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【新製品レビュー】パナソニック LUMIX DMC-FX100

〜有効1,220万画素CCD搭載の男性向けスタイリッシュ機
Reported by 上田晃司

LUMIX DMC-FX100(エスプリブラック)
 人気のパナソニック LUMIX DMC-FXシリーズに、新たに1,220万画素のLUMIX DMC-FX100(以下、FX100)が追加された。画素数だけなら一眼レフデジタルカメラと同等だ。外観やボディはお嬢様カメラと言われるLUMIX DMC-FX30にとても近いのだが、中身はかなりパワーアップが施されている。発売は6月15日で、価格はオープンプライス。実売価格は4万8,000円前後となっている。

 FX30が女性客をターゲットにしたカメラだったのに対し、FX100は男性を意識したカメラだ。カラーはエスプリブラック、ブレードシルバー、ミラージュゴールドの3種類が用意されている。今回は、エスプリブラックをチョイスして撮影してみた。


 ボディの質感と色合いには高級感があり、とても持ちやすいカメラだ。男性を意識したカメラということもあり、ボディはFX30の丸みを帯びたボディーに比べ、やや角ばって頑丈なイメージを受けた。また、スイッチやメニューボタン類もボデイシルエット同様に、丸みを帯びた物から四角の角ばったボタンになっている。

 本体サイズは96.7×24.5×54mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約148g(本体のみ)。 「スゴうす」のキャッチで販売されたFX30と比べると、FX30の奥行きが22mm(突起部を除く)だったのに対し、FX100が24.5 mm(突起部を除く)と、2.5mmほど厚くなっている。しかし、気になる程の差ではないだろう。


男性を意識してボディはやや角ばって頑丈なイメージ スイッチやメニューボタン類もボデイシルエット同様に、丸みを帯びた物から四角の角ばったボタンに

FX100はFX30と比べると若干分厚くなっているが、気になる程の差ではない

 FX100は、広角28mm、従来のFXシリーズの長所を受け継ぎ、新開発の1/1.72型有効1,220万画素CCDでさらにパワーアップした。FX30と比べると、画素数が上がったことにより1画素当たりの受光面積が小さくなったように思えるが、CCDサイズが1/2.5型から一回り大きな1/1.72型に変更されている。

 シーンモードも「高感度モード」でISO6400に対応するなど、被写体ブレに強くなった。連写速度もパワーアップし「連写モード」では最大8コマ/秒まで撮影することができる。さらにEX光学ズームを搭載し最大で7倍までのズームが可能だ。

 レンズは3.6倍ズームのLeica DC VARIO-ELMARITレンズで、焦点距離35mm判換算で28〜100mm相当を実現。開放F値は、F2.8(ワイド端)〜F5.6(テレ端)となっている。テレ端でF5.6は若干暗い印象を受けたので、欲を言うとF4.5あたりが欲しいところだが、この薄いボディに沈胴式の3.6倍のズームレンズ入っていることを考えると仕方ないだろう。また、光学式手ブレ補正機能が搭載されているので、カメラ側のブレに対しては十分に対策が取られていると思う。

 レンズの描写はワイド端28mmで生じる歪みが気になる。だが、周辺光量落ちも少なく、ハレーションやゴーストにも強いレンズだと言えるだろう。このクラスのコンパクトカメラとしては優秀だ。

※作例のリンク先のファイルは撮影した画像です。クリックすると、等倍の画像を別ウィンドウで開きます。
※作例下の撮影データは、画像サイズ/絞り/露出時間/感度/ホワイトバランス/露出補正値を表します。


画角作例

28mm(広角端)
4,000×3,000 / F9 / 1/250秒 / ISO80 / WB:オート / +0.3EV
100mm(望遠端)
4,000×3,000 / F5.6 / 1/400秒 / ISO80 / WB:オート / -0.3EV
196mm(EX光学ズーム)
1,536×2,048 / F5.6 / 1/400秒 / ISO80 / WB:オー ト/ -0.3EV

歪曲収差作例

広角端(28mm)
4,000×3,000 / F2.8 / 1/400秒 / ISO80 / WB:オート / 0EV
望遠端(100mm)
4,000×3,000 / F5.6 / 1/100秒 / ISO80 / WB:オート / 0EV

EX光学ズーム

 AFの精度も高く、AFスピードも速く全くストレスを感じなかった。ズームスピードも速く、シャッターボタン横に増設されたイージーズームボタンを一度押すだけで、瞬時に望遠端に移動する。また、2回押すと画角は望遠端を越えてEX光学ズーム域に入り、自動的に画質が3Mに設定され7倍まで画角を狭くすることができる。作例のようにマクロ撮影で昆虫などあまり近づくことのできない被写体を撮影する際、とても役立つ機能だ。

 EX光学ズームとは、撮像素子の真ん中だけを使用することにより、デジタルズームとは違って画質を落とすことなくズームすることができる機能。簡単に言うとPCで写真をトリミングすることと同じ原理だ。有効1,220万画素のCCDを搭載するFX100にとってはとても便利な機能だ。EX光学ズームを使用すると画質が自動的に300万画素以下に設定され、35mm判換算で約196mm相当の画角を得ることができる。


