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【新製品レビュー】リコー Caplio R4

〜オートで手軽なお散歩カメラ
Reported by 小山 安博

 光学7.1倍ズームレンズ・手ブレ補正搭載と魅力的なスペックを備えた「Caplio R4」が登場した。これだけのズーム倍率、しかもワイド端で28mm(35mmフィルム換算時)という広角撮影も可能でありながらコンパクトサイズを実現したCaplio R4は、お散歩カメラに最適なカメラだ。


光学7.1倍でコンパクト

 R4は、ボディデザインやスペックを含め、前モデルのR3からそれほど大きな違いがあるわけではない。本体サイズは95×26×53mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約135g(本体のみ)で、R3とまったく同一。





 外観デザインについてもほとんど変わらない。わずかにレンズ周りのデザインなど、細かい部分で違いは見受けられるが、微調整のレベルだ。わずかにシャッターボタン側、グリップ部が液晶側にカーブを描くデザイン、シャツの胸ポケットにも収まるコンパクトなサイズも健在だ。


微妙にレンズ周りのデザインが変わっている
 この薄型コンパクトで、7.1倍という高倍率ズームを積んだというのが、R3から続く大きなメリットだ。R3と同じ7.1倍なので衝撃というほどではないが、それでもやはりこれだけコンパクトにまとめているのは見事だ。最近、松下電器産業が新製品の「LUMIX DMC-TZ1」でコンパクトながら光学10倍ズームを搭載してきたが、こちらは奥行きが40mm強、重量は約234gもある。光学倍率は違うものの、R4のアドバンテージはまだ失われていないだろう。

 焦点距離は35mm判フィルム換算で28〜200mmと、広角から望遠までをカバー。特に広角側を一般的な35mmではなく28mmの広角撮影が可能な点がうれしい。しかも7.1倍ズームのため、望遠側も必要十分な200mmまでサポートしているのは大きな強みだ。

 さて、R4のズームレンズは、レンズ収納時にレンズ群の一部が鏡胴外に逃げる、という独特の収納方法でコンパクト性を実現している。実際の撮影時は逃げていたレンズ群が“合体”して1つのレンズとなるので、筐体の薄さの割にレンズの繰り出しが大きい。特に7.1倍までズームしたときは、この筐体にどうして入っていたのかと思うほど飛び出す。まぁ、だからどうしたという話なのだが、最初に見るとちょっとびっくりする。

 本体は適度な厚みがあり、グリップ部の微妙なカーブも持ちやすさに貢献している。ちょうど親指の来るあたりに滑り止めもあり、構えたときの安定度はなかなかいい。


グリップ部が少し湾曲したデザイン。手ブレ補正ボタンはシャッターボタン脇にある。小型でちょっとへこんでいるため非常に押しにくいが、頻繁に押すことはないため、逆に誤操作防止としては理にかなっている
 本体背面は2.5型の液晶モニターを搭載。R3が約11.4万画素だったのに対し、約15.3万画素と少し高精細になった。解像度は物足りないところはあるが、見え方はまずまず。左右の視野角はそこそこだが、上下の視野角が狭いのは少し残念。

 液晶右側には、縦に並ぶように操作ボタンが配置されている。上からモードスイッチ、再生ボタン、ADJ.(アジャスト)ボタン、削除/セルフタイマーボタン、ディスプレイボタン、本体下部に円形の十字キーがあり、中央にはメニュー/OKボタン、上部にはズームボタンが並ぶ。

 各ボタンは小さめだが、適度なすき間があり、ボタンふくらみが大きいため比較的押しやすい。撮影によく使うアジャストボタンやメニューボタンの位置は悪くなく、片手でも素早く操作できる印象。

 それに対してちょっと押しにくいのが電源ボタン。出っ張りがないため指の腹で押せないので、爪で押すようにしなくてはならないからだ。逆に誤動作は少なそうだが、とっさのシャッターチャンスにちょっとまごついてしまった。


