.3kgの重量を実現。さらに、手持ち撮影を考慮してVRの補正段数を4.5段に設定。理論上では500mm時に1/20秒でも手ブレが止められるほか、カメラの電源オン直後におけるVR性能が従来の機構より向上。

通電直後からファインダー像が安定するので、とっさに現れた被写体を捕捉しやすい。また、動きが激しい被写体に対しては、SPORTモードを使うことによって、流し撮りや高速連写時にも自然なファインダー像が得られるなどの特徴を備えている。

高機能なVRを上手に使い分ける
本レンズは一般的な手ブレを抑える[NORMAL]のVRに加えて、動きの激しい被写体に向く[SPORT]モードが用意されている。ゴー&ストップが多い被写体や高速連写時に使いたい
レンズ構成図
望遠ズームでは画角に起因して残存収差が限定されるため、ほかのズームほど特殊レンズを数多く必要としない。ここではEDレンズ(水色)で軸上色収差を補正したうえで、通常レンズがもつ光学作用を使い、細かい収差を除去。望遠ズームのセオリー通りの光学設計だ

描写特性は画面中央部に重きを置いた望遠レンズ特有の設定で、画面端の描写も重視される広角レンズとは基本的に考え方が違う。画面中心から15mm程度までのデータは10本・30本/mmともに最大値に近く、きわめて高コントラストで高解像力。そのうえでズーム全域での安定化を図り、望遠側でも高い性能が維持されている。ネイチャーやスポーツをメインに撮る人にとって、超望遠撮影への夢を現実のものにしてくれる1本だ。

MTF 曲線
大気の影響を受けやすい遠くの被写体をクリアに写す目的から、中央部の特性は10本・30本/mmともにギリギリまで高められている。近〜中距離での撮影を想定した標準レンズでは写りすぎてしまうほど高いMTF特性だ

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