ミレニアム開発目標(MDGs)写真展「世界を写そう:私たちは貧困を終わらせる」が開幕


 国連開発計画(UNDP)、オリンパス株式会社、AFP財団は1日、ミレニアム開発目標写真展「世界を写そう:私たちは貧困を終わらせる」を開始した。

東京会場第1タームの会場、国連大学内の地球環境パートナーシッププラザ入口会場内の様子。約110点の受賞作を展示している

 国連大学内の地球環境パートナーシッププラザで12月1日から5日まで、東京会場第1タームとして開催。続く東京会場第2タームは、12月7日から2011年1月9日にかけ、JICA地球広場1階体験ゾーンで行なう。

 2011年2月以降、横浜、名古屋、神戸などでの全国巡回展も予定しているという。

 写真展は、上記3団体・社が共同で開催した写真コンテンスト「Picture This: We Can End Poverty(貧困を終わらせる)」の受賞作品を中心に展示するもの。UNDPが設定したミレニアム開発目標(MDGs)達成に向けて取り組む人々の生活を描く写真を募っていた。応募点数は世界から計3,400点以上に及んだという。

 開幕日の12月1日、東京会場第1ターム会場の地球環境パートナーシッププラザにおいて行なわれたオープニングセレモニーには、UNDP総裁のヘレン・クラーク氏が来場。写真展開催への思いと経緯を語った。

「1枚の写真は1,000以上を語る」とのことわざを引き合いに出したクラーク氏は、「受賞作を見ていただくことで、食料安全保障の大切さ、教育の重要性など、様々なことが伝わることでしょう。MDGs達成年まであと5年です。MDGsに対する理解を深め、どういった具体的な目標があるのか知ってもらいたい。支援の大切さを知ってもらえる良い機会になるのでは」と述べた。

 同じく式典に出席したオリンパス株式会社取締役常務執行役員の森久志氏は、「オリンパスは、社会と融合し、社会と価値観を共感し、社会に新しい価値を提案し、健康と幸せな生活を実現するという“Social IN”を経営理念として掲げてきた。その経営理念を果たしていきたい」と挨拶した。

 また、これまでUNDPと共同で行なってきた取り組みについて触れたほか、9月の国連ミレニアム開発目標サミットおいて、今回の作品を国連本部で発表したことを報告。「今後も目標達成の支援を続ける」と締めくくった。

UNDP総裁のヘレン・クラーク氏クラーク氏とオリンパス森久志氏(取締役常務執行役員)によるテープカット

 MDGsは、貧困にまつわる8つの目標(ゴール)を2015年までに達成することを目指すもの。具体的には、ゴール1「極度の貧困と飢餓の撲滅」、ゴール2「普遍的初等教育の達成」、ゴール3「ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上」、ゴール4「乳児死亡率の削減」、ゴール5「妊産婦の健康の改善」、ゴール6「HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延防止」、ゴール7「環境の持続可能性の確保」、ゴール8「開発のためのグローバル・パートナーシップの推進」となっている。

 コンテストでは、アマチュア部門、プロ部門のそれぞれで、各ゴールごとに受賞者を選定。加えて今回から、インターネットでの投票で選出される「People’s Choice賞」も設けた。

左上がプロ部門1位、右上がアマチュア部門1位の作品左上がPeople’s Choice賞の作品
ミレニアム開発目標(MDGs)について学べるパネル展示も併設



(本誌:折本幸治)

2010/12/1 16:41