アジャストボタンで快適な操作性

設定を変更すると、大きなアイコンで表示してくれる。誤った設定で撮影をしてしまう、というミスが防げる
 電源を入れてから2秒弱ほどで撮影が可能になる。沈胴式としてはおおむね文句のないスピードだ。AFのスピードもなかなか速いが、リコーらしい「ジジー、ジジー」というAF稼働音は相変わらずでちょっと気になる。

 光学7.1倍ながらズーミングのスピードも速いが、この動作音もやや気になる大きさ。またステップズーム機能を搭載しており、28 / 35 / 50 / 85 / 100 / 135 / 200mmと段階的にズームできる。

 モードスイッチは撮影、ムービー、音声の切り替えで、シーンモードは十字キーの上で設定する。

 通常の撮影ではリコー独自のアジャストボタンが活躍する。よく使う撮影設定をアジャストボタンに割り当て、素早くアクセスできる機能で、露出補正、ホワイトバランスに加えて、ユーザーが2つの設定項目を追加できる。


アジャストボタンを押すとよく使う露出補正、ホワイトバランスに加え、2つの項目を追加して利用できる。カスタマイズ性があるのはいい アジャストボタンに追加できるのはISO感度や連写など。ISO感度はぜひ割り当てておきたい

 設定できるのはISO感度、画質、フォーカス方式、シャープネス、測光方式、連写、オートブラケット、音声付き撮影の8種類で、自分がよく使う機能を割り当てるといいだろう。こうしたカスタマイズができるカメラはまだ意外に少ない。リコーは比較的早い段階からこのアジャストボタンのカスタマイズに対応しており、好感が持てる。

 撮影時はアジャストボタンを押すと設定画面が立ち上がり、アジャストボタンか左右ボタンを押すことで機能を切り替えて設定を行なう。各設定項目は上下ボタンで設定する形で統一されている。ただ、一番下の設定項目からさらにしたボタンを押すと、先頭の項目に戻り、先頭から上ボタンを押すと一番下に移る、という循環をしてくれると便利なのだが。これはメニュー内の設定項目でも同一で、ちょっと改善を望みたい点だ。

 アジャストボタンでは、十字キー下でマクロモードにすると、自動的にAFターゲット移動機能が追加される。十字キーでAFターゲットを自由な位置に移動でき、三脚を使うことの多いマクロモードでは使いやすい機能だ。マクロはこれまでどおり1cmマクロに対応している。焦点距離200mmのテレマクロでも14cmまで近寄れる。

 アジャストボタンに設定できない項目はメニューから設定する。1 / 2 / 4 / 8秒の長時間露光、5秒〜3時間で5秒単位のインターバルタイマーも設定できる。露出補正やホワイトバランス、ISO感度はメニューの階層奥にあり、特にISO感度は、オートだとけっこう簡単に増感するので、アジャストボタンに設定しておきたい。

 アジャストボタンのおかげもあり、これまでのリコーのデジカメにも通じるものだが、基本的に操作性は良好だ。

 また、撮影設定を変更した際に、オレンジ色で設定が変更されていることを強調表示してくれるのは親切でいい。設定を変更した状態にしていったん電源をオフにし、また起動した際にはさらに点滅表示してくれ、分かりやすい。


「高感度・低ノイズ」には及ばず

 撮像素子は有効画素数604万画素の1/2.5型原色CCDを搭載する。R3が同513万画素の1/2.5型CCDだったから、CCDサイズはそのままに高画素化を図ったことになる。最近のコンパクトデジカメのトレンドは600万画素に移ったようで、この春の新商品の多くはこのサイズのCCDを搭載したものが多い。撮像素子メーカーのシャープが今年始めに1/2.5型サイズで700万画素CCDを開発しているので、今後これを搭載したモデルが登場してきそうではあるが……。

 撮影は基本的にオートで、長秒時露光を除いてシャッター速度や絞りの変更はできない。これ自体はほかのコンパクトデジカメも同じような感じなので、特にデメリットではない。

