写真展

栗原恭子写真展「ベランダから降りてみようかしら」

(コニカミノルタプラザ)

©Kyoko Kurihara

朝、ベランダに出て挨拶する景色がある。田んぼ、木に囲まれた家、畑、墓・・・。

かつて江戸の人たちの食をささえた見沼田んぼの、これはきっと、ずっと昔から続いてきた農家の単位ではないかと思う。いちばんワクワクするのは、田んぼに水が入るとき。かわいい苗がふるえている。蛙の声にはげまされ、風が吹くとなめらかに波立つ。

夏になると、たしかな稲穂。頭をたれるとき黄金になる。真っ赤な空はどこまでも遠い。太陽がずずずっと崩れると、不思議なことに、富士山は走ってきたように浮き上がる。

ベランダには朝顔くらいしか植えられないが、このベランダからは四季の営みが見える。なんと嬉しいことか・・。

そして私は飽きもせず、このあたりを歩き回っている。目の前の田んぼがいつまでもこのままであってほしいと願っている。

栗原恭子 写真展「ベランダから降りてみようかしら」

会場・スケジュールなど

  • ・会場:コニカミノルタプラザ(ギャラリーA)
  • ・住所:東京都新宿区新宿3-26-11新宿高野ビル4階(フルーツの高野4階)
  • ・会期:2016年5月14日(土)~5月23日(月)
  • ・時間:10時30分~19時(最終日15時まで)
  • ・休館:会期中無休
  • ・入場:無料

作者プロフィール

1938年生まれ 埼玉県在住
57歳まで臨床検査技師の仕事をする
2009年より現代写真研究所でドキュメンタリー写真を学ぶ
現在、現代写真研究所日曜撮影専科に在籍中

(本誌:河野知佳)