写真展

新田樹写真展「サハリン」

(ニコンサロン)

日本統治時代に樺太とよばれたこの地には、1945年8月の太平洋戦争敗戦時、約35万人の日本人と、2万~4万3000人の朝鮮人が取り残されていた。戦後、ソ連(当時)領となったこの地から日本人の多くは引き揚げたが、朝鮮人とその配偶者であった日本人は、その後数十年にわたり、この地を離れる事はかなわなかった。

作者が初めてサハリンを訪れたのは1996年のことだった。終戦からおよそ50年、この地で未だに日本語が日常的に使われている事を知った。それは、単に話せる事とは違う何か、その後永く繰り返される問いの始まりとなった。

歴史が記憶の堆積物ならば、降り積もって埋もれてしまう前に、単純に割り切ることのできない思いを抱え生きる姿に、今なら向き合えるのではないかと動き出したのは、それから14年後の2010年のことだった。カラー53点。

(写真展情報より)

会場・スケジュールなど

  • ・会場:銀座ニコンサロン
  • ・住所:東京都中央区銀座7-10-1STRATA GINZA(ストラータ ギンザ)1・2階
  • ・会期:2015年4月22日木曜日~2015年5月5日水曜日
  • ・時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
  • ・休館:会期中無休
  • ・入場:無料

作者プロフィール

1967年福島県生まれ。東京工芸大学工学部卒業後、麻布スタジオ入社。

1991年半沢事務所入社。1996年独立。

写真展に、2003年コニカ・フォトプレミオ「SURUMA」、2007年「樹木の相貌」(以上、コニカプラザ)などがある。

(本誌:河野知佳)