ニコン、「D800」と「COOLPIX」春モデルの発表会
ニコンは7日、デジタル一眼レフカメラの新製品「D800」および「D800E」とコンパクトデジタルカメラ「COOLPIX」シリーズ春モデルの発表会を都内で開催した。
カメラの詳細については、ニコン、「D800」「D800E」「COOLPIX P330」など10機種を発表を参照されたい。ここでは発表会の模様をお伝えする。
D800 | ニコンイメージングジャパン取締役社長 五代厚司氏(中央右)とニコン 映像カンパニー 開発本部長の山本哲也氏(中央左) |
■D800とD800Eの販売数量見込みは9:1
既報の通りD800は有効3,630万画素という35mmフルサイズでは世界最多画素のデジタルカメラ。ニコン 映像カンパニー開発本部長の山本哲也氏は、「世界最高の画質で新しい映像の世界を作る。高画素に対して、ニッコールレンズは性能を十分に活かせる」と既存レンズとのマッチングを強調。ベースの機能はプロ機「D4」を踏襲しながらも小型軽量化を実現したとする。山本氏は、「D4とD800シリーズで広いニーズをカバーできる」とした。
ニコン 映像カンパニー マーケティング本部 第一マーケティング部ゼネラルマネジャーの笹垣信明氏 | 通常モデルのD800(右)とローパスフィルターを無効化したD800E(左) |
ニコン 映像カンパニー マーケティング本部 第一マーケティング部ゼネラルマネジャーの笹垣信明氏はD800について、「圧倒的に高精細で、中判デジタルカメラや中判デジタルバックに匹敵する」とアピール。広角で図書館の内部を写した写真では、「本の一冊一冊まで見ることができる」と説明した。
一部分を拡大して解像力をアピール |
3,630万画素の画素数は、風景やスタジオ写真で「D3X」を使用しているユーザーなどからの“さらなる高画素を”という声に応えたものだという。笹垣氏は、「高画素などの新しい機能を提案することで、カメラマンが新しい使い方を切り開いてくれる。想定以上の使われ方が広がっていくのではないかと期待している」と話した。
D800 |
ドライブモード選択はリングで行なう方式に変更された |
CFとSDメモリーカードが利用できる。D4が採用したXQDメモリーカードには非対応 | バッテリーはD7000などと同じタイプで、前モデルのD700と互換性はない |
またローパスフィルターを無効化したD800Eについては、「風景や美術品などの撮影に向く。立体感、空気感、臨場感にあふれる写真が撮れる。ニッコールレンズのポテンシャルを最大限に引き出す」(笹垣氏)とした。なお、被写体によっては若干のモアレや偽色が出る場合があるという。
なおD800シリーズに占めるD800Eの販売比率は、「新しいコンセプトなのでユーザーの声を聞きながらと言ったところだが、1割かそれを切るくらいと見ている」とした。
D800を世界最高画素モデルだとした(35mmフルサイズセンサーにおいて) | D800の主な特徴 |
カメラのポジショニング | D4とD800シリーズでニーズを広くカバーするという |
新開発の有効3,630万画素センサーを採用 | AEセンサーはD4と同じシステム |
画像処理エンジンもEXPEED 3で、D4と同じ。高感度NRなどを利用してもコマ速は落ちない |
Dムービーもプロのニーズに対応できるクォリティだとした | 動画でもクロップ撮影可能 |
AFは一部がF8対応で、テレコンバーターを使用してもAF可能 | D700からは1割軽量化した |
液晶モニターは色再現性を高めたという | D800シリーズは多くの機能がD4と同等。起動時間とレリーズタイムラグもD4と同じとなっている |
ローパスフィルターを無効化したD800Eも用意する | D800E |
会場に展示してあったD800Eのプリント | 同D800 |
D800(左)とD700(右)の比較 |
■1,000mm相当の超望遠で「月も大きく写せる」
COOLPIXシリーズはモデルを発表。今回の進化ポイントは“高倍率”と“光学VR”だとした。
COOLPIX春モデルの進化ポイントは、高倍率レンズと手ブレ補正 | 春モデルのラインナップ |
特に「COOLPIX P510」は42倍ズームで、望遠端1,000mm相当(35mm判換算)の超望遠撮影が可能。手ブレ補正機構「VR」と合わせて、「手持ちで月を大きく写すことができる」とした。
COOLPIX P510 |
望遠端にしたところ | 月もこの大きさで写せる。クレーターまで見えるという |
また、「COOLPIX P310」は、広角端でF1.8の明るいレンズを備えながら4.2倍ズームを実現した。COOLPIX P5102とCOOLPIX P310については、光学VRのうちでも補正効果がシャッター速度換算約4段分の高性能タイプを搭載している。
COOLPIX P310。同シリーズでは初めてとなるホワイトをラインナップした |
そのほかのCOOLPIX春モデルは以下の通り。
COOLPIX S9300。18倍ズームレンズ、GPS機能など搭載 |
COOLPIX S6300。10倍ズームモデル |
COOLPIX S4300。6倍ズームで、タッチパネル液晶搭載機。なお、タッチパネル比搭載の「COOLPIX S3300」も用意する |
COOLPIX L810。26倍ズームモデル。単3電池対応 | COOLPIX L26。同社コンパクトデジタルカメラのエントリーモデル。5倍ズームで、単3電池対応 |
ニコンイメージングジャパン取締役社長の五代厚司氏は、「D4は世界中で想定を上回る注文をもらったため、製品を十分用意できなかった。発売を1カ月遅らせることになった」とお詫びの言葉を述べた。一方で、「COOLPIXは、春商戦での大きな話題になって欲しい」と希望を話した。
ニコンイメージングジャパン取締役社長の五代厚司氏 |
2012/2/7 17:31