 シーンモードは十字キーの上で、ポートレート / スポーツ / 遠景 / 夜景 / 斜め補正 / 文字 / ズームマクロ / 高感度の8種類から選択できる。高感度に関しては、ほかのデジカメのように高いISO感度を選べるモードではなく、液晶の感度を上げて暗所でも見やすくするためのモード。映像は荒くなるが、多少の暗闇であれば被写体が確認できる。ただ、逆にISO感度の設定はできず、オートのみしか選べないのが多少ちぐはぐな印象だ。


シーンモードの変更画面
 シーンモードは、ちょっと数が少ないのが残念だが、斜め補正はちょっと面白い。これはカシオ計算機のEXILIMに搭載されているような機能で、斜めから撮った四角い被写体を正面から撮ったように補正する機能。補正はカメラ内で行なわれ、なかなか正確。補正後の画像は別ファイルで保存される。

 アジャストボタンでカスタマイズして追加した2つの項目が、シーンモードでは利用できないのは残念なポイント。露出補正とホワイトバランスは通常撮影時と同様に設定できるのだが、それ以外をカスタマイズしていても無効になってしまうのだ。

 そもそもシーンモードではメニューからISO感度やブラケット撮影を選択することもできないのだが、それにしても画質やフォーカス方式といった、シーンモード中でも設定できる項目をアジャストボタンに割り当てていても、結局は利用できないのはもったいない。

 逆に、無理にシーンモードを利用しなければ、広角28mmから望遠200mmまでのレンズを搭載したCaplio R4は、撮影シーンを選ばない万能カメラではある。ISO800までの高感度撮影にも対応しており、さらに光学手ブレ補正機能も備えていて安心感が高い。

 ただ、最近はやりの「高感度・低ノイズ」とまでは言えないのが惜しいところ。ISO100あたりでもノイズはそれなりにあり、ノイズはリニアに増えていく。ISO800になると緊急避難用のレベルで、光学手ブレ補正もあることだし、極力最低感度のISO64で撮りたいといった印象だ。もちろん、L判サイズであれば多少のノイズがあっても問題にはならない。ISO感度はオート/ISO64/100/200/400/800から選択可能だ。

 R3から搭載された手ブレ補正はCCDを動かして手ブレを補正するCCDシフト方式で、シャッター速度で2〜3段分の補正効果があるらしい。実際に3段分の効果はありそうで、補正効果は十分な印象。


オートで手軽なお散歩カメラ

 再生は背面の再生ボタンを押す。電源オフの状態でも再生ボタン長押しで、再生モードとして起動する。再生中はシャッターボタン半押しでいつでも撮影モードに移行できるのは便利。再生速度もサクサクと閲覧でき、十分だ。


再生画面。必要な情報はおおむね表示される。シャッタースピードや絞りを変更できなくても、これらの数字は表示してもらいたいもの。手ブレの目安などになるので、撮影中の表示も必要。R4は撮影中にもシャッタースピードや絞りが表示される

 再生中は、ズームボタンのテレ側を押すことで拡大再生ができるが、一度ズームボタンを押して拡大再生を始めたら、そのままメニューボタンを押すことで一気に8倍まで拡大され、もう一度メニューボタンを押すと全画面表示に戻るという、リコーのデジカメで伝統の機能を搭載。


拡大再生中。1ボタンで一気に最大倍率まで拡大してくれるのは便利。もう一度メニューボタンを押すと等倍表示になる

 ズームボタンをワイド側に押すとまず3コマのサムネイルモードになる。前後のコマが小さく表示され、ブラケット撮影などで前後のコマを確認しながら再生したいときに便利。サムネイルは1画面に最大12コマまで。再生画像に対しての編集機能は特にない。


3コマ表示は、前後のコマを確認しながらコマ送りができる サムネイルは12コマと少し物足りない

 それなりの不満点はあるのだが、この手軽なサイズ、使い勝手で、広角から望遠までカバーできる点がR4の大きな強みだ。晴天の屋外でお散歩に持ち歩く分には大きな不満は感じないだろう。


