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【新製品レビュー】富士フイルム「FinePix Z100fd」

〜おしゃれな定番スリムコンパクトがさらに進化
Reported by 吉住 志穂

 おしゃれなカラーとスタイリッシュなボディで人気の「FinePix Z5fd」がモデルチェンジして、「FinePix Z100fd」になりました。有効画素数が630万画素から800万画素にズーム倍率が3倍から5倍にとそれぞれ強化され、しかも待望の手ブレ補正を搭載。スタイリッシュなデザインも引き続き魅力的です。


手ブレ補正を搭載、SDHC/SDカードにも対応

 FinePix Zシリーズといえば、同じくスーパーCCDハニカムを搭載したFシリーズの弟分(妹分?)というイメージがありますが、Z100fdからはスーパーCCDハニカムではなく、一般的なCCDになりました。その代わりセンサーシフト式の手ブレ補正が付いたわけですが、高感度に強い独特な絵作りがどうなったのか気になります。

 また、ズームレンズが光学3倍から5倍に変更されました。画角は、35mm判換算で焦点距離36〜180mm相当。ちなみに、Z5fdは36〜108mm相当です。望遠側が強くなったことで、撮れる被写体が格段に増えました。しかも手ブレ補正が付いたので、安心して望遠撮影が楽しめるのもポイント。やっぱり、単独で持ち歩ける小さなボディのカメラこそ、高倍率ズームレンズが欲しいものです。






 液晶モニターも強化されています。Z5fdでは2.5型でしたが、Z100fdはわずかに大きい2.7型。数値でみると大差ないように思いますが、使ってみるとかなり大きく感じます。画素数は約23万画素。クリアで再度が高く、明るい場所での見やすさはZ5fdと同等です。

 あらかじめ用意された「家族」、「旅行」、「お気に入り」などのフォルダに写真を分けて保存する機能も、カメラでの再生を重視する使い方にマッチしそうです。パスワードで保護できるフォルダーもあるので、家族で使い回すこともできます。

 またZ100fdからは、FinePix F50fdなどと同じように、記録メディアスロットがxDピクチャーカードとSDHC/SDメモリーカードの共用タイプになりました。「xDピクチャーカードだから……」と購入に踏み出せなかった人には朗報でしょう。

 何よりインパクトがあるのが、前面のレンズカバーです。電源スイッチと連動し、開くだけで撮影モードになるのはこれまでと一緒ですが、カバーの動きが斜め方向になりました。動作は絶妙な滑らかさで、慣れると指一本で開いたり閉じたりできます。珍しい上に操作感が楽しく、つい誰かに見せびらかしたくなるほど。滑らかといっても電源オン、電源オフともバネがしっかりしており、撮影中に力が入っても、電源が突然切れることはありませんでした。


xDピクチャーカードを入れたところ
SDHC/SDメモリーカードも使えます。両方同時は無理

レンズは36〜180mm相当、F3.8〜4.8の光学5倍ズーム
バッテリーと充電器。撮影可能枚数は、CIPA規格準拠で約170枚

斜めに動くレンズカバーが斬新 軽い力で滑らかに動いて…… 開くと「Z」の文字が光ります

操作感が面白い「ホイールダイヤル」

 背面は、Z5fdにあったフォトモード(F)ボタンや、ブレ軽減/高感度2枚撮りボタンなどが省略され、すっきりした見た目になりました。代わりに、十字ボタンがホイールダイヤルに変更されています。ホイールダイヤルの操作感はなかなか良くて、つい、必要がないのにくるくる回してしまいます。

 すっきりした反面、細かい操作が行ないにくいのが残念です。例えば、Z100fdで省略されたFボタンには、これまでISO感度やFinePixカラー(F-クローム、F-スタンダード、F-B&W)のショートカットメニューがありました。Z100fdでは、露出補正、ISO感度、FinePixカラーなど比較的良く使う機能は「撮影メニュー」にまとめられており、撮影メニューは、MENUボタンを押すと現れる「トップメニュー」の一項目。トップメニューには撮影モードがずらりと並べられ、撮影メニューはその中の1つとして一番下にあります。