EX光学ズーム不使用(望遠端、100mm相当)
4,000×3,000 / F5.6 / 1/160秒 / ISO100 / WB:オート / 0EV
EX光学ズーム使用(196mm相当)
1,536×2,048 / F5.6 / 1/125秒 / ISO100 / WB:オート / +0.7EV

撮影感度比較作例

 ISO感度はISO80〜6400。通常撮影モードではISO1600まで手動で設定できる。シーンモードの「高感度モード」を使うことによってISO1600〜ISO6400まで条件によって自動的に設定される。その際、記録画素数は3M(4:3時)、2.5M(3:2時)、2M(16:9時)となる。ISO感度は自動設定なので、条件によってISO4000やISO5000などになることもある。高感度ということもあり画像の劣化はあるが、ストロボを使用できない場合や場所の雰囲気を撮影する際には便利だろう。

 ISO感度によるノイズは、撮影するシーンによって異なるがISO80〜200まではほとんど見られない。ISO400当たりから若干暗部にノイズが発生し始めたが、LUMIXの昨年夏モデルなどに比べると、改善されている印象を受けた。ISO800からISO感度を上げるごとにノイズに加え解像感が失われ始める。最大感度ISO6400になるとノイズがかなり目立ち、解像度がかなり失われた。Lサイズ程度のプリントなら可能だが、大きくプリントする場合は、ISO400以下で撮影するのが理想的だ。


4,000×3,000 / F5.6 / 1秒 / ISO80 / WB:オート / +0.7EV(長時間露光制限あり) 4,000×3,000 / F5.6 / 1秒 / ISO100 / WB:オート / +0.7EV(長時間露光制限あり) 4,000×3,000 / F5. 6/ 1秒 / ISO200 / WB:オート / +0.7EV(長時間露光制限あり)

4,000×3,000 / F5.6 / 1秒 / ISO400 / WB:オート / +0.7EV 4,000×3,000 / F5.6 / 0.5秒 / ISO800 / WB:オート / +0.7EV 4,000×3,000 / F5.6 / 0.3秒 / ISO1250 / WB:オート / +0.7EV

4,000×3,000 / F5.6 / 0.3秒 / ISO1600 / WB:オート / +0.7EV 2,048×1,536 / F5.6 / 1/8秒 / ISO6400 / WB:オート / +0.7EV

 FX100には、FX30と同様に「インテリジェントISOオート」が搭載されているので、被写体が激しく動いていること検知すると、自動で高感度に設定して被写体ブレを防いでくれる。また、動きの遅い被写体は、自動で低感度に設定して高画質で撮影してくれる。これは、画質に問題のある高感度域(ISO400、800、1250)をできる限り使わずにすむ、または被写体ブレを可能な限り防いでくれるという便利な機能だ。

 FX100はFX30と比べると、撮影設定をより詳細に設定することができるようになった。測光モードをインテリジェント評価測光、中央重点測光、スポット測光の3種類の中から選ぶことも可能だ。被写体によって使い分けたい所だ。さらに、画質調整の設定もでき、コントラスト、シャープネス、彩度、ノイズリダクションの強弱を調整することも可能になっている。


高速連写モード

 FX100は「高速連写モード」で最大8コマ/秒で連写することが可能だ。画質はアスペクト比によって異なるが2M(4:3時)、2.5M(3:2時)、2M(16:9時)の設定になる。高速連写は、特に動きの速いものに便利な機能だ。バッファが一杯になるまで連続して撮影することができる(使用するメモリーカードによって枚数は異なる)。

 高速連写モードの弱点は、DMC-FX100が光学ファインダーを搭載していないため撮影中にフレーミングを確認できないこと。少し不安になるが、作例のように三脚に固定して電車などを撮るときには、あらかじめフレーミングを決めておけるので、とても役立つ機能だ。作例では、バッファが一杯になるまで電車を連続撮影してみた。SDメモリーカードは、サンディスクExtreme IIIの2GBを使用して85枚連写することができた。


1枚目 2枚目

3枚目 4枚目

5枚目 6枚目

7枚目 8枚目

 高速連写モードで撮影した電車の写真85枚の中から8枚だけ選んで掲載した。なお、高速連写モード撮影すると、写真の解像度は約200万画素(1,200×1,600ピクセル)まで落として記録される。


動画の撮影と再生機能

 FX100は、ハイビジョンサイズの1,280×720ピクセルで15fpsの音声付動画を撮影することができる。記録形式はQuickTime(Motion JPEG)。15fpsということもあり若干動きの速い物はシャギシャギした映像になっているが、色合いとコントラストは共に好印象だ。動画モード撮影する際は、できるだけ書き込み速度の速いSDメモリーカードまたはSDHCメモリーカードをおすすめしたい。さらに、撮影した動画は別売りのHDTVフォトプレーヤー SDP1を使用することにより撮影した動画や写真をハイビジョンテレビで鑑賞することができる。ハイビジョンテレビのD端子(D3/D4)に接続するだけの簡単接続だ。

