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【新製品レビュー】ニコン D200(画質評価編)

〜ニコンの見識が感じられる名機
Reported by 根本 泰人

 以下の画質評価では、注記がない画像の撮影はISO100、色空間はsRGB、JPEG・ファイン(画質優先圧縮)、オートホワイトバランスで撮影している。


AF-S DX ED 18-70mm F3.5-4.5 G

 最初に、レンズキットとして発売されてるAF-S DX ED 18-70mm F3.5-4.5 Gレンズでの描画を見てみることにする。

 広角端18mmでは、絞り開放から画面全体に解像力は均質な印象で、隅で流れることもなく良好である。ただし四隅で周辺光量の不足が認められる。F8では画面全体にシャープ感が増し、周辺光量の低下も減少してあまり目ただなくなる。

 35mmでは絞り開放から画面全体にとてもシャープである。周辺光量の低下もわずかである。周辺部ではわずかな糸巻き型の歪曲があるようだ。F8でも絞り開放が良いため、あまり変わらない。

 望遠端70mmの絞り開放では、中心部はシャープだが、周辺部でわずかに甘い。ピクセル等倍に拡大すると、周辺部の建物の縁に紫色の色にじみがわずかに現れていることがわかる。また四隅に周辺光量の低下が現れる。F8に絞ると周辺部の画質が改善し、周辺光量不足も認められなくなるが、色にじみは消えない。

 以上の結果でわかるように、風景撮影においてこのズームはどの焦点域でも絞り開放から画面の大部分で画質がとても良く、画面全体でみても画像に大きな破綻がない。非常に性能の優れた標準域ズームであり、D200とのマッチングも良いと言えるだろう。


18mm / F3.5 / 1/1,000秒 18mm / F8 / 1/250秒

35mm / F4.2 / 1/750秒 35mm / F8/ 1/250秒

70mm / F4.5 / 1/500秒 70mm / F8 / 1/180秒

 レンズテストで良く撮影する近所のお寺の門である。設定の確認を忘れ、ISO400で撮影していた。ピントは中心の屋根の瓦屋根の手前の端に設定してある。

 18mm広角端では中心部はシャープだが、屋根の左右方向で瓦の菊模様の解像が悪くなっていることがわかる。像面が平坦ではないようだ。また四隅方向で周辺光量の低下も認められるのは、遠景と同様である。F8に絞ると周辺部の画質が向上し、まず良好な画像となる。

 35mmでは絞り開放から、瓦の菊模様が隅までほぼ均質な解像力を示していることがわかる。全体的に非常に良い画質である。F8に絞ると被写界深度が増すことがわかるが、画質は相変わらず良い。

 70mm望遠端も絞り開放から瓦の菊模様が隅までほぼ均質な解像度を示した。上端の瓦の模様も隅までほぼ同じに見える。安定した画質であると言えよう。

なおこれら画像でわかるように、D200は標準設定でも色のきれいな画像を撮影できるのが印象的である。


18mm / F3.5 / 1/1600秒 18mm / F8 /1/350秒

35mm / F4.5 / 1/1,000秒 35mm / F8 / 1/320秒

70mm / F4.5 / 1/500秒 70mm / F8 / 1/160秒

 近接撮影時の前後のボケの様子をみるため、撮影距離1.5mほどの植木を撮影した。また絞り開放とF8の時を比較することで、被写界深度の変化も確認できる。光量が不足気味の撮影だったので、ISO400に設定して撮影した。

 18mm広角端では、このレンズは前後のボケは自然な雰囲気で、特に目立つ画像の崩れはない。35mmでは、手前側のボケが二線ボケ気味で、特に光斑がリング状になる傾向が認められる。ただし雰囲気は悪くない。後側のボケは自然な感じで良い。70mm望遠端でも前後のボケには大きな破綻はなく、前側のぼけがわずかに35mmと同じ傾向で、後側のボケは輪郭がにじむようなボケ方を見せる。

 ズームレンズの中には後ろのボケが円を描くような感じになるなどボケ味が汚くなるものがあるが、このズームはそうした癖は認められない。またどの焦点距離でも、ピントがあったところは非常にシャープで、このズームレンズは近接時も画質は良い。


18mm / F3.5 / 1/50秒 18mm / F8 / 1/10秒

35mm / F4.2 / 1/30秒 35mm / F8 / 1/10秒

70mm / F4.5 / 1/25秒 70mm / F8 / 1/10秒

 浅草寺の夜景を撮影した。画面の中央付近に強い照明光を入れ、ゴースト等の発生があるか調べてみた。感度はISO400に設定し、三脚に固定してセルフタイマーで撮影した。3D-RGBマルチパターン測光であるが、露出決定が難しい条件にもかかわらず、露出は良く揃っている。ノイズも目立たず、非常にきれいな夜景がカメラまかせで撮影できることがわかる。

 まずどの焦点距離でもゴーストの発生は認められず、非常に優秀である。その他気がついた点としては、18mm広角端では照明の白い光の縁に紫色のにじみが少し生じている。35mmではそれはわずかとなる。


