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ニコン、「Nikon 1」の発表会で7本の新レンズを参考出品


 ニコンは21日、レンズ交換式デジタルカメラの新シリーズ「Nikon 1」の発表会を都内で開催した。ここでは発表会の模様をお伝えする。製品の詳細は記事末のリンク先を参照されたい。

Nikon 1 J1 ニコンでは珍しいピンクも用意した

 Nikon 1は、新開発の“1インチセンサー”を採用した「CXフォーマット」のレンズ交換式デジタルカメラ。上位モデル「Nikon 1 V1」と下位モデル「Nikon 1 J1」を用意する。いずれも10月20日から順次発売する。

Nikon 1で新たな市場を創出する

 発表会の冒頭、ニコン取締役社長の木村眞琴氏が挨拶した。

ニコン取締役社長の木村眞琴氏

 「ニコンは光学をコアにした技術をベースに写真文化の創造と発展に貢献してきたと自負している。カメラ開発の基本思想はフィルムカメラからデジタルカメラの今になっても変わってはいない。撮れないものを撮れるようにする撮影領域の拡大だ」とカメラ作りへの姿勢を示した。

 「1990年台からデジタル化が大きな流れになってきたが、人がカメラに求める基本的なものは大きな変化がないのかも知れない」とも述べた木村氏。これまで世の中の潮流を踏まえながらカメラとは何なのかを問うてきたのだという。

 それを踏まえて今回の新製品を「大切な瞬間だけでなく、記憶まで残すことができる特別な製品。一眼レフカメラやコンパクトデジタルカメラを超えた新しいコンセプトのカメラ」と紹介した。「約1世紀に渡って光学をベースに多くのノウハウを蓄積してきたニコンだからこそできるカメラを作りたかった。人々の思いを具現化したいという思いかあった」(木村氏)とする。

 また木村氏は、Nikon 1の投入について「新しい映像の価値を提案できる製品。新たなカメラ、新たなブランドがきょう始まった。今後システムの拡充を図っていく」と結んだ。

 ニコンでは、Nikon 1を“ミラーレスカメラ”ではなく「レンズ交換式アドバンストカメラ」と表現してる。既存のミラーレス市場に参入するのではなく、新市場を創出するという意味からだという。

製品登場前のステージではダンサーなどがパフォーマンスを行なった
世界同時発表とあって、カウントダウンを実施 新シリーズを「Nikon 1」とした

デジタル一眼レフカメラと変わらない合焦速度

 続いてニコン映像カンパニープレジデントの岡本恭幸氏が製品について説明した。

 岡本氏は、Nikon 1を「他社のミラーレス機の代行として開発したものではく、大分前から作っていたもの。他社がミラーレスカメラを出さなかったとしても出したカメラ」とした。

 今のタイミングでリリースしたことについては、「一眼レフカメラは目下絶好調で逡巡もあったが、新しい市場を作るということで今は不安はない」(岡本氏)と述べた。岡本氏によれば、デジタル一眼レフカメラとも、コンパクトデジタルカメラとも違った大きな市場ができているのだという。「デジタル一眼レフカメラの趣味層が確実に拡大している一方で、コンパクトデジタルカメラではちょっと物足りないという人が新しいカメラを求めている」(岡本氏)とニーズを解説した。

 また、グローバルではミラーレス機がレンズ交換式デジタルカメラの1割を占めるようになり、国内に限ってはほぼ半分に達していることも投入時期と判断した理由だとした。「(ミラーレス機は)欧米でもじわじわきている」(岡本氏)。

・Nikon 1 V1

1 NIKKOR 10mm F2.8を装着したところ キャップも本体色に合わせた
ブラックとホワイトを用意する

・Nikon 1 J1

全5色を用意する
1 NIKKOR VR 10-30mm F3.5-5.6を装着したところ
  ポップアップストロボを内蔵する
1 NIKKOR VR 10-30mm F3.5-5.6の鏡枠を繰り出したところ
数量限定の「Nikon 1 J1ダブルズームキット ピンクスペシャルキット」 参考出品としてキャリングケースが展示されていた

・レンズ装着例

1 NIKKOR VR 30-110mm F3.8-5.6も鏡枠沈胴式(沈胴時)
使用時(広角端) 使用時(望遠端)
パワーズームを備える1 NIKKOR VR 10-100mm F4.5-5.6 PD-ZOOM

 Nikon 1のアピールポイントについて、岡本氏は第一に「合焦性能。ピントの合う確率は業界ナンバーワン」とAFを挙げた。今回の新モデルは、両機とも位相差AFとコントラストAFのハイブリッド式となっている。

 位相差AFのセンサーは、撮像素子の画素に埋め込む形で多数を配置した。位相差AFセンサーは撮像素子の全域はカバーしていないが、センサーの周囲を除く部分に配置してある。

 位相差AFとコントラストAFは、カメラが自動的に判断してどちらかを使用する。メインは位相差AFになっており、位相差AFで合焦が難しい場合や、画面周辺にピントを合わせたい場合はコントラストAFに切り替わる。ユーザーが任意に方式を選ぶことはできない。なお、位相差AFセンサーのある画素については、周囲の画素からの情報で画像を補完するという。