 ISO感度を変えようと思うたびに、ホイールをくるくる回して撮影メニューを探し、撮影メニューを開いてから、またくるくる回してISO感度を探して……と、慣れるまでは結構大変でした。私のように露出補正やISO感度を頻繁に変える人には面倒ですが、もともと頻繁に撮影設定を変えるカメラではないのでしょう。実際に使用するとなると、おそらくその辺は割り切って使うことになります。一方、顔キレイナビボタンやブレ防止ボタンは独立して設けられているので、これらをとっさに変更したい場合は便利です。


背面の操作部はシンメトリーで美しい配置。ホイールは十字方向に押し込むことも可能
上面には顔キレイナビボタンを装備。赤目軽減設定もここで行なえます

ホイールダイヤルにあわせたかのようなメニューデザイン 細かい設定は、ホイール横を押して横方向に階層をたどっていく

おなじみのFinePixカラーも撮影メニューから選択
露出補正もメニューから。これはちょっと面倒

手ブレ補正は「撮影時」と「常時」の2種類
再生画面のひとつ「日付再生」

100枚同時に表示する「マクロサムネイル」
メニューの色を変更できます。写真はピンクにしたところ

 気になる画質ですが、どんなシーンを撮っても絵になる味付けで、色やコントラストの出方は、フィルムメーカーらしく万人に受けるものだと感じます。高感度でもバランスが失われないのも美点です。液晶モニターの美しさもあって、撮った写真を再生するのが楽しくなることでしょう。

 ただしズームの焦点域によっては、写真の中心以外が流れたようになります。KGサイズぐらいに縮小してみる分には問題ありませんが、大伸ばしにすると気になるかもしれません。高感度ノイズは良く抑えられている印象です。最高感度のISO1600は輪郭の崩れが目立ちますが、Lサイズなどへの印刷や、縮小してのブログ掲載用途には充分です。

 また、レンズに歪曲収差がほとんど見られないのも特徴。Z5fdもそうでしたが、真正面から被写体を撮るとき、歪みが気にならないのはうれしいことです。


まとめ

 顔検出機能の「顔キレイナビ」は、機能的にはZ5fdと同じ。F50fdのように、斜め顔を検出することはできないようです。ただ、認識速度や認識率は、他社を含めてトップクラス。シャッターボタンを半押ししなくても認識するので、自分撮りやセルフタイマー撮影で威力を発揮します。

 そのほか新機能では、「オークションモード」が楽しめました。出品する商品のアップや全体を順番に撮り、3分割や4分割された1枚の写真にまとめるモードですが、アイデア次第では組み写真的な使い方もできるでしょう。Web用ということで、記録解像度が640×480ピクセルなのが少しもったいなく感じます。

 ボディの奥行きは19.8mm。Z5fdよりわずかに厚みが増しましたが、斜めに動くレンズバリアはもちろん、全体的に他を寄せ付けないスタイリッシュさは、Zシリーズならではでしょう。5倍ズームレンズと手ブレ補正が付いたことで、撮影範囲が広がったのはうれしいところ。また、今回は特にボディカラーが個性的で、シルバー、ブラウン、ホワイト&ブラックは、他社にないカラーセンスでとてもおしゃれです。男性にもおすすめですよ。


Z5fdから引き続き、irSimpleによる赤外線通信機能を搭載
ブログモードと赤外線機能の連携もできます

FinePixでおなじみの「高感度2枚撮り」はやっぱり便利
撮影後に仕上がり具合を並べて確認できます

「顔キレイナビ」はZ5fdと同じ。認識率が高くて高速
複数の顔も検出。ぬいぐるみの顔は認識しませんでした

新機能の「オークションモード」。レイアウトをまず選択
その後の撮影すると、写真が順番に枠にはめ込まれます

作例

  • 作例のリンク先のファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
  • 作例下の撮影データは、記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。
  • 強調のため一部の項目を1行目に抜粋した場合もあります。


●ISO感度


ISO64
3,264×2,448 / 1/20秒 / F4.4 / -0.33EV / WB:昼光 / 11.3mm
ISO100
3,264×2,448 / 1/30秒 / F4.4 / -0.33EV / WB:昼光 / 11.3mm

ISO200
3,264×2,448 / 1/60秒 / F4.4 / -0.33EV / WB:昼光 / 11.3mm
ISO400
3,264×2,448 / 1/120秒 / F4.4 / -0.33EV / WB:昼光 / 11.3mm

