ソニー、人物写真を自動でトリミングする「α57」

〜全画素超解像技術、電子先幕シャッター搭載

 ソニーは、Aマウントのレンズ交換式デジタルカメラ「α57」を4月13日に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格はボディのみが8万円前後、「DT 18-55mm F3.5-5.6 SAM」を含むズームレンズキットが8万5,000円前後、ズームレンズキットに「DT 55-200mm F4-5.6 SAM」を加えたダブルズームレンズキットが10万5,000円前後の見込み。

α57。装着レンズはDT 18-55mm F3.5-5.6 SAM
α57+DT 18-55mm F3.5-5.6 SAMα57+DT 55-200mm F4-5.6 SAM

 α65と同サイズのボディに、有効1,610万画素のCMOSセンサーや約144万ドットの液晶ビューファインダーを搭載したローエンドモデル(α65はそれぞれ有効2,430万画素、235万9,296ドット有機EL)。レンズ収差補正機能、動画60p出力、電子水準器といった機能を継承した。追尾フォーカスは、顔優先追尾をオン/オフ可能にした。

 同社によると、α57ではα55のユーザーから寄せられた意見を多く反映しているという。これまでAマウントのローエンドを担っていたα55と比較すると、レリーズタイムラグ約0.05秒という電子先幕シャッターが利用可能になったことでレスポンスが向上。バッテリーをα77/α65、α900/α700などと同じ「NP-FM500H」に変更したことで撮影可能枚数も380枚から590枚に引き上げた(いずれも液晶モニター使用時)。EVFの画素数もVGAからSVGAに向上。動画の連続撮影時間はα55の約9分から約29分とした。AFは15点(3点クロス)でα65やα55と同じ。なおGPS機能は省略している。

 α57では、これまでトランスルーセントミラーテクノロジー機に搭載されてきた「連続撮影優先AE」に代わり、「テレコン連続撮影優先AEモード」をモードダイヤルに搭載。撮影範囲を1.4倍クローズアップ(記録サイズ8.4M)の状態とすることで、フル画素の10コマ/秒より速い12コマ/秒での撮影を可能とした。

「T 12」のマークがテレコン連続撮影優先AEモードシャッターボタン周り

 また、同社コンパクトデジタルカメラのサイバーショットで採用されている「全画素超解像技術」を搭載。解像感を保ったまま最大2倍の焦点距離相当でフル画素記録できるというもので、静止画の単写時に利用できる。

 「オートポートレートフレーミング」は、顔認識と超解像技術を利用した新機能。カメラが顔を認識した状態で撮影すると、その顔をメインに3分割法に基づくトリミングを行ない、超解像技術でフル画素にして記録するというもの。ポストビューの画面にトリミング枠が表示され、オリジナルの画像と併せて記録する(JPEGのみ、撮影モードに制約あり)。

 例えば、引き気味の日の丸構図で人物撮影した場合、3分割法に基づいた顔の配置になるよう周囲を自動的にトリミングする。その際、横位置から縦位置にトリミングされることもある。複数の顔が認識されている場合は、シャッターを押す前にメイン被写体としてフレームが強調表示された顔を中心にフレーミングを行なう。

 EVF「Tru-Finder」は、メガネ着用時にファインダーの四隅が見づらいことを踏まえ、表示範囲を変更することでファインダー倍率を2段階の選択式とした。倍率を下げた場合、約144万ドットのうち中央の約125万ドットを使用する。

 クリエイティブ機能「ピクチャーエフェクト」はα77/α65と同様の15種類を搭載。シーン認識機能は「オートアドバンス(AUTO+)」からサイバーショットなどと同じ「プレミアムおまかせオート」に名称変更。シーンに応じた自動連写、連写合成、スローシンクロ発光などを自動で行なうとしている。

 レンズ収差補正機能は、周辺光量低下、倍率色収差、歪曲収差を撮影後の画像処理で補正するもの。これまで対応していた「DT 16-50mm F2.8 SSM」、「DT 18-55mm F3.5-5.6 SAM」、「DT 18-250mm F3.5-6.3」、「DT 55-200mm F4-5.6 SAM」、「DT 16-80mm F3.5-4.5 ZA」、「DT 16-105mm F3.5-5.6」に加え、新たに「Distagon T* 24mm F2 ZA SSM」、「Planar T* 85mm F1.4 ZA」、「Sonnar T* 135mm F1.8 ZA」、「70-300mm F4.5-5.6 G SSM」、「DT 35mm F1.8 SAM」、「DT 50mm F1.8 SAM」に対応する。

製品名α57α65α55
発売年月2012年4月2011年10月2010年9月
撮像素子APS-Cサイズ(23.5×15.6mm)
有効画素数約1,610万約2,430万約1,620万
ISO感度ISO100-16000ISO100-12800
動画記録方式AVCHD(Ver.2.0)/MP4AVCHD/MP4
記録メディアメモリースティックPRO-HGデュオ/PROデュオ、SDXC/SDHC/SDメモリーカード
EVF0.46型約144万ドット相当0.5型XGA OLED0.45型約144万ドット相当
背面モニター3型ワイド約92万ドット
背面モニター角度調整バリアングルチルト可動式
最高シャッター速度1/4,000秒
連写性能約10コマ/秒(フル画素)、約12コマ/秒(クロップ)約10コマ/秒
バッテリーNP-FM500HNP-FW50
撮影可能枚数約590枚約560枚約380枚
約132.1mm約124.4mm
高さ約97.5mm約92mm
奥行き約80.7mm約84.7mm
質量約618g約622g約500g



(本誌:鈴木誠)

2012/3/21 11:00