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バックアップソフト「Acronis True Image」がバージョンアップ

Facebookのアルバムもバックアップ可能に

アクロニス・ジャパンは9月14日、個人向けバックアップソフトウェア「Acronis True Image 2017」を発表した。従来に比べてモバイルやSNS対応を強化したほか、カメラユーザーにとっても心強い新機能を搭載した。

オンライン版の発売は9月14日、パッケージ版の販売は10月14日で、価格はオンライン版が1コンピュータ用ライセンスで税別4,980円、1TBのクラウドストレージ付属版が税別7,980円などとなっている。

True Imageは、約14年の歴史を誇る個人向けバックアップソフト。PCやMacのシステム全体をバックアップするディスクイメージを作成し、異なるPC/Macへの復元も可能。ファイル単位でのバックアップ、復元も可能で、バックアップ先はローカルのNASや外付けHDDだけでなく、同社が用意するクラウドストレージの「Acronis Cloud」にもバックアップができる。

更新、追加のあったファイルだけをバックアップする増分バックアップにも対応しており、一度フルイメージバックアップをしておけば、その後のバックアップ時間も高速に行われる。

新バージョンは「すべてをバックアップできる」と、AcronisのVP/GM グローバル コンシューマ&オンラインセールスのガイダー・マグダヌロフ氏は強調した。

ガイダー・マグダヌロフ氏

Facebookのアルバムもバックアップ

Windows、Mac、iOS、Androidに加え、新たにSNSのFacebookのバックアップにも対応した。マグダヌロフ氏は、Facebook上で自身のポートフォリオを公開していたプロ写真家が、いつの間にかアルバムの一部が消えていた例を挙げ、Facebookがバックアップできることの利点を紹介する。

Acronis True Image 2017の新機能
高速化やリモートバックアップ、Facebookのバックアップ機能を追加した

モバイル向けの機能強化では、iOSやAndroidの端末内にある写真や動画、連絡先などのデータをWindows PCにバックアップする際に、無線LAN経由で自動バックアップができるようになった。

PCとケーブル接続する必要がなく、同じネットワーク内に入るだけで自動バックアップされるため、不意のトラブルなどで端末がなくなったとしても、データが復旧しやすくなった。

バックアップの中から、写真1枚、連絡先1件といった個別の復元も可能。モバイル端末のバックアップは台数無制限のため、同じアカウントを紐づけておけば、遠隔地に住む両親のスマートフォンをAcronis Cloudにバックアップする、といったことも可能。

リモート操作が可能なので、バックアップ操作のために自宅に戻ったり、実家に帰ったりといった移動も必要ない。

モバイル端末のバックアップ機能
リモートでもバックアップ操作を行える

利用頻度の低いファイルや大容量ファイルをアーカイブして外部ドライブやNASに保存することもできるようになり、普段は利用しない過去のデータを圧縮し、容量を削減しながらバックアップを行うことも可能になった。

バックアップ速度も高速化。バックアップしたデータの検索速度も向上させたことで、バックアップの中から必要なデータだけを探して復元する作業もより簡単に行えるようになったという。

Acronis True Image 2017の画面
バックアップデータから画像だけを抽出できる。ここからファイルを選んでアーカイブ化することも可能

バックアップ先として選択できるAcronis Cloudは、これまでデータ容量が無制限で年額9,980円(1コンピュータ版)だったが、サービス提供後2年間の利用実績では「250GB~1TBの間に90%の人が収まる」(アクロニス・ジャパン リージョナル プロダクト マネージャー 古舘興章氏)という。

古舘興章氏

そこで、50GB、250GB、500GB、1TBのプランに変更して、その分、年額をそれぞれ3,980円、4,980円、5,980円、7,980円と、容量に応じて選択できるようにした。古舘氏によれば、ほとんどの人が1TBよりかなり低い容量での利用だったとのことで、大量の写真や動画をクラウドにバックアップするユーザーはそれほど多くはなかったようだ。

バックアップデータはエクスプローラーからアクセスすることもできる
離れた場所からバックアップ操作を行うこともできる

とはいえ、Acronis True ImageではNASや外付けHDDへのバックアップが可能であり、写真・動画のバックアップ用途ではローカルでの利用が多かったとみている。

Acronis True Imageの機能を使えば、普段は利用しない過去の写真や容量の大きい動画をアーカイブして保管して、作業中の写真や動画だけをクラウドにもバックアップして不意のデータ破損に備えつつ、外出先でもクラウドから写真を復元して作業を行う、といったことも可能になっている。

バックアップされたFacebookのデータ
投稿や画像だけでなく、いいねやコメントもバックアップされる

マルウェア対策にも

最近国内でも流行しているマルウェアの一種であるランサムウェアは、感染したPC内のデータを暗号化して使えなくして、それを人質にして身代金を要求するというものだ。

暗号化されてしまうと、大切な写真も二度と見られなくなってしまう上に、金銭を支払っても復元されないといったことも起こり得る。

対策としてはバックアップを取っておくことが重要で、Acronis True Imageには「Acronisセキュアゾーン」という機能があり、ランサムウェアに暗号化されないような状態でバックアップを保管できるため、そうした攻撃にも対処できる。

マグダヌロフ氏は、冗談めかして「日本ではゴジラに襲われるとも限らない」と話し、どんなトラブルがあってもデータを保護するためのバックアップの重要性を強調する。

今後、さらにバックアップ元を拡大していく方針で、例えばSNSでは日本で要望の多いLINEのバックアップも検討するほか、Flickrのような写真系のクラウドサービスも「要望次第で検討する」(古舘氏)とのことで、様々な場所に分散するデータを「すべてバックアップする」ことを目指していく考えだ。