センサーは新開発の“1インチ”CMOSセンサー 35mm判換算の焦点距離にするには、レンズの実焦点距離に2.7を掛ける

 説明員によれば、AF速度は「デジタル一眼レフカメラ並。デジタル一眼レフカメラより遅いということはない」とする。位相差AFを採用したのは、高速連写や動画撮影でのメリットを見込んでのことだという。「AF追従の10コマ/秒は位相差AFでないとできない。動画撮影時にも、コントラストAFのように一旦ボケてからの合焦ではなく、素早く合う」(説明員)としている。なお、撮影タイムラグ(シャッターボタン一気押しで、AFを使用して画像が撮影されるまで)は世界最速だという。

新たなマウントとなる「Nikon 1マウント」を採用
新画像処理エンジン「Expeed 3」も採用。処理速度などを向上させた メイン基板
両機種とも外装は金属製

 CXフォーマットついては、「大きなサイズや小さなサイズを選んだ会社もあるが、長年研究したベストバランスを考慮した。“画素数やセンサーサイズ=高画質”という時代は終わったのではないか。高画質ながら、カジュアルに撮れるカメラにした」(岡本氏)と採用の理由を述べた。

 最初から“1インチ”というサイズがあったわけではなく、静止画と動画の融合、高速連写、高速動画を実装しつつ、システムの最小化を行なった結果だとしている。

動画、静止画、音楽を組み合わせて再生する「モーションスナップショット」を搭載 高速連写した中からカメラが自動的に良い写真を選択する「スマートフォトセレクター」も利用可能
AFの合焦は世界最速だとする AF追従で10コマ/秒の連写に対応
高速度撮影によるスローモーションにも対応 同社のオンラインアルバム「my Picturetown」もモーションスナップショットの再生に対応した

・アクセサリー

SB-N5 後方へのバウンスも可能
Nikon 1 V1用のGPSユニット「GP-N100」を装着したところ
Nikon 1 V1はマルチアクセサリーポートを備える マルチアクセサリーポートの端子形状
既存の外部マイク「ME-1」なども使用できるように変換アダプターを別売する
Fマウント用マウントアダプター「FT1」。会場には動作するモデルはまだ無かった
Nikon 1 V1に装着したところ Fマウントレンズの装着例

参考出品(レンズ以外は商品化未定)

・レンズ

Nikon 1用のレンズ7本を参考出品していた。今後3年間を目処に順次投入するという 標準単焦点レンズ
薄型標準ズームレンズ マイクロレンズ
大口径単焦点レンズ 広角ズームレンズ
高倍率ズームレンズ 望遠ズームレンズ

・ボディ

カラフルなボディを始めさまざまな外装のボディを参考展示していた

・アクセサリー

通信ユニット プロジェクターユニットなどもあった
LEDライト マクロ撮影用とみられる照明
動画撮影向けというアクセサリーを装着したところ

増える女性ユーザーを取り込む

 岡本氏は、デザインについても自信を見せた。「5色をレンズとボディで同じ色で展開する。ニコンの雰囲気に合わないかも知れないが(笑)、デザインにも注目して欲しい。アメリカ人はレッドが大変好き。個人的には白が気に入っている。個性的な女性にはピンクにトライしていただきたい」(岡本氏)。

 今後の製品戦略については、「3本柱で行く。デジタル一眼レフカメラとコンパクトデジタルカメラはトップシェアを争っており、かなりうまくいっている。Nikon 1で新しいセグメントをやっていく。数年後には業界ナンバーワンの地位も夢ではない。写真を愛するすべての人にご指導いただき、写真を一番よく知っている会社は僭越ながらニコンだと思っている」(岡本氏)。デジタル一眼レフカメラについては、「正常進化させていく」(岡本氏)と話した。

 ニコンイメージングジャパン取締役社長の五代厚司氏は、Nikon 1のターゲットユーザーを既存のデジタル一眼レフカメラユーザと、コンパクトデジタルカメラからステップアップする層の2つだとした。前者からは軽量で気軽に持ち運べるシステムを、後者からは手軽ながら本格的に取りたいというニーズがあったという。「双方の市場がますます拡大していくと考えている」(五代氏)。

ニコンイメージングジャパン取締役社長の五代厚司氏 Nikon 1の投入を「機は熟した」と表現
ミラーレス機(赤線)の構成比が高まっている Nikon 1で新市場を創出するという
プロモーション展開。キャラクターには木村拓哉さんを起用 これまでの「本物感」や「高品質」といったイメージはそのままに、新たに親しみを持ってもらうブランディングをするという
五代氏は「Nikon 1でNo.1」と販売の意気込みを見せた

 また、女性ユーザーの取り込みも重視する。五代氏によるとデジタル一眼レフカメラを購入する女性の比率は約15%、ミラーレス機では同35%に上るという。「この傾向はますます鮮明なものになってくる。特にNikon 1 J1は、女性に受け入れられるものと信じている」(五代氏)とした。今回の2機種も、宣伝にはタレントの木村拓哉さんを起用する。

同時発売のアクセサリーと組み合わせた世界観の展示も行なっていた
会場の様子 木村拓哉さんの登場もあって多くの報道陣が詰めかけた

 白のスーツで現れた木村拓哉さんは、「ブレた写真は撮りたくないと思っていたら手ブレ補正が付いた。タイムラグのあるカメラもあるけれど、これはめちゃくちゃ速い。暗いところでも撮れるし、あと何が必要かなと思う。防水機能が付いてくれれば……」とコメントしていた。

※木村拓哉さんの写真は、所属事務所の意向で掲載しておりません。




(本誌:武石修)

2011/9/21 20:19