18mm / F3.5 / 1/2.5秒 18mm / F8 / 1.6秒

35mm / F4.2 / 1/3秒 35mm / F8 / 1秒

70mm / F4.5 / 1/3秒 70mm / F8 / 1秒

AF-S DX VR Zoom Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6 G(IF)

 続いてAF-S DX VR Zoom Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6 G(IF)の性能を見てみたい。


 このレンズは各焦点距離において絞り開放から周辺部まで良く像が整っており、解像度も高くシャープで、非常に良く写る。またボケ味は素直である。周辺減光は広角端と望遠端の開放付近でやや目立つが、F8に絞れば解消する。歪曲収差も少ない。

 総合的に見て描写性能が非常に高次元でバランスした高性能レンズである。また操作性も非常に良く、小型で携帯性も良い。以前のニッコールレンズテストの際にも述べたが、私は最近のニッコールレンズの中でも傑作レンズだと思っている。どのような状況でも安心して撮影することができるお勧めレンズだ。某有名レンズメーカーで、このクラスの各社の様々なレンズを比較テストしたそうなのだが、このレンズが最良だったと聞いた。納得できる話である。



 各焦点距離において開放とF8で建物を撮影し、絞りによる描写性能の違いについて検討した。D200を三脚に固定したので、VRはOFFである。なおレンズの説明書に、三脚でも不安定な場合にはVRをONにするようとの注意書きがあったので、念のためVRをONにして同じショットを撮影したが、今回の結果は同一と見なすことができた。


18mm / F3.5 18mm / F8

34mm / F4.2 34mm / F8

70mm / F5 70mm / F8

200mm / F5.6 200mm / F8

 このレンズは各焦点距離で、絞り開放から周辺部まで非常に良く像が整っているのが印象的だ。厳密に見ていくと、使用頻度が高い広角端と70〜135mmの望遠側が特に優秀で、絞り開放から隅部まで安定した画質である。35mm付近が、絞り開放では周辺部でにじんだ感じとなるが、これも絞れば解消する。また200mm望遠端でも絞り開放では中心部は良いが周囲がやや甘い。これも絞れば解消する。

 色にじみは18mm広角側の周辺部でわずかに目立つ程度。周辺減光もあまり目立たないのは優れている。歪曲収差は広角端でタル型、35mm以上では糸巻き型となるが、この糸巻き型の歪曲は望遠端よりもむしろ中間域のほうがやや目立つ。

 広角端18mmは35mm判換算で27mm相当。望遠端200mmは同じく300mm相当である。広角27mm相当から300mm相当まで約11倍のズーム比があり、一般的な撮影はほぼこれ1本ですませることが可能と言える万能的焦点距離である。その上、手ブレ補正機能の性能は、公称値では現在世の中にある手ぶれ補正機能内蔵レンズの中で最高の約4段である。サイズが小さいことも大きな特徴で、これはDXフォーマットゆえの特徴と言えるだろう。もしフルサイズ対応で同等の28-300mmF3.5-5.6として、手ぶれ補正機能と超音波モーターを内蔵したレンズはこのサイズでは実現することは難しいのではないだろうか。

 このレンズは中心部の画質はどの焦点距離でも非常に良いため、絞り開放から十分実用になり、四隅まで周辺部まで均質な画像を望むならF8以上に絞れば良い。望遠端はF11まで絞りたい。このレンズの描写性能だけでみても、110,250円という希望小売価格は安いといえると思った。


 ここで手ブレ補正機能に関して、D200の多重露出機能を使いこのVR18-200レンズの200mm端で手持ち撮影するとどの程度手ブレするか試し撮りしてみた。撮影方法は手持ちで秒5コマ連写で10コマ合成した結果で、もっともブレが少ないものを示す。つまり2秒間の間にしっかり支えたつもりでも、これだけぶれているということになるわけだ。


多重露出を用いた手ブレテスト。自分で思っていたより、結果は良くなかった。

一般作例

 特に注記がない場合、仕上がり設定は標準、露出はマルチパターン測光、色空間はsRGB。レンズは個々に記載。

※写真下の作例データは、使用レンズ(実焦点距離)/ISO感度/露出時間/絞り値を表します。


AF-S DX ED 18-70mm F3.5-4.5 G(62mm) / ISO100 / 1/250秒 / F8
標準設定で鮮やか目なきれいな画像が得られる。赤色系の微妙なディテールがかなり良く再現されていることが印象的
AF-S DX ED 18-70mm F3.5-4.5 G(55mm) / ISO100 / 1/180秒 / F7.1
黄色や青色もきれいな再現である

AF-S DX ED 18-70mm F3.5-4.5 G(46mm) / ISO100 / 1/350秒 / F9
やや露出アンダー目となり、色が濃い。それにしてもどぎつい色の看板で人目を引く
AF-S DX VR ED 18-200mm F3.5-5.6 G(200mm) / ISO100 / 1/180秒 / F7.1
この画像は色空間がAdobeRGB。浅草でお練りに出くわしたので、とっさに撮影。VRは手ぶれに対して安心感があるが、被写体ブレまでは止められない

