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【新製品レビュー】富士フイルム FinePix F31fd

〜かなり使える「顔キレイナビ」と「iフラッシュ」
Reported by 小山 伸也

 「FinePix F31fd」は、「FinePix F30」に「顔キレイナビ」を追加したモデルだ。有効630万画素の1/1.7型スーパーCCDハニカムHR VIと画像処理エンジン「リアルフォトエンジンII」の組み合わせに、36〜108mm(35mm判換算)の光学3倍ズームレンズと、2.5型液晶モニターが搭載されている。

 バッテリーとxDピクチャーカードを含んだ重さは約195gで、大きさは92.7×27.8×56.7mm(幅×奥行き×高さ)となっている。





 最近では、これよりも小型・軽量のコンパクトデジタルカメラもあるが、筆者はボタンやダイヤル類の操作性を考えると、このF31fdよりも小さいと使いにくくなると思っている。

 「顔キレイナビ」は、画面内の人物の顔を9人まで同時に検出して、主要な顔に自動的にピントと露出を合わせてくれる機能だ。結論からいえばこの機能は、ものすごく良く効く。少しぐらいの主要被写体の移動は問題にせず、ピントも露出もシャープに決まってくれて快かった。


背面右側にまとめられた操作部。右下の人物のボタンを押すと顔キレイナビが起動する メニュー画面



  • 作例のリンク先は、撮影した画像です。等倍の画像(2,848×2,136ピクセル)を別ウィンドウで開きます。
  • キャプション内の撮影データは、露出モード / ISO感度 / 露出時間 / 絞り値 / 露出補正値 / ホワイトバランス / 実焦点距離です。
  • 強調のため一部の項目を1行目に抜粋した場合もあります。




頼りになる顔キレイナビ

 今のカメラは失敗する確率が低いから、スナップを中心とした撮影ではカメラ任せで1枚でも多く撮影したほうがいい。そして顔キレイナビをONにしておけば、ピントも露出も顔に合わせてくれるので、失敗どころかいい画像が得られる確率が高い。

 サングラスをかけていたり、お祭りによくあるお面を付けていると顔を検出できないが、普通のメガネをかけている人は検出できた。また、近距離でストロボを使ったときの露出の良さも驚きだ。


撮影距離は1m少しなので、ストロボが効きすぎておでこやメガネの一部が光ってしまうと思っていたが、心配する必要はなかったようだ
プログラムオート / ISO100 / 1/800秒 / F2.8 / 0EV / WB:オート / 8mm
顔キレイナビOFFだと、逆光状態ではご覧のように顔が暗くなってしまう
プログラムオート / ISO100 / 1/640秒 / F5.6 / 0EV / WB:オート / 8mm

顔キレイナビは、日本人形の顔も検出してくれた
プログラムオート / ISO800 / 1/210秒 / F2.8 / 0EV / WB:オート / 8mm

ストロボ調光はなかなか優秀

 ストロボは主要被写体が暗い場合に使う。もちろん遠景では有効に使えないなど制約がある。ストロボを上手に使いこなせる人ほど上級者といっても過言ではない。F31fdは、ISO3200までの感度設定が可能なことと、自動ストロボ調光機能「iフラッシュ」によりうまく撮影できる。

 感度を高くするとストロボの有効距離が伸びることは、よく知られている。感度を上げることは、夜間でも少なからずある定常光をより有効に使うことになり、夜間撮影などにおいて大きな威力を発揮する。

 F31fdの魅力的な機能のひとつに、ノンストロボ撮影とストロボ撮影の2枚を連続して記録できる「高感度2枚撮り機能」がある。ブラケティングと同じように、撮影後によい画像を選択できるところが魅力的だ。


●ISO感度別+ストロボ発光


ISO100+ストロボ発光
プログラムオート / 1/60秒 / F2.8 / 0EV / WB:オート / 8mm
ISO200+ストロボ発光
プログラムオート / 1/60秒 / F2.8 / 0EV / WB:オート / 8mm

ISO400+ストロボ発光
プログラムオート / 1/60秒 / F2.8 / 0EV / WB:オート / 8mm
ISO800+ストロボ発光
プログラムオート / 1/60秒 / F2.8 / 0EV / WB:オート / 8mm

ISO1600+ストロボ発光
プログラムオート / 1/60秒 / F2.8 / 0EV / WB:オート / 8mm
ISO3200+ストロボ発光
プログラムオート / 1/80秒 / F2.8 / 0EV / WB:オート / 8mm

