田中昭史写真展「風景秩父」

東京から西武鉄道で約１時間半、埼玉県の西の端に位置する秩父地方は、三方を山に囲まれた盆地である。秩父はまた多くの祭りや札所など多様な文化とともに東京近郊の手ごろな観光地として人気がある。

今回展示する作品は、４０年以上にわたって撮り続けている“秩父”の中から風景を中心に選んでいる。秩父は、ほとんどの地域が急峻な山稜地帯で、美しい山並みを構成し、その山並みの中にちらほらと集落が点在している。一見するとのどかな山村の風景ではあ
るが、明治17年自由民権運動に触発されて起きた秩父事件に関連した集落も多く、美しい風景の中にもかつての“暴動”の歴史も秘めているのである。それらの写真と共に秩父、小鹿野、吉田の盆地の風景も合わせてモノクロ約25点を展示する。

（写真展情報より）