写真展
新田樹写真展「サハリン」
(ニコンサロン)
Reported by 本誌:河野知佳(2015/4/10 12:00)
日本統治時代に樺太とよばれたこの地には、1945年8月の太平洋戦争敗戦時、約35万人の日本人と、2万~4万3000人の朝鮮人が取り残されていた。戦後、ソ連(当時)領となったこの地から日本人の多くは引き揚げたが、朝鮮人とその配偶者であった日本人は、その後数十年にわたり、この地を離れる事はかなわなかった。
作者が初めてサハリンを訪れたのは1996年のことだった。終戦からおよそ50年、この地で未だに日本語が日常的に使われている事を知った。それは、単に話せる事とは違う何か、その後永く繰り返される問いの始まりとなった。
歴史が記憶の堆積物ならば、降り積もって埋もれてしまう前に、単純に割り切ることのできない思いを抱え生きる姿に、今なら向き合えるのではないかと動き出したのは、それから14年後の2010年のことだった。カラー53点。
(写真展情報より)
会場・スケジュールなど
- ・会場:銀座ニコンサロン
- ・住所:東京都中央区銀座7-10-1STRATA GINZA(ストラータ ギンザ)1・2階
- ・会期:2015年4月22日木曜日~2015年5月5日水曜日
- ・時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
- ・休館:会期中無休
- ・入場:無料
作者プロフィール
1967年福島県生まれ。東京工芸大学工学部卒業後、麻布スタジオ入社。
1991年半沢事務所入社。1996年独立。
写真展に、2003年コニカ・フォトプレミオ「SURUMA」、2007年「樹木の相貌」(以上、コニカプラザ)などがある。