ISO3200+ストロボ非発光
ISO3200においては、ストロボを使っても使わなくても、遠くにある背景の写りに変化は少ない。近くにある背景は、ストロボを使うと写り方が変わってくる。最も大きく変わるのは、主要被写体で、黒と白というくらい違っている
プログラムオート / 1/75秒 / F2.8 / 0EV / WB:オート /8mm

●高感度2枚撮り


高感度2枚撮りでは、まずストロボ非発光で撮影する
プログラムオート / ISO100 / 1/280秒 / F2.8 / 0EV / WB:オート / 8mm
その後、ストロボ発光でもう1枚撮影。撮影した結果で比べられるのが便利だ
プログラムオート / ISO100 / 1/280秒 / F2.8 / 0EV / WB:オート / 8mm

室内で高感度2枚撮り
プログラムオート / ISO1600 / 1/170秒 / F2.8 / 0EV / WB:オート / 8mm
ストロボ発光時にはISO感度が下がる
プログラムオート / ISO800 / 1/85秒 / F2.8 / 0EV / WB:オート / 8mm

広角端はやや弱いが優れた描写の3倍ズーム

 レンズは、35mm判換算で36〜108mm相当の3倍ズームが搭載されている。鉄道や航空機などを撮影するには、もう少し焦点距離が長いほうがよいが、スナップ撮影を主体にするには、もう少し広角寄りとしても良かったかもしれない。

 液晶モニターでライブ画像を見ていると、広角側でややタル型の歪みが出ているが、記録された画像ではそれが少ない。画像処理で歪みが補正されているようだ。一方、望遠側では、ライブ画像も記録画像も歪みは少ない。


●歪曲収差


広角端
プログラムオート / ISO800 / 1/125秒 / F2.8 / 0EV / WB:オート / 8mm
望遠端
プログラムオート / ISO800 / 1/42秒 / F5 / 0EV / WB:オート / 24mm

●画角


広角端
プログラムオート / ISO100 / 1/640秒 / F6.4 / 0EV / WB:オート / 8mm
16mm域
プログラムオート / ISO100 / 1/550秒 / F8 / 0EV / WB:オート / 16.1mm

望遠端
プログラムオート / ISO100 / 1/550秒 / F8 / 0EV / WB:オート / 24mm

さらなる操作性の洗練に期待したい

11月初旬だというのに、早くもクリスマスのイルミネーションが始まっている。見つけたのはよいが三脚をもっていなかったので、ISO1600にして撮影してみた。自宅で画像を見ると、シャッター速度は1/25秒と相当遅くなっているが、何とか写っていた。ノイズも思ったよりは少なかったが、もう少し改善を望みたい
プログラムオート / ISO1600 / 1/25秒 / F2.8 / 0EV / WB:オート / 8mm
 「簡単なデジカメはない?」とよく訊かれる。コンパクト機でもいろいろなことができるようになっている。メーカーも、全ての機能を使い込んでほしいとは思っていない。多くのユーザーの希望を取り入れると、現在のデジカメのようになってしまい、購入者は必要な機能を選択して使うことになる。

 せめて、必要な機能が素早く使えるようになればいいのだが、なかなか難しいようだ。顔キレイナビやiフラッシュなど、初心者にも有効な機能を搭載しているF31fdでも、モードダイアルを回転したり、メニューボタンで機能を設定したりするなどの操作は初心者向きとはいえない。

 AEモードは「プログラムAE」、「絞り優先AE」、「シャッター速度優先AE」があるが、3つもAEが必要だろうか? プログラムAEだけでいいと思うのだが、いかがだろうか。AEの仕組みがわかっている人には、プログラムシフトで絞りやシャッター速度をコントロールしてもらうほうがいいと思う。



URL
  富士フイルム
  http://www.fujifilm.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.fujifilm.co.jp/corporate/news/article/ffnr0047.html
  製品情報
  http://fujifilm.jp/personal/digitalcamera/finepixf31fd/

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小山 伸也
中央大学理工学部卒業後、オーディオメーカー、カメラメーカーを経て2002年春にフリーになる。カメラ雑誌で写真やカメラの解説、鉄道や航空雑誌で車両や航空機の解説など幅広く活躍している。カメラメーカー勤務時には日本カメラショーなどの講師を務めていた。1955年生まれ東京都出身。

2006/12/15 01:42
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