バッテリーは充電式で、撮影可能枚数は約330枚(CIPA規格)。R3が約310枚だったので微増だが、いずれにせよ通常の利用に関しては問題のないレベルだ

ISO感度


※作例のリンク先は撮影画像をコピーしたものです。

※写真下の作例データは、記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。


 ISO64はまずまずだが、ISO100からややノイズは増え始め、ISO400ではだいぶ色ノイズも発生している。ISO800は緊急避難用といった印象。


2,816×2,112 / 1秒 / F4.8 / 0EV / ISO64 / オート / 85mm 2,816×2,112 / 1/2秒 / F4.8 / 0EV / ISO100 / オート / 85mm

2,816×2,112 / 1/4秒 / F4.8 / 0EV / ISO200 / オート / 85mm 2,816×2,112 / 1/7秒 / F4.8 / 0EV / ISO400 / オート / 85mm

2,816×2,112 / 1/15秒 / F4.8 / 0EV / ISO800 / オート / 85mm

作例

風景モードで撮影。ISO感度オートだと、最低感度でにはならないようだ
2,816×2,112 / 1/250秒 / F7.0 / 0EV / ISO100 / オート / 66mm
同じ場所からテレ端で撮影。ここまで寄れれば満足
2,816×2,112 / 1/570秒 / F4.8 / 0EV / ISO100 / オート / 200mm

こちらはワイド端。強い光源を入れたがフレアやゴーストはわずか。ただ、細部の描写はちょっと怪しい
2,816×2,112 / 1/2000秒 / F5.0 / -2EV / ISO84 / オート / 28mm
ISO感度をISO400までアップした。28mmのワイドレンズなので、屋内で広々とした撮影をするためにも使える。こうしたくらいシーンでも、手ブレ補正があるので比較的手ブレは安心
2,816×2,112 / 1/32秒 / F3.3 / 0EV / ISO400 / オート / 28mm

ISO800まで増感してようやく1/52秒。単に増感だけだったら手ブレは免れなかっただろう。増感による画質の劣化と手ブレのどちらをとるかは被写体次第だろうか
2,816×2,112 / 1/52秒 / F4.8 / 0EV / ISO800 / オート / 200mm
ホワイトバランスを屋外に設定して雰囲気を残しつつ撮影。マクロモードを使っている
2,816×2,112 / 1/3秒 / F4.8 / 0EV / ISO80 / 屋外 / 85mm

これだけのシャッタースピードなのだから、最低感度でも良さそうなものだが。ISOオートで撮影
2,816×2,112 / 1/570秒 / F4.8 / 0EV / ISO100 / オート / 200mm

ちょっと不思議なのが連写モード。こちらはISOオートで撮影し、さらに連写モードにして撮影したのが次の写真
2,816×2,112 / 1/233秒 / F4.7 / 0EV / ISO100 / オート / 75mm
連写した最後の1枚。ISO感度はISO322まで増感されている。「連写は速く動く被写体を撮るため。だからシャッタースピードを稼ぐために増感」ということなのだろうか。連写モードでは状況に応じてISO64に固定したほうがいいだろう
2,816×2,112 / 1/760秒 / F4.7 / 0EV / ISO322 / オート / 75mm

200mmという望遠になると圧縮効果が高い
2,816×2,112 / 1/540秒 / F4.8 / 0EV / ISO64 / オート / 200mm
シャッタースピードを8秒に設定して撮影
2,816×2,112 / 8秒 / F3.3 / 0EV / ISO64 / オート / 28mm


URL
  リコー
  http://www.ricoh.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.ricoh.co.jp/release/by_field/digital_camera/2006/0303.html
  製品情報
  http://www.ricoh.co.jp/dc/caplio/r4/

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小山 安博
某インターネット媒体の編集者からライターに転身。無節操な興味に従ってデジカメ、ケータイ、音楽プレーヤー、コンピュータセキュリティなどといったジャンルをつまみ食い。軽くて小さいものにむやみに愛情を感じるタイプ。デジカメ、音楽プレーヤー、PC……たいてい何か新しいものを欲しがっている。

2006/04/07 14:32
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