【フォトキナ】カシオ、“HDR ART”搭載の「EXILIM EX-ZR10」発表

〜GPS・マップ内蔵デジカメ「EX-H20G」も

 カシオは、ドイツで21日開幕するカメラ関連の展示会「フォトキナ2010」において、新製品のコンパクトデジタルカメラ2製品を発表した。高速連写と画像合成による「HDR ART」機能を搭載した「EXILIM EX-ZR10」とハイブリッドGPSを内蔵した「EXILIM Hi-ZOOM EX-H20G」で、今年中に日本を含む全世界で発売する予定だ。

EXILIM EX-ZR10。35mm判換算で28mmスタートの光学7倍ズームレンズを採用する。新機能「HDR ART」を搭載
EXILIM Hi-ZOOM EX-H20G。24mmスタートの光学10倍ズームレンズを搭載。GPS機能と簡易マップを内蔵する

 EX-ZR10は、画像処理エンジンとして新たにマルチCPUを内蔵した「EXILIM ENGINE HS」を搭載し、1,200万画素の裏面照射型CMOSセンサーを採用する。1回のシャッターで露出の異なる複数の画像を高速連写し、それを合成することでハイダイナミックレンジ(HDR)の画像を作成できる機能を搭載しており、これを応用したのがHDR ART機能だ。被写体のコントラストや色の飽和をコントロールし、ドラマティックで目を引くHDR画像を自動で作成できる。

正面
本体背面上部

 HDR ART機能で作成される画像は、自動シーン判別機能のプレミアムオート機能を応用して被写体を認識。人物や風景など、シーンに応じてパラメーターを変えることで、被写体に応じた独特のアーティスティックな画像を作成できるとしている。

通常の画像HDRの画像
HDR ARTになると、より独特な雰囲気の画像を作成できるその他のデモ画像

 カシオの執行役員QV事業部長の中山仁氏は、EX-ZR10のテーマを「デジタルアートエンターテインメント」と紹介し、パソコンを使わなくては作れなかったような「リアリスティック、アーティスティックな画像が簡単に作成できる」と強調する。

 EX-H20Gは、1月のInternational CES 2010で開発発表がああったGPS内蔵デジカメ。GPSに加えてモーションセンサーを併用した「ハイブリッドGPS」を搭載することで、GPS電波が届かない地下や屋内などの場所でも、正確に現在位置を取得できるというのが特徴だ。

画面には地図が表示されており、撮影した画像を地図上で確認できる
本体上部。GPSアンテナと地図表示ボタンなどが搭載されている。スタイリングはCESから大きく変わっていない

 電源オフ時でも定期的にGPS電波を取得して現在位置を把握するほか、カメラが動くと自動的にモーションセンサーが動作して現在地を取得してくれるので、より高速に、より正確に現在地が記録できる。

 カメラ内部に簡易地図を内蔵し、世界中の著名な観光地の写真と情報を1万件、名称は100万件搭載。写真撮影時に、GPSデータとともに観光地の名称を記録することが可能だ。地図上から観光地の画像を閲覧することもできる。

地図上にプロットされているのは著名観光地とその写真。写真を見て、行きたい場所を決めて、同じ構図で撮影する、といったことが可能100万件の名称情報が登録されており、単なるGPSの数字の羅列だけでなく、場所の名称も記録される
撮影した画像は地図上にプロットされ、どんなルートで移動したかが一目瞭然

 中山氏は、デジカメの撮影日時のように、現在地情報が付加されることが当然のようになると予測し、「すべてのカメラに今後GPSが内蔵される可能性がある」と指摘する。撮影場所が記録されることで、地図上に撮影画像を貼り付けて閲覧できるようになり、特に旅行で楽しめるカメラだとして、中山氏は「究極のトラベルパートナー。トラベルエンターテインメントのカメラ」だと話す。

2台のカメラを持つ執行役員QV事業部長の中山仁氏常務取締役営業本部長の中村寛氏

 カシオの営業本部長・中村寛常務取締役は、QV-10やEX-S1、ハイスピードカメラなど、他社とは異なる視点でデジタルカメラを進化させてきたカシオによる「新しい発想のデジカメ」と話し、2つの新製品を「デジタルイメージング革命」をもたらすカメラだと紹介する。

デジタルイメージング革命を狙う2つの新製品

 現時点で具体的な発売日は明らかになっていないが、カシオではこの2種類のカメラを年内にも発売。日本でも発売される見込みで、価格は欧州ではEX-ZR10が270ユーロ前後、EX-H20Gが300ユーロ前後が想定されている。



(小山安博)

2010/9/21 00:00