AF-S DX VR ED 18-200mm F3.5-5.6 G(28mm) / ISO800 / 1/25秒 / F4
夜景。この画像は色空間がAdobeRGB。手持ちだがVRのおかげかブレはないようだ。画面内に点光源が多く、周辺での像の崩れ具合がよくわかる。絞り開放というレンズには厳しい条件での撮影。

AF-S DX VR ED 18-200mm F3.5-5.6 G(105mm) / ISO400 / 1/350秒 / F11 AF-S DX VR ED 18-200mm F3.5-5.6 G(200mm) / ISO400 / 1/100秒 / F8
ズームレンズなのに、前後のボケが自然で、花の撮影にも好結果が得られる

Ai AF Nikkor 35mm F2D / ISO200 / 1/640秒 / F8 Ai AF Nikkor 35mm F2D / ISO200 / 1/1250秒 / F8

Ai AF Nikkor 35mm F2D / ISO200 / 1/500秒 / F8 Ai AF Nikkor 35mm F2D / ISO200 / 1/1600秒 / F8

AF-S VR マイクロニッコール ED 105mm F2.8G / ISO400 / 1/30秒 / F8 AF-S VR マイクロニッコール ED 105mm F2.8G / ISO200 / 1/2000秒 / F4
ピント面がきっちりシャープで、しかも前後のボケがとてもなめらかで美しい

プリント時画質評価

 いつも評価に使用しているエプソンのPX-G900とA3ノビ対応のPX-G5000を使用して、様々な条件下での撮影データをプリントしてみた。印刷はNikon Capture 4.4から行なっている。

 結果については、RAWデータで撮影した画像をNikon Capture 4.4で調整してJPEGなどに変換することなく直接プリントすれば、すでに600万画素のD70/D50系でさえA4どころかA3ノビサイズでも銀塩フィルムを越える素晴らしいハイクオリティプリントを得られるわけで、1,000万画素のD200についてはことさら説明はいらないだろう。ともかく見た人から美しいですねと誉められるプリントを確実に得ることができる。

 ではD200の良いところはなにかというと、仕上がり設定を標準にしてJPEGで撮影した画像を手を加えずそのまま出力しても、かなりのレベルできれいなプリントが得られることではないだろうか。つまり画像処理が得意でない、あるいはできない人でも、一般的に言ってきれいなプリントが得られるような設定になっている。

 逆に自分で調整したい場合には、コントラストや彩度が低い方が後処理しやすいだろうから、仕上がり設定をソフトにするとか、カスタマイズで自分の好みに設定して撮影すれば良い。しかし、これもRAWデータならNikon Captureで撮影後どのようにでも変更・調整できるので、ある意味どうでも良いと言える。つまり撮影後の後処理の自由度が極めて高い。

 ところでD70/D50クラスとD200、さらにD2Xの違いはなにかということだが、単純に画素数が大きい方が同じクオリティならより大サイズのプリントを得られるのは当たり前として、例えば同じA3ノビにしたときの違いについてはどうだろうか。以下は私見だが、A3ノビサイズではピントのシャープさはほぼ同等である。ではどこに違いが現れるかというと、ハーフトーンのなめらかさの再現性や、背景のボケの表現力である。例えば花や人肌の微妙な色の変化は、画素数か大きいほどなめらかで、結果として質感が高くなる。またボケ部のなめらかな階調表現力は銀塩フィルムがデジタルよりまだ優れていると感じる部分だが、デジタルではこれも画素数が大きいD2Xがもっとも良い結果を得られる。これは同じ被写体を同じレンズで同じ条件下で撮影して、また銀塩フィルムでも同時に撮影し、それぞれプリントした結果を比較すると見えてくることである。

 なお、一部のD200では、ある条件化で縞が画像に発生し、ニコンも公式にこれを認めて、対策を行なっている。筆者のD200でもこれが発生しているとの指摘を受けているが、プリント結果には特に影響は出ていない。



URL
  ニコン
  http://www.nikon.co.jp/
  製品情報
  http://www.nikon-image.com/jpn/products/camera/digital/slr/d200/
  レンズ交換式デジタルカメラ(D200)
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/link/dslr.htm#d200

関連記事
ニコンD2X/D70によるニッコールレンズ簡易描写性能テスト(2005/11/15)



根本 泰人
(ねもと やすひと)クラシックカメラの収集が高じて有限会社ハヤタ・カメララボを設立。天体写真の冷却CCD撮影とデジタル画像処理は約10年前から、デジカメはニコンE2/E900から。趣味は写真撮影、天体観測、ラン栽培、オーディオ(アンプ作り)等。著書「メシエ天体アルバム」アストロアーツ刊ほか。カメラ雑誌、オーディオ雑誌等に寄稿中。 http://www.otomen.net
http://www.hayatacamera.co.jp

2006/05/02 00:01
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