 カテゴリー再生機能を使うことによって簡単にシーンモードで撮影した写真のスライドショウを作ることもできる。例えば、風景を選ぶと風景モード、夕焼けモード、空撮モードで撮影した写真を自動的に分類しスライドショウを作ってくれる。スライドショウを書き出せば、パナソニックの薄型TV「Viera」などで再生することができる。写真を撮った後も楽しむことができるカメラだ。

  • 作例のリンク先のファイルは、動画モードで記録したQuickTimeファイル(.MOV)をコピーおよびリネームしたものです。
  • 作例下の撮影データは、ファイル容量/記録時間/記録解像度(ピクセル)/フレームレートを表します。

    ※編集部では再生についてのお問い合わせを受けかねます。あしからずご了承ください。

36.2MB/12秒/1,280×720/15fps
かなりのスピードで動いているので少し映像がシャギシャギしているが、解像感があり家庭で楽しむには十分
14MB/38秒/1,280×720/15fps
花びらまで鮮明に表現されている。花の色も鮮やかに表現されている


 操作系は基本的にFX30と類似している。モードダイヤルを回すと液晶画面にモードダイヤルと同じイラストが画面に表示される。暗い所などではとても重宝する機能だ。電源のスイッチや十字ボタンも個々に分かれておりシンプルでとても操作しやすい。すべて片手で操作できる。イージーズームボタンも使いやすい位置に配置してあるのでとても使いやすい。

 液晶モニターは、FX30と同等の高精細の2.5型(20.7万画素)を搭載している。1,220万画素の写真を見るには画素数が足りないように見えるが、実際使用してみてほとんど不満は感じなかった。直射日光下でも画像を確認できる優秀な液晶モニターだと感じた。どうしても見えづらい時には、バックライトの輝度を上げる「パワーLCDモード」も用意されているが、使用することはあまりなかった。 

 バッテリー寿命は(CIPA規格)で約320枚撮影することが可能だ。通常の撮影でまず困ることはないだろう。バッテリーのもちが気になる時はエコモード(節電モード)を使用してみるのも良いだろう。


まとめ

 スタイリッシュなデザイン、落ち着きのあるカラーラインナップ、コンパクトなボディに多くの機能を搭載して、とても完成度の高いカメラだ。AF速度や精度、ズームスピードに至るまで不満は感じなかった。さらに、A3ノビ程度の大きなプリントに耐える有効1,220万画素CCDを搭載したことで、今までのコンパクトデジタルカメラとはまた違った楽しみを味わうことができるだろう。

 欲を言うと、マニュアル、絞り優先、シャッター速度優先モードなどあることが望ましいが、5万円を切る店頭予想価格を見るかぎり納得できる。それでも、広角28mmをカバーし、高感度撮影、ハイビジョン画質での動画撮影などもできストレスなく撮影できるのでとてもおすすめのカメラだと言える。


カラーエフェクト作例

通常 白黒 クール

ウォーム セピア

その他の作例

4,000×2,248 / F4.8 / 1秒 / ISO200 / WB:オート / 0EV
レインボーブリッジを撮影。シャープで解像感がある。ノイズもあまり目立たないようだ

4,000×2,248 / F4.1 / 5秒 / ISO80 / WB:オート / +0.3EV
停泊している船を夜景モードで撮影。5秒の長時間露光にも関わらずノイズなどはほとんど見あたらない。解像感があり、とてもシャープな写真を撮ることができた

4,000×3,000 / F3.5 / 1秒 / ISO100 / WB:オート/ 0EV
歩道橋から街灯を撮影した。 強い光源を撮してハレーションやゴーストが出るかテストしてみたが、大きなハレーションやゴーストは見られなかった。とても優秀なレンズだ
4,000×3,000 / F2.8 / 1/800秒 / ISO80 / WB:オート / +0.3EV
マクロモードで公園の花を撮影。広角端にもかかわらず背景がボケてくれたのでイメージ通りの写真を撮ることができた

4,000×3,000 / F2.8 / 1/400秒 / ISO100 / WB:オート / +0.3EV
マクロモードで花のつぼみを撮影。等倍で写真を見てみると、つぼみに生えているうぶ毛まで驚くほど鮮明に写っている。背景のボケも綺麗だ
4,000×3,000 / F2.8 / 1/400秒 / ISO100 / WB:オート / +0.3EV
昆虫をマクロモードで撮影。綺麗な液晶のおかげで画面を確認しやすくローアングルも撮影しやすく鮮やかに撮影することができた

4,000×3,000 / F5.6/ 0.3秒 / ISO100 / WB:オート / +0.7EV
室内でクラッシックカメラを物撮りしてみた。とてもシャープでフォーカスギヤなどまで鮮明に表現されている


URL
  パナソニック
  http://panasonic.jp/
  製品情報
  http://panasonic.jp/dc/fx100/index.html

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上田晃司
(うえだこうじ)1982年広島県生まれ。アメリカ、サンフランシスコ留学し、写真、映像の勉強をする。学生時代にTV番組やCMを制作するものの人物写真に目覚め、写真家を目指すことを決意。帰国後、写真家塙真一氏のアシスタントしながらフリーランスのカメラマン、ライターとしても活動を開始。

2007/06/20 00:07
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