ISO800
3,264×2,448 / 1/240秒 / F4.4 / -0.33EV / WB:昼光 / 11.3mm
ISO1600
3,264×2,448 / 1/150秒 / F8 / -0.33EV / WB:昼光 / 11.3mm

●歪曲収差


広角端
3,264×2,448 / 1/100秒 / F3.8 / +0.33EV / ISO64 / WB:日陰 / 5.9mm
望遠端
3,264×2,448 / 1/60秒 / F4.8 / +0.33EV / ISO64 / WB:日陰 / 29.5mm

●画角


広角端
3,264×2,448 / 1/125秒 / F3.8 / -0.67EV / ISO64 / WB:昼光 / 5.9mm
望遠端
3,264×2,448 / 1/38秒 / F4.8 / -0.67EV / ISO64 / WB:昼光 / 29.5mm

●FinePixカラー


F-スタンダード
3,264×2,448 / 1/10秒 / F4.5 / -0.33EV / ISO64 / WB:昼光 / 12.5mm
F-クローム
3,264×2,448 / 1/10秒 / F4.5 / -0.33EV / ISO64 / WB:昼光 / 12.5mm
F-B&W
3,264×2,448 / 1/10秒 / F4.5 / -0.33EV / ISO64 / WB:昼光 / 12.5mm

●オークションモード


3分割
640×480 / 1/20秒 / F4.1 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 8.2mm
2分割
640×480 / 1/52秒 / F3.8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 5.9mm

●作品


3,264×2,448 / 1/220秒 / F4.8 / +0.33EV / ISO64 / WB:昼光 / 19mm 3,264×2,448 / 1/170秒 / F4.8 / +0.33EV / ISO64 / WB:昼光 / 29.5mm

3,264×2,448 / 1/17秒 / F3.8 / +0.67EV / ISO64 / WB:昼光 / 5.9mm
3,264×2,448 / 1/10秒 / F4.4 / +0.67EV / ISO64 / WB:昼光 / 11.3mm

3,264×2,448 / 1/200秒 / F3.9 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 6.6mm
3,264×2,448 / 1/80秒 / F3.9 / +0.33EV / ISO100 / WB:オート / 6.6mm

3,264×2,448 / 1/240秒 / F4.8 / 0EV / ISO64 / WB:昼光 / 29.5mm
3,264×2,448 / 1/4秒 / F3.8 / +0.33EV / ISO64 / WB:昼光 / 5.9mm

3,264×2,448 / 1/10秒 / F3.8 / -0.33EV / ISO64 / WB:昼光 / 5.9mm
3,264×2,448 / 1/50秒 / F4.5 / -1.33EV / ISO200 / WB:昼光 / 12.5mm

3,264×2,448 / 1/56秒 / F4.3 / -0.33EV / ISO64 / WB:昼光 / 10.2mm
3,264×2,448 / 1/4秒 / F4.8 / 0EV / ISO64 / WB:昼光 / 19mm

3,264×2,448 / 1/13秒 / F4.8 / +0.67EV / ISO64 / WB:昼光 / 19mm
3,264×2,448 / 1/4秒 / F4.8 / +0.67EV / ISO64 / WB:昼光 / 19mm

3,264×2,448 / 1/140秒 / F4.8 / +0.67EV / ISO64 / WB:日陰 / 19mm
3,264×2,448 / 1/1,000秒 / F6.4 / -1.67EV / ISO64 / WB:日陰 / 5.9mm

夜景モード
3,264×2,448 / 3秒 / F3.8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 5.9mm
夜景モード
3,264×2,448 / 3秒 / F7.1 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 9.2mm


URL
  富士フイルム
  http://www.fujifilm.co.jp/
  製品情報
  http://fujifilm.jp/personal/digitalcamera/finepixz100fd/

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吉住 志穂
(よしずみ しほ)1979年東京生まれ。日本写真芸術専門学校卒業後、竹内敏信事務所に入社。 2005年4月に独立。自然の「こころ」をテーマに、花や風景の作品を撮り続けている。「デジタルフォト」や「日本フォトコンテスト」で連載中。日本自然科学写真協会(SSP)会員。http://www.geocities.jp/shihoyoshizumi/

2007/11/21 00:02
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