東芝、受信感度を高めた「TransferJet」対応LSI


 東芝は26日、近接無線転送技術「TransferJet」規格に対応した無線LSI「TC35420」を製品化したと発表した。2012年1月末からサンプル出荷を開始し、2012年第2四半期に量産を開始する。月産100万個を予定している。

TC35420

 TC35420は独自のワイヤレス転送技術を採用したことで、TransferJet規格値の-71dBmを上回る-78dBmの受信感度を実現したのが特徴。対応機器間での安定的な通信に貢献するとしている。

 加えて、独自のRF-CMOS LSI実装技術も採用。業界で初めて、無線LSI内にTransferJet用RF(無線機能)回路、RFスイッチを内蔵したという。これにより外部RF回路および周辺部品を削減でき、機器の小型化や薄型化が可能になるとしている。

 さらに65nmプロセスを用いることで、パッケージを4×4×0.5mmと業界最小サイズにしたという。パッケージはLGA(Land Grid Array)81。RF特性の周辺部品やLSI端子の削減もパッケージサイズの小型化に寄与した。超高速ホスト・インターフェース「SDIO UHS-I」をサポートする。

TransferJetの利用シーン(東芝提供)

 TransferJetは、東芝を含む53社が加盟している「TransferJetコンソーシアム」が規格化を進めている無線転送技術。パソコンと接続した対応クレードルに、対応デジタルカメラを載せて画像を転送することなどができる。また、対応デジタルカメラ同士を近づけることでの通信も可能となっている。




(本誌:武石修)

2